一人焼肉の次は一人鍋

夜8時過ぎに広州に到着した。
車中でずっと原稿を書いていたので、何とか、明日香出版の香港投資ガイド(厳密に言えば、シンガポールガイドとの抱き合わせ)の追加原稿が完成した。
本を出した事がない方だとピンとこないと思うのだが、執筆者が本を書上げた後、出版社が誤字脱字を修正して出版、という訳にはいかない。
出版社の意向に沿わない文章は、ボツになったり、修正依頼が来たりする。
書いている時は、締切に間に合わすのに必死なので、文章が荒れている部分もあり、これは直さなくてはならない。
そんな訳で、今回は、(本のイメージと違うという理由で)原稿が5個ボツになったので、他の内容で書き直し。
あと、荒れている文章等を修正したので、なんだかんだで4日間の作業となってしまった。
ただ、総論としては、直した方が良かったなと思うので、その点に付いて感想を述べれば、編集者はこれで飯を食っているだけに、よく見ていると思う。
一方、自分が出したい文章を、出したいように本にするために、子会社のチェイスチャイナが出版権を取得した訳だ(1冊目が、先月出した中国PE課税)。
ただ、それでも、文章の見直しは必要なので、PE課税の本は、編集者と3回以上のキャッチボールが有った。
本というのは、書き終わってからが、一苦労だ。

ホテルに付くと、原稿を送信して食事に出かける。
いつもの「はちべえ」。

実は、初心に戻る一環として、会社として冗費節減の方針を立てたのだが、皆な、日頃から切り詰めてやってくれているので、冗費と呼べるものがほとんどない。
かろうじて冗費と呼べるのは、僕の交際費程度なので、何のことない、冗費節減=自分に対する交際費使用禁止令である。
まあ、体も疲れているし、それはそれでよいか、と割り切るのだが、結果、一人で食事をする事がめっきり多くなった。
一人焼肉、一人鍋、自炊・・・
という訳で、今回は一人鍋。
もつ鍋が、野菜が豊富で良さそうだ、という判断。
キャベツがたっぷり入っているので、当たりであった。
もつ鍋、餃子、そしてビール1杯と、焼酎お湯割り3杯。

ついでに、スープを足してもらって(5元)、麺のトッピング(20元)をもらって半分食べる。
飲み過ぎず、食べ過ぎずで、早めの就寝。
翌日朝9時からの、JETRO相談会に備える。
因みに、お勘定は220元で、香港の相場と比べると、やはりリーゾナブル。

これはひどい

17時前にホンハム駅着。
駅は大混雑だ。
本日中の広州行の電車は、全て売り切れと書いてあり、肩を落として帰っていく人が続出している。
深圳経由で行く方法は残されているが、駅は混雑している事だろう。
僕は、昨日チケットを予約していたので問題ないが、ともあれ、昨今の香港・広東省ボーダーの往来はすさまじい。
年末、クリスマスシーズンというのも関係しているのだろうか。

そんな訳で、明後日のチケット(広州東駅⇒ホンハム)の買おうとするが、まさに明後日にダイヤ変更が有るため、予約できないと言われる(香港側でも広州側でもダメ)。
では、明日になれば買えるのかと聞くと、明後日(当日)にならないと、ダイヤも分からないし、買えないという回答で、運営のひどさにあきれる。
クリスマス休暇の前日で、当日は、混乱が確実に予想される(買えるかどうかわからない)し、深圳駅は、前回の週末の様な混雑になる危険性が高い。
大事を取って、明日の最終便の電車を抑えたが、さて、どうなる事やら。

