早く中国に行けないものか

面談依頼、ご相談が徐々に増えてきた。少し明るい気分になってくる。
面談時には、どなたも「早く中国に戻りたいので、新しい情報があったら是非下さい」というご要望を頂く。中国に戻りたいのは僕も同じで、重点調査せねばならないところ。

現在、日本の中国ビザ申請センターは、日本の新型肺炎が収束していない事を理由として、受付を依然として停止しているが、「経済貿易・科学技術活動に従事していて緊急需要の有る場合や、人道的な理由で、緊急申請をしなければならない場合など」は、特例としてEmail での申請を認めている。
これに関して、広東省外事弁公室が、この特例による入国(インビテーションレター方式)に関する、レターの取得方法とフローチャートを公開した。招聘状取得申請フロー
これに関して、広東省の関連部門に、当社広州からヒアリングした結果は、以下の通り。

1.発給されるビザ
広東省外事弁公室の回答では、「外国籍の経済貿易・科学技術系ビジネスマン」が対象(日本のビザ申請センターの記載と同様)となるのでMビザとなる。ビザ期間やその他の条件は、在日本中国大使館・ビザ申請センターの最終判断によるが、原則として、90日の一次ビザになるとの由。広東省にレターを出してもらった上で、他地域(上海など)に行く事はできるか、という質問に対しては、「申請書に入国地、出張先を明記して、疫病予防指揮センターが審査して同意すれば、他地域に行ける」との回答だが、これは不透明な部分が多い。

2.難易度
広州市外事弁公室、天河区商務局の回答では、市・区の重点企業が申請できるという事で、この難易度は結構高そうであるし、関係部署が多いので、招聘状取得には、1.5~2ヶ月程度かかる模様。また、この方法で入国しても、14日間の隔離は必要となる。

という状況を踏まえ、僕自身、「さて、どうするか」と考えたが、やはり、もう少し状況を見た方が良いかという結論。
僕の会社の納税額は、大企業と比較すると微々たるものなので、重点企業に指定されるのはまず無理だろう。
となると、僕は、広州市政府(投資促進局)のシンクタンクメンバーになっているので(7年間ほど連続)、ここに推薦してもらえないかがポイントになる。
一応、投資促進局に聞いてみたら、入国の必要性に関する説明書を作成すれば、推薦してはくれるという事だが、関係部署が多いため、投資促進局の一存だけでは決められず、推薦を受けたからと言って、招聘状が取得できるかどうかは分からない。
シンクタンクメンバー(専門家)で招聘状を取得した事例は無いようだが、そもそも外国人の専門家は僕を含めて2名しかいないので、前例がないのは当たり前だ。まあ、やってみなければ分からない、という事になる。

3.ファスト・トラック制度
中国では、5月1日よりファスト・トラック制度が開始され、72時間以内に指定医療機関でPCR検査を受け、陰性となれば、14日間隔離不要で入国できる。
韓国は、既にこの適用を受けているし、6月8日からはシンガポールも適用対象となるようだ。日本にも中国からの打診はあるようだが、PCR検査をオンタイムに対応できないという日本側の事情で、まだ対応ができていない。
ただ、日本の経済界からは、かなり要望が出ているだろうから、しかるべきタイミングで実現するのではないか。
招聘状方式だと、「招聘状が取れるかどうかわからない。2ヶ月程度の期間がかかる。行き先が制限される。その方式で入国しても14日隔離は避けられない」という状況。
おそらく、ファスト・トラック制度の合意を待っていた方が、早いのでは、という様な気持ちで、当座は待ちの状況か。新型肺炎が収束してしまえば、これに越したことはないのだが。