中国PE課税のDVD発売開始

昨夜日本到着。
さすがに香港とは温度差がある。
これくらいの時期はちょっと移動が辛い。

機内の4時間半は、26日の大連のレジュメを書いていたら、あっという間に過ぎてしまった。
年内に講演会が6件決まっているので、これからレジュメづくりが大変だ。

話変わって、チェイス・チャイナから、「1日でわかる非居住者課税強化とP/E認定」のDVDを発売しました。
今年7月に香港で開催した講演会の映像ですが、中国のPE課税の考え方と実務、更には、2009年から実施されている課税強化の内容を、4時間かけてじっくりと解説します。

詳細・お申し込みはこちらから

DVDの内容は以下の通りです。
1.中国の課税強化の動向
① 2009年以降の課税強化の動向
② 上記(①)による影響
③ 役務提供契約の登記義務と恒久的施設認定の関係
④ 非居住者に対する見なし利益課税方式

2.P/E認定の考え方と注意点
① P/Eの概念と意義

3.中国からのコンサルティングフィー・技術指導料回収方法
① コンサルティングフィー(技術指導料を含む)の送金方法
② 無形資産譲渡・使用対価の送金方法
③ 非貿易項目の送金に関する税務手続

4.日本払い駐在員給与の送金
① 外貨管理上の問題
② P/E認定の妥当性

慕情で夕食

18日は香港スナフキンの会であった。
前日の17日は、下見という訳ではないけれど、一人で慕情に行って食事をした。
頼んだのは、牛筋の煮込み、日本国産牛使用のチャーシュー、揚げ餃子。

そして日本酒。
ほのぼのとした食事であった。
一人暮らしだと、一人で食事ができる店の確保が大切だ。

手金ならやるか

商社、銀行に入社する新入社員は、「大きな事をやりたい(大規模な資金を動かす仕事をやりたい)」というケースが多い。
僕が商社に入った時も、「中国でエネルギー資源の開発をやりたい」と盛んに言っていたので、同じような発想かもしれないが。
ただ、今では、大きな資金を動かす事が、小さな実績を積み重ねていくより必ずしも有意義だとは思わないし(優劣がつけられないという意味で、規模の大きな仕事を否定する趣旨ではない)、更に、会社の金を1億動かすよりも、自分の金を100万円動かす(手金での事業投資)方に意義を感じるようになった。
これは人それぞれであろうが。

大企業の社員が陥りがちな問題は、資金を動かす事の痛み、事業投資の失敗の恐怖を感じなくなる事である。
若手社員の頃は、TVや映画の主人公になぞらえて、投資スキームを組んだり、プレゼンしたりする事に自己満足を感じがちだが、それは、(若干方向は違えど)僕自身にも思い出がある。
ただ、権限のない若手社員のうちなら良いが、一定の権限を持った人間が、「金ならいくらでも借りられる。こつこつ利益を伸ばすには限界があるから、良い会社を買収して連結利益を金で買うんだ」という指示をしているケースがあり(従わなかったが、僕もされた経験がある)、これはお門違いな発想だと思う。
買収も相互の信頼関係が必要で、マイナー出資なら、更に、出資者側の機能を評価してもらえなければ、コントロールが効かない出資になる。
資金の拠出だけでは、相互利益につながる買収は無理だ。

今、僕が行う出資は、1件数百万円単位の小さなものだが、手金での出資で痛みが伴う。
大企業の社員は、過酷な利益ノルマに追われ、安易な投融資に走る誘惑にとらわれる事もあるだろう。
ただ、迷った時は、「手金ならやるか」という、当たり前の問いかけを自分にしてみるべきである。
少しは冷静になれる気がする。

海鮮料理屋のカツカレー

昼にワンポアジャスコで買い物をしてから客先訪問。
ホンハムに引っ越して以来、ジャスコを愛用しているので、すっかり愛着もわいてきた。
11時40分に近辺にいたので、軽く買い物して、隣の虎太郎で讃岐うどんを食べてから移動するかと思い立ち寄ったが、30分以上時間がかかってしまった。
今回初めて気が付いたのだが、レジと宅配手配の担当が一緒だ。
さほど人は並んでいなかったが、レジを打っている人が、そのまま(若干場所を移動して)宅配の手配をするので、その間、処理が完全に止まってしまう。
「早く戻ってきてくれー」と心の中で叫ぶことしきり。
結局、買い物は5分で終わったが、25分以上待つ事になった。
このシステムは変えてほしい(ユニーの様に、宅配カウンターを別にして欲しい)。
是非、ご検討ください。