今年最後の広州出張、まさにてんやわんやだ。
香港・広東省の往来が、(ひどい混雑という意味で)怖い今日この頃だ。
景気が良いのも考えもの。

忙しさを自慢するのは

昨夜上海から香港に移動。
今晩の電車で広州に。
仕事はやっと峠を越えて、平常に戻った感じである。
ここ数日の自分のブログを読み直してみると、忙しさで、あたふたフラフラしている状況で埋め尽くされており、事実ではあるが、いかんなあとも思う。
若い頃から、「忙しさを自慢する人間は、ろくなもんじゃない」という自覚はあるが、その実、自分が一番、忙しさを全身に漂わせて、婉曲に(?)自慢している(?)。
忙しい時も、涼しい顔で業務をこなすような人間が、格好良いとは思うのだが、自分にはできない事が分かっているので、それはしない(できない)。
そんな訳で、状況を正直に書いていたら、読者の方を心配させる様な記述になってしまったのであるが(ろくなもんじゃない)、業務ラッシュも峠を越したので、普通の記述になるであろう。
そして、体も楽になってきた。

親や部下から、スケジュール詰め過ぎではと心配されるのであるが、経営の不安と恐怖(会社の存続に関する責任)を忘れるためには、忙しい状態に身を置くしかない。
忙しさが去ると、恐怖と不安が襲ってくるのは目に見えている。
つまり、多忙からくる身体的負担と、不安・恐怖からくるメンタルの負担とどちらが大きいか、という二者択一にならざるを得ない訳だが、僕は、メンタルの負担の方が、体に悪いと思っているので、体を追い込むわけだ。
会社経営者だけでなく、会社員でも、部、課という組織を任されると、組織経営のプレッシャーから逃れる事はできない。
この様な問題は、30代以上の人間が、等しく持つ状況ではないであろうか。

会社の成長と初心

会社を興して4年半。
社員も25人となり、組織としての体裁が整ってきた。
まだまだこれからだが。

昨日は、いつもながらの月曜日のプレッシャーで、朝4時に目が覚めてしまい、寝付けなさそうなので、4時半から仕事をした。
土・日両方とも、10時間以上睡眠をとっていたので(週末に寝すぎという説もある)、さして問題はないのだが。
こんな感じで、会社を守る事に対するプレッシャーは、会社が安定してきてもなくならない。
この先、ずっとそうであろうが、上にいる人間が、どっしりと構えている事で、社員が安心して働ける訳だから、自信を持っていられるように頑張ろう。
会社を興した時に、僕に付いてきてくれた杉山さん、胡さん、麦さんに、3拠点の社長を任せているが、4年半して、全員、社長が板についてきた。
組織を任される事で、やはりプレッシャーを感じている様であるが、それが、人間を成長させているのであろう。
大企業の中でやっていたら、これはできなかった事だ(本社員の中から社長を選ばざるを得なかった)。その意味で、独立して一番良かったのは、この点だ。

独立した時は、2か月間、タクシーに乗らずに、スタバのコーヒーも飲めなかったのが懐かしい。
ホテルも1年間は、1泊300元前後(税込)の部屋しか使わなかったので、バスタブのある部屋に、早く泊まれる様になるのが目標だった。
そんな時期が、今は昔となったのは、個人的には嬉しい事であるが、初心を忘れているのではないか、という自戒の念が最近生じた。
初心に返って、また走り出そう。

焼肉の週末

一昨日(土曜日)は、アジアの風の出演が有った筈だが(番組のバックナンバー紹介に載っているので確かだが)、疲労困憊の中、(目が虚ろになりながら)仕事に没頭していたことにより、親族にも誰にも伝えていない。
衛星放送を見るツールを持っていないので、僕自身も見ていない。
番組制作の方が、DVDを送ってくれると思うので、それを見る事にしよう。

そんな感じで、年末のばたばたが続いているが、よく働きながらも、睡眠はしっかりとっているので、体力は徐々に回復。
本調子まであと一息。
引き続き、あまり酒を飲む気にならず(珍しい!)、それが良いのかもしれない。
体は正直だ。

