香港製造原産表示

2020年8月13日付、Daily NNAに「香港製品は「中国製」と表示、米が義務付け」という記事が出ている。これは、他のメディアでも取り上げられているが、その効果はどうだろう。

香港統計処の発表(のJETRO短信による集計)では、2019年の香港の輸出総額は約4兆香港ドルで、対米輸出は、全体の7.6%を占めている(3千億香港ドル)。とはいえ、その大部分は、中国原産品のインボイススウィッチ取引で、既に、報復関税の対象となっていた。つまり、報復関税を適用するか否かは、原産地証明をベースに判断するので、香港の対米輸出の大部分を占める中国本土原産品は、たとえ、香港企業が米国に販売しようが、報復関税をかけられる。
では、今回影響を受ける香港原産品は、どの程度の金額かというと、対米輸出額は37億香港ドル(約4.7億米ドル)。一企業の数字としてなら、それなりだが、国(地域)としては微々たるもので、香港の輸出に占める割合の0.1%に過ぎない。
これに、報復関税をかけることで、どの程度の効果が有るのだろうか。結局、報道から受ける印象に見合う制裁効果はなく、米国の単なるアピールという気がする。そして、困るのは、(プロパガンダとは異なり)香港の製造企業だ。香港企業・香港人としては、「話が違うよ」という気にもなるのではないか(注)。

(注)
その後の米国税関の発表では、2020年9月26日以降米国で輸入される香港原産品に付いては、Mide in Chinaと表示しなくてはいけないが、関税に付いては引き続き不変(報復関税の対象外)となる模様で、妥当と言えば妥当な対応だが、何をやっているんだろうという感じは、更に増す。

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