そんな事情で、讃岐うどんは断念。
午後一の面談先企業までタクシーで移動。
幸い、早めに到着できたので(チムサッツイの金馬倫道)、偶然目についた錦丼という店に入る。
鮪専門店で、鮪丼、中落ち丼、親子丼、ウニいくら丼などが美味しそうだ。
が、しばし考えカツカレーに。

海鮮屋のカツカレーで大丈夫かと思ったが、出てきたカツカレーは、とんかつもさくっと揚がっているし、カレーもおいしかった。
これは当たりだ。

ジャスコで並んだ結果、思わぬカツカレーに出会った。
ちょっと得をした気分だ(していないが)。

日本酒の品ぞろえは悪そうだが、今度は、鮪を食べに行くかな。

商社機能と独立

商社の伝統的な活用方法は、「調達に関しては資金ニーズ」、「販売に関しては与信リスクのヘッジ」という形である。

調達サイドに関して言えば、原材料調達から製造、販売、回収までに資金ニーズが生じるので、これを商社の与信販売(ユーザンス販売)を利用して解決するという事。
勿論、銀行からも借り入れは行うのであろうが、資金調達の多様化は必要であり、その観点から、商社からの購入が行われる場合は多い。
販売サイドに関しては、特に、中国の場合、メーカーは与信販売をせず、前払い・銀行保証手形等での決済を原則とする場合が多い。
バイヤーがこれに応じない場合は、商社経由で販売して与信リスクを回避する事になる。

商社の活動は、形があってないものなので、時代の流れと共に変容していくが、この伝統的な活動に関して言えば、顧客から期待されている機能は、資金調達と与信リスクの回避である。
実際には、これにバイヤー・調達先の開拓、ビジネススキームの構築、語学対応、貿易実務の対応、投融資等が同時に提供されるのであるが、ユーザーニーズという点では、伝統的な機能(資金と与信)に重きが置かれている場合が今でも多い。

資金調達は会社の信用が必要で、与信面では、営業・審査・経理のノウハウは当然の事として、それ以上に、万一貸倒れた場合に耐えうる体力も必要だ。
商社を辞めて起業した人間が失敗するケースが多いというのは、個人企業になる事で、資金・与信面の対応ができなくなるのが主要因であろう。

これを、噛み砕いて教えてくれたのは元上司で、単純な話ではあるが、目から鱗が落ちる気がしたものだ。
同時に、「という事は、資金ニーズ・与信リスクの無いビジネスモデルが立てられれば、独立して成功する可能性も高くなる訳か」と考えたのは、前にも書いた通りである

ともあれ、事象(上の例では、商社を辞めて独立して失敗する人間が多い)があれば、その理由を知る事で対応策が見えてくる。
会社の信用、という一言で思考を止めず、その中身を分析すると、新しいものが見えてくるものだ。元上司から学んだ事の一つだ。

俏江南で優雅に四川

延安路の俏江南とエントランス

僕は辛い物が好きだ。
重慶・成都で本場の四川料理を何度も食べたが、周りでヒーヒー喘ぐ仲間たちをしり目に、淡々と食べたものだ。
レトルトカレーのLeeの30倍も、まったく問題なく食べられる。
「それがどうした」と言われると、どうでもないのであるが。

学生の頃は辛い物を好んで食べた記憶がないし、新入社員の頃は、「何十倍カレーを食べた!」と自慢している同期を、「ふふん」という目で見ていたくらいだ。
いつかはわからないが、30才を過ぎてから味覚が変わったのであろう。

そんな訳で、四川料理はよく食べる。
何故か湖南料理は口に合わないのだが。

四川料理というと、安いというイメージが強い。
部下に食事を奢る時、いつも四川料理だと、「あの人はケチだ」という噂が立つくらいだ。
ただ、時代は流れる。
高級な四川料理もずいぶんできてきた。