昨日は、10時まで寝て、それからひたすら明日香出版の香港ガイドの校正。
1日では仕上がらない事は良く分かったが、今週前半には終了できるだろうとの見通しが立ったので、古北(栄華西道)美食坊の焼肉屋に行く。
炭火が良い。
香港だと、消防法の関係(と思う)で、室内で炭火が使えない。
炭火焼肉が新鮮だ。
そういえば、15年ほど前、香港に「炭火」という、電気かガスコンロ(どちらか忘れた)を使っている焼肉屋が有ったな。
あれは悲しかったな。
等と思い出に浸る。

これはネギタン。
先日の、純韓国風の店もよいが、やはり、日本人には、日本風の焼肉(日本風の韓国料理)が口に合う、と改めて思う。

ロースを食べたらお腹が膨れ、ユッケジャンクッパが、殆ど食べられなかったのが残念。
美味しいクッパだったのに。
そんな感じで、1時間程度で食べ終わると(生ビールは1.5杯)、マッサージ屋に直行。
90分揉んでもらい、満足したところで帰宅。

直接投資の規制緩和とは

昨日執筆したNNAの連載原稿は、2012年11月19日に、国家外貨管理局より公布された「直接投資に係る外貨管理政策のさらなる改善及び調整に関する通知 (匯発[2012]59号)」に付いて。
もう少し早く書こうと考えていたのだが、役務増値税に関する原稿が2回書いてあったので、これを先に回した結果、書くのが若干遅れてしまった。

外貨管理局が、「許認可事項の大幅な削減により、外国企業の出資促進する」と記者発表しているので、素晴らしい事が起きるのではないかと期待している方が多いのであるが、実際には、それ程の内容ではない。
つまり、従来できないものが出来る様になる訳ではなく、手間が省けるものがいくつかある、という程度。
ただ、
・中国内の外資企業から、海外の親会社に対して、貸付を認める方向が示された事(剰余金 x 出資比率の範囲内)
・外国企業が中国企業に、外資企業の持分を譲渡した際の対外決済(中国⇒外国)に関する、外貨管理局の許可が免除され事(換金も同様)
は、意義深い。

因みに、後者(持分譲渡)に付いては、持分譲渡に関する商務主管部門の許可を取得したら、その内容を外貨管理局で備案(登記)すれば、銀行審査のみで送金ができる様になる。
中国からのエグジットに際して、内資企業、若しくは中国内の外資企業に持分譲渡して撤退するケースが増えてきているが、この様な場合は、中国から日本への持分譲渡代金決済が必要になる。
これがやりやすくなる、という点は影響が有る改定だ。

その他の事項は、あまり詳しく書くとNNAさんに迷惑がかかるので、大まかな感想にとどめるが、外資企業の「設立前準備口座」の開設や、口座内の外貨の人民元転換が、外貨管理局の許可不要となったのは、実務上、良い影響が考えられる。
何分、最近は、開設を認めない外貨管理局が有ったり、使用の度に外貨管理局に報告・許可取得を求められたりするので、法律はあっても、実務上の選択肢にはなりにくかった。
この著しい不便さが、やっと、まともな状況になる事が期待される。

資本金口の払い込み(検資報告書の作成)や、資本金口座内外貨の人民元換金(匯綜発[2011]88号の規制)に付いては、会計士や銀行側の手間は、若干(ほんの少しだけ)軽減されるが、企業側は殆ど影響なしという内容。
資本金口座の開設が、複数・遠隔地で認められる様になったのはそれなりに意義があるが。

あと、無償増資や、外国企業の再投資に付いての外貨管理局の審査免除、特に、後者に付いては、実務上影響が有るかもしれない。
外国企業の再投資というのは何かと言うと(匯発[2012]59号をさらりと読むと、外資企業の国内再投資と勘違いしてしまいそうな書き方だが)、外国企業が、既存の出資先である外資企業Aから回収する外貨を、対外送金せずに、既存・新規の外資企業Bの増資、資本金払い込み等に充当する行為。
これは、「外商直接投資の外貨管理業務を完全なものにする事に関する通知(匯発[2003]30号)」という関連通知が出ているのだが、外資企業AとBの所管外貨管理局が異なる場合等、双方の見解が一致せず(許可がとれず)、実行できない場合が見受けられた。
この手続が、スムーズになる期待が有る。

