自信を持たせる事からはじめよう

小学校の頃、体育は得意だったが小学校4年生まで泳げなかった。
小学校4年生の一学期の最後の体育の事業で、(僕が泳げると思いこんでいる先生が)全員が見ている前で僕一人プールに立たせ、「水野君、皆に泳ぎの見本を見せて下さい」と言った事がある。
「泳げないんです」と言って、すごすご引き下がるのが、どれだけ恥ずかしかった事か。

さすがにいかんと思い、夏休みは、毎日の様にプールに行き、親・親戚に泳ぎを教えてもらった。
が、1ヶ月経っても全然泳げない。

夏休み最後の日にもプールに行ったが、一向に泳げる気配が無く、帰宅直前に母親が投げやりに、「じゃあ、幼児のプールで浮かんでみなさい」と言った。
実際に試してみたら、ふわっと浮かぶ感じがしたので、「これが泳ぐという事か!」と思い、そのまま大人用のプールに走り、25メートル泳いでしまった。

人間の体の構造は、力を抜いて、頭を水の中に入れれば、浮かぶように出来ている。
あとは、如何に力を抜かせるかが問題で、それが、
・浅いところ(腹ばいになれるくらいで、恐怖心を感じる余地が無いところ)で浮く感覚を味あわせる。
・ゴーグルを付けさせる(水の中でも目が自然に開けられる様にする)。
という事だと思う。
この条件が整えば、頭さえ水に沈めさせれば、それで泳げるようになる。
この方法で、何人かに教えたが、全員、その日のうちに泳げるようになった。

浮く感覚を味わえれば(自信が持てれば)、自然と泳げるようになる訳で、足の立たないところに付き落すとか、ゴーグルを付けないで水の中で目を空ける練習からするとか、そういった方法は、逆効果だというのが僕の意見だ。


仕事も同じだと思う。
部下は、自信を付ければ伸びる。
あとは、どうやって、自信を付けさせるかという事だ。

達成できるレベルの仕事を与えていき、能力を徐々に伸ばしていく事(徐々に、高度な仕事を与えていく事)、どんなことでもいいので、工夫や光る部分が見えたらしっかりと褒める事が、上司の役割ではないかと思う。

僕は新人の頃、罵り、けなして仕事を教える上司の下にいた。
そういう人間は、どこの会社にも多々いる(まあ、その人間が、本当に部下を育てる気があるかどうかは分からないが)。
ただ、この様な教え方は、やはり逆効果だと思うし、僕は反対だ。
委縮させては良い仕事はできないと思う。

まあ、自分自身は優しく教えているつもりでも、そう部下から受け取られているかはまた別の話だが。
昨年、亀一に、「俺は仕事厳しい?」と言ったら、当たり前の様な顔で、「はい」と答えていたし・・・