そんな一つの俏江南に行ってきた。
店構えからして高級だ。

口水鶏と海老炒め

思い起こせば、台湾研修生の時、昼食は週に3度は、「老郭」という四川料理だった。
研修生3人で、最初は注文できる料理がほとんどなかったので、「麻婆豆腐」、「エビの卵炒め」、「青菜の炒め」ばかり食べていた。
その頃の影響か、四川料理に行くと、自動的にその3種類の料理を注文したくなる。

今回は、ちょっと変化をつけて、口水鶏とエビ炒め。
口水鶏は、食べるとじわじわと辛さが来る。
最初は余裕だが、食べ進むと口と喉に刺激が来る感じだ。

ただ、肉も良い部分だし、美味しいのは確か。

麻婆豆腐と菜心の炒め

麻婆豆腐の38元というのが、この店では非常に良心的な価格に見えてくる。
ご飯を頼むとたいそう上品な量。
一人で二膳食べて、やっと、「まあ、お腹が膨れなくもない」という感じ。
上品だ。
そして、菜心の炒め。

これにビール2本とワイン一本を頼んで、1,100元(二人)。
四川料理がそんなに高いなんて!という人がいそうだが、カテゴリーが違うから致し方あるまい。
優雅に楽しむ四川料理だ。
その意味ではよい店であった。

麻婆豆腐を白米でかっ込む様な店も、それはそれで惹かれるが。

貿易代金決済制度の改革の試行

「貨物貿易外貨管理制度の改革の試行措置の公告(国家税務総局令[2011]第2号)」が、12月1日から一部地域で施行される。
一部地域とは、江蘇省、山東省、湖北省、浙江省(寧波は除く)、福建省(厦門は除く)、大連、青島地区であるが、先行する輸入核銷手続の規制緩和に関する弁法(匯発[2010]57号)が、やはり、地域限定で施行された上で公布された際の事を考えると、今回も、意外に早い段階で適用地域が全国に拡大するのかもしれない。
この点は、施行状況を確認した上での決定になるので、現段階では本格施行時期は予測できないが。

今回の措置は、中国の外貨決済の前提である核銷手続の全般的な見直しや、通関手続き、増値税の輸出還付手続の修正を含む大がかりなもので、一部は、措置が全国規模に拡大した際の宿題として持ち越されているが、この通り実施されたとすれば、まさに、公告のタイトルにもなっている、「改革」にふさわしい内容だ。
基本的には、現在の中国の貨物代金決済の原則となっている、一対一の消込照合(核銷)制度を総量制に変更する事と、紙証憑の廃止(オンライン化)を内容としている。
通関、外貨管理に関するオンライン処理を感じた結果と言えるであろう。

気になるのは、先行して昨年12月から施行されている「筈の」輸入核銷手続の緩和が実務的には殆ど実施されていない事で、その意味で、「今回の措置も実務的には機能しない」という可能性と、「今回の措置により、輸出入同時に本格的施行となる」という、二つの可能性がある訳だが、僕個人としては後者、つまり、「今回こそはやる」のではないかと思っている。

ただ、A類はさておき、B、C類に分類された段階で、ユーザンス取引(通関より90日超経過した段階の決済を伴う輸出入取引)が禁止される等、厳しい内容が織り込まれている。
輸入核銷と同様、今回も、全てをA類にして、問題がある企業を降格していく方法をとる可能性が高いと思うのであるが、いずれにしても、降格は、オペレーションの厳しい制限を伴う事になるので注意を要する。
何れにしても、12月からの一部地域の状況に注目する必要がある。

時代が世のあり方を検証する

10月10日の記事に付き、会社は出資者のものではないのかという、質問を受けたので若干補足しよう。
法的には、会社は出資者のものである。
それに関してとやかく言うつもりはないが、法律論だけでは語れない事が、世の中には多くある。