ただ、注意が必要なのは、無償増資や再投資に関する商務主管部門の審査は従来通り必要であるという点で、今回改善されるのは、商務部の許可は取れても、外管局の許可が取れないので実施できない、という問題が避けられるという事。
ただ、従来から、回収せずに中国内で資金を回すよりも、一旦、日本に送金してしまい、再度、払い込んだ方が(実際に資金を往来させた方が)、実務上便利という考え方が有った。
若干の銀行手数料はかかるが、教科書通りの資金の流れであれば、特に、認可機関が口をはさむ事もなく、迅速に対処できるので、そちらの方が合理的という事だ。
つまり、今回の規制緩和で、再投資が便利にはなりうるが、最悪、この方法を使わなくても、十分、対処できる問題ではある。

やるべき仕事をこなした後は

今日(土曜日)は12時間寝て、11時に目が覚めた。
日一日と疲れが回復しているが、昨日段階で、まだしんどく、午後の3時間の会議が苦行であった。
3日間、殆ど酒を飲む気にはならない(引き続き、今日もあまり飲みたくないので4日間)のは、極めて珍しい状況。
まあ、昨日は宴席が有ったので、酒は飲んだのであるが、帰りに大ぶりのアイスクリームを買って、衝動的に全部食べてしまった。
僕は、日頃は、甘いものをまったく口にしないが、実は好きだ。
酒と甘いものを両方取ると、太るのが目に見えているので、酒を飲む日は甘いものは食べない事に決めているだけ。
ただ、疲労が限界以上蓄積した時は、衝動的に、ケーキやアイスクリームを大量食いしてしまう。
これは、1~2年に1回あるかないかの事だが、昨夜はまさにそうであった。
今日は夜まで後悔していたが、覆水盆に返らずだ。
疲労とストレスが極限までたまっていると、取りあえず自分を納得させよう。

そんな中、今日は12時過ぎから、E-mail整理をし、依頼されている意見書を仕上げ、NNAの原稿を書いた。
終了したのは夜8時半で、安心してマッサージに行った。
日本では、高くておいそれといけないマッサージを、毎日の様に行けるのは、中国で生活しているメリットの一つだ。
ただ、やるべき事をやったので、精神面はほっとしている。
今日寝れば、明日には回復するだろう。
やるべき事を、しっかりこなせば気分はよい。
明日も昼まで寝て、香港ガイドの校正をやろう。

分かり易い増値税輸出還付解説

増値税関連の法規における輸出還付公式は、不還付税額、免税控除還付額、免税控除額等、紛らわしい単語が並んでおり、読んでも何を言わんとしているのかわからず、消化不良を起こしてしまう方が多い。
そんな訳で、誰でもわかる様に、増値税の輸出還付公式を解説しようと思いつく。

1.増値税の基本
増値税は、日本の消費税と同じで、最終消費者に転嫁する税額。
つまり、サプライヤー(一般納税人の場合)には、貨物代金と一緒に17%の増値税を支払い。
☆ これは、もらってしまった訳ではなく、あくまでも仮払いなので、資産処)。
顧客からは、貨物代金と一緒に、17%の増値税を回収する(その会社が一般納税人の場合)。
この税額も、もらった訳ではなく、預かっただけなので、仮受処理(負債処理)。
その後、双方を相殺して、差額を税務局に納税する事になる。

サプライヤー ⇒販売100⇒ <企業> ⇒販売200⇒ 顧客
      ←代金100 + 税額17←  ←代金200 + 税額34←

税額部分の経理処理は、以下の通りとなる。
仮払増値税 17(100×17%) |仮受増値税 34(200×17%)
⇒ 相殺して上で、17を税務局に納税。

国内販売だけをしていれば、通常、負債勘定である仮受増値税(販売時に回収して預かり処理した増値税)の方が多いので、これ(多い部分)を納税すればよい。

では、資産勘定(仮払い増値税)の方が多い場合、どの様な理由が考えられるか、というと、一般的には、
1)一部、もしくは全額を輸出した。
2)仕入と販売のタイミングがずれた。
3)損失取引をしたので、販売増値税の方が少なかった。
という様なこと。

この内、1)の理由である場合は、税法に、仕入税額の還付(ゼロ税率)が認められているので、輸出還付を行ってしかるべきである。
2)はいずれは調整される筈なので、待っていればよい。

2.製造業の輸出還付
販売業の場合は、仕入れた財貨がそのままの形で輸出されるので、仕入税額に、還付率をそのまま掛けて、還付額を算定すればよい(仕入税額x還付率=還付額)。
⇒ 中国の輸出還付の特徴は、仕入税額が全額還付されず、輸出する商品によって還付率が決まっている。

一方、製造業の場合は、原材料が多数購入され、形を変え(減耗もあり)出ていくので、仕入税額の発票と輸出製品の、一対一の個別紐付けはできない。
よって、一種の割り切りにより、「輸出額をベースに還付しない額を先に決め、それ以外の仕入税額を還付する」方式を採用するのである。
この公式が、不還付額=輸出FOBx(17%-還付率)の意味。
それからのステップであるが、

① 還付控除の対象外となる金額(還付・控除不能額)の計算
還付・控除不能額=(輸出FOB-免税輸入原材料)×(17%-還付率)

☆ この計算式の趣旨は上記の通り。
因みに、免税輸入原材料というのは、進料加工で保税輸入した原材料は、増値税の免税対象となるため、不還付額を減らすために控除する。

② 納税額の計算
納税額=売上増値税(国内販売に際して徴収した仮受増値税)
-仕入増値税(国内仕入・一般貿易輸入で支払った仮払増値税)
+還付・控除不能額(①)
⇒ 納税額が正の数字になった場合は納付ポジションに、負の数になった場合は還付ポジションとなる。

☆ 
納税額が正の数字になる場合
——————————————-
仮払い増値税 50 | 仮受け増値税 100
           | 不還付税額   0

例えば、輸出をせずに、国内販売だけをしていると、(販売月のズレや、損失取引が無ければ)この様に販売時に預かった税額の方が大きくなる筈なので、その差額(この場合50)を納税すればよい。

納税額が負の数字になる場合
——————————————–
仮払い増値税 100 | 仮受け増値税 50
           | 不還付税額  10

一方、この様に、仕入時に仮払いした税額の方が大きい場合(且つ、不還付税額が有る場合)は、輸出が有る筈なので、還付を考慮する必要がある。

ただ、これだけでは、仮払い増値税(仕入税額)の方が大きい理由が、輸出によるものだけなのか、期ズレや損失取引によるものかが分らない。
その為、次(③)のテストで、理論的な輸出還付額を算定する訳である。

③ 還付可能額(最大還付容認額)の計算
還付可能額=(輸出FOBー免税輸入原材料)×還付率


上記の計算の結果として、還付可能額(③)が、納付税額(②)のマイナスの絶対値より大きい場合は、②の金額が全額還付される。
その上で、還付可能額(③)-実際の還付額(②のマイナスの数字の絶対値)を、「免税控除税額」と呼称する。 
一方、還付可能額(③)が、納付税額(②)のマイナスの絶対値より小さい場合は、実際の還付額は還付可能額(③)となり、免税控除税額は0となる。

以上が、製造業の増値税納付・輸出還付公式である、免税・控除・還付方式である。
こうしてみると、さして難しい公式ではないのだが、税法では紛らわしい書き方がしてあるのと、噛み砕いた解説が、今まであまりなかったので、抵抗感を持つ方が多かったという事かと思う。