例えば、出資に関して言えば、出資者として忘れてはいけない事でありながら、往々にして目がいかなくなるのは、社員(使用人)には会社を辞める自由があり、顧客にも取引先を変える自由があるという事だ。
社員がいなくなれば、会社の機能は停止するし、顧客がいなくなれば、その会社の価値は地に落ちる。
法律も理論も大事で、これを基礎に世の中は回っている訳であるが、人の心を無視して実質論は語れない。

競争原理が働かない社会主義(純粋な社会主義)が失敗したのは、人の心の読み違いだ。
競争がなくても、人がモチベーションを持ち続けられる、腐敗しないという幻想が、歴史に問われたのであろう。
米国流の資本主義も、一部の富める人間側の理論になっていないか。
権力者が自分に都合の良いルールを作って、ゲームをしているのではないか。
限られた人間に富と権力が集中し、システムにゆがみが生じるのは、競争原理が働かない社会主義が崩壊した過程と同じだ。
資本の理論(金)とコンプライアンス(拘束)だけで、人のモチベーションを維持できると考えているのであれば、これも一つの幻想で、その是非が時代に問われるであろう。
今世界に広がっているデモは、その一つの問いかけであろう。

今回のデモが、世の中の何かを変えるとは思わない。
それでも、この運動は、今流の資本主義の流れに対する時代の問いかけであり、歴史の検証が行われる予兆である気がする。
資本主義が悪い訳ではない。
その在り方の問題だ。

まずは常識で考える事

「中国ビジネスは難しいでしょう」とか、「やり方が日本とは違っていて特殊なノウハウが必要でしょう」とよく言われる。
ただ、僕は二十数年中国と関わっているが、今の中国は、さほど特殊だと意識していない。

勿論、法律や社会制度が違う以上、日本のやり方だけで仕事を進める事ができないのは確かだが、これは欧米でも同じことだ。
僕は、駐在経験(居住経験)は中国だけだが、商社時代は、米国、中南米、欧州、中近東も担当した。
中近東のビジネスの方が、中国よりもはるかに難しい(日本の常識と異なる)と思う。
語学を学ばなければ、文字は全く読めないし(数字まで読めない)、思想が経済を大きく縛っている。
金利の徴収が認められない、富める者から貧者への施しが、税制に姿を変えて存続している等、宗教概念の理解が無ければ、経済制度を把握する事も出来ないわけで、その世界は日本の常識とは大きく異なる。
また、当時の中南米は、ハイパーインフレ進行下で、インフレ会計の理解が不可欠であった。貸借対照表の項目(非貨幣性資産と自己資本の部)を掛け算していくので、払い込みをしなくても、資本金が増えていくし、活動しなくても大きな損益が発生するというのは、非インフレの状況下では、その意義を理解する事もできないであろう。
米国だって、いざ担当すれば、驚くことは結構あった。

そんな訳で、日本しか知らなければ、中国が難しいと思うかもしれないが、中南米や中近東の経験があると、中国ビジネスは、日本人の常識でも判断できる、非常にわかりやすい環境だと思えるようになる。
少なくとも、中国ビジネスに関して僕が信念にしているのは、まずは常識で判断する事だ。
100%ではないが、中国ビジネスにおいても、日本の常識で考えておかしい事は、やはりおかしい(間違っている)場合が多い。
その意味で、人の説明を聞いたり、法律を読んだりした時、感覚的に「おかしい」と思ったら、中国は日本とは違うからと、単純に割り切らずに、納得がいくまで調べなおすべきだ。
結果として、解釈が間違っている、説明を受けた事実が違っている場合が多い。

違って当然、という思い込みは危険だ。
海外で仕事をする際に、常識判断は大きな武器になる。
その意味で、常識力を磨く事は重要だ。

深夜のそば飯

数日前の事。
バーを2軒はしごして、〆に麺でも食べるかという話になった。
普通は、火鍋屋に行き、出前一丁か生麺でも入れて食べるのであるが、「そういえば、深夜4時までやっているという鉄板的があると言ってたな」と思いだし、SEEDの宮野さんに電話をして、場所を教えてもらった。
香港銅鑼湾のサークルプラザの9階だ。

さすがにお腹はいっぱいなので、頼んだのはそば飯だけ。
美味しかった。
火鍋にも未練は感じたが・・・