わびしい弁当だが

2日前に、疲労困憊で、やっとの事で上海にたどり着いたが、なんとか体力が回復してきた。
2日前(12日)は、ぐったりして上海到着。
一歩たりとも外出する体力がなかったので、夕食はどん兵衛(きつねうどん)を食べて、夜0時までE-mail処理をして就寝。
酒は1滴も飲まず。
昨日(13日)は、面談アポが無かったので、1日中email処理。
夕食は、昼に作っておいた、というほどでもないが、ご飯に目玉焼きと焼売を詰め込んだだけの弁当を食べて終わり。
酒は少ししか飲まず。
という感じで、過ごしたら、何とか、体力が回復してきたものだ。
顔のむくみもやっと取れてきた。

週末は、明日香出版から出す予定の、香港投資ガイドの校正をやらないと間に合わない。
NNAさんからも、中国外貨管理マニュアルの在庫が10冊になってしまった、という連絡を、数日前に頂いた。対応を考えねばならない。
そんな訳で、引き続き慌ただしいが、峠は越した。
ひと頑張りだ。

因みに、これが弁当の写真。
わびしい見てくれだが、成田空港に行くまでの間、崎陽軒の焼売弁当が突然食べたくなり、これが叶わず残念に思っていた。
こんな感じで焼売が食べられたのは満足だ。

マネー資本主義2(経験談)

先日書いた、マネー資本主義の続き。

新入社員の頃、会社で英語研修を受けた。
世は、バブルの真っ盛り。
経済学が得意な先生で、「米国ではかつて土地の過大評価による過剰融資で、経済恐慌が生じた。日本でも同じ事が起こると思うがどうか」と、僕に問いかけた。
結局、それから数年後に、その通りの事が起きた訳だが、若く未熟だった僕は、「理論的にはその通りだが、日本人は土地に対する一種の信仰が有る。経済が減退するにしても、米国と同様の事は起こらないのではないか」と(新入社員時代の拙い英語で)回答した。
今から思うと、恥ずかしい限りで、進行中の好景気が一過性のものであり、悲惨な結末が迫っている事を、実感として予測できなかったのである。
こんな感じで、過去に教訓を得ている米国人の教師と、社会に出たばかりの日本人の僕の意見がかみ合わなかった。
米国の経験から日本は学べず、バブルが崩壊した。
そこまではまだ分るが、リーマンショックにおけるサブプライム問題では、米国で、また同じ事が起こった訳で、「マネー資本主義」を読んだとき、頭をよぎったのは、約25年前の、英語の授業の光景だ。
人間、つくづく過去の失敗から学べないものだと思う。

これまた思い出話になるのだが、僕が丸紅出資のコンサルティング会社で社長をしていた時(2007年)、出資をしていた金融物流部門の全体会議が有った。
朝の9時前から夕方6時までの長い会議であったが、その時、「持分利益を金で買え」という趣旨の発言が相次いだので驚いた事が有る。
地道に努力しても利益の拡大には限界があるので、マイナー出資で事業参画して持分利益を取り込み、利益を増加させようという趣旨だが、ノウハウがない事業にマイナーで参入しても、出資先のコントロールは不可能だし、のれん代の償却が不要と言っても、毎年減損テストがあり、永遠に投資差額の調整を先延ばしできる訳ではない。
こんな事を許したら会社のためにならない、と思ったが、その数か月後に、部門でサブプライムの損失が発生した事も有り、翌年には部門長は交代し、方針転換がはかられた。
会議の席上、大きな違和感を感じた部門の責任者の方針が、会社に否定された訳であり、会社の良識が確認でき安心した。

ともあれ、この様に、人間は過去の失敗から学ぶのは難しい。
そして、厳しい利益目標を与えられると、安易な方に流れがちになる。
稼ぎたい、偉くなりたいというのは、人間の自然な欲求で、これを排除する必要はないのだが、自分の行為に対する責任感は、何時も持ち続けなくてはいけないと思う。
当事者意識の無さが、一番怖い。