隔離最終日

予定を変更し、3月16日(水)に隔離が終了したら、(青島での仕事は取止めて)直接上海に移動する事とした。
この変更には、経緯とドタバタがあったのだが、これは日を改めて書く事に。
これは、最終日の夜の食事。見た目で喜んだが、海鮮春雨が驚くほど冷たく全て残した。ちょっと冷たすぎ・・・

最後の晩は安眠できた。その前の晩(15日の晩)は寝られなかったが・・・
ともあれ、3週間一歩も部屋から外に出ないという特殊環境を乗り切った。良い部屋だったが、出られるのは嬉しい。そして、ちょっとしみじみした気分になる。

そして、3週間隔離中のゴムチューブトレーニングの成果。酒を飲まないので、もう少し引き締まるかと思ったが、これは期待外れ。ただ、以前の隔離の様に、解放時に足が震えるようなことはない。
あとは、早く上海に戻りたい。それだけだ。

19日目の夜(秋刀魚に喜ぶ)

今晩の隔離飯は秋刀魚の塩焼きだ。日本人が食べたかろうと、日本的な料理を用意してくれたホテルの気遣いに感謝だ。
酒が飲めないのは、不思議なほど気にならないが、日本料理が食べられないのはつらい。これほど日本料理を食べなかったのは、1989年の福建省実務研修生以来だ。
今では福州内に日本料理屋は多数あるが、当時は期待すべくもなかった。1989年7月~1990年2月(7~8か月)は全く日本料理が食べられず、やっと出張が認められた広州で、当時一軒しかなかった日本料理屋に直行し、天蕎麦、とんかつを食べて熱燗を飲んだら涙が出た。一人泣きながら日本料理を食べた26才のあの日であったが、妙に懐かしい。その時以来だろうな、日本料理に執着を覚えるようになったのは。はっきり言って、今日は完全な日本料理ではなかったが、それでも嬉しい。

日曜日で、のんびり執筆に励もうと思ったが、イマイチはかどらず。煮詰まるとkindle unlimitedで偶然発見した、「妻をめとらば」を読んでいた。柳沢きみおの漫画なので、しょうもないといえば、しょうもない。コメディだが、そこはかとない絶望感も有る。そんな難点はあるのだが、僕の新入社員時代に読んだ漫画で、当時のことを思い出しながら楽しんだ。
1987年の漫画なので、僕の入社と同時に始まったもの。そして、主人公も新入社員なので、気分をシンクロしたものだ。
読みながら思ったが、20代の頃、確かに結婚というのは人生最大の関心事だった。同期の連中も、それに必死になっていた。
20代の頃は、実力も地位もなかったけど、選択肢だけは無限にあって、目の前が輝いて見えた。それが、年齢と供にどんどん結果が出て選択肢は減っていく。勿論、20代の自分より、今の自分の方が確実に良い状態なので、決して昔に戻りたくはないが、それでも、あの時の、目の前の空気が澄み切っているような視界を懐かしく思い出す。
若干、感傷的な気分になったが、ともあれ、明々後日には解放だ。青島ビールで乾杯しよう。それが今一番の関心事だ。

メンタルを崩し、持ち直す(あと3日を切った)


隔離16日目・17日目にメンタルを崩した。特に17日目がつらくて、夜は眠れず。結局、3時間睡眠で起きて、翌日は朝から執筆を続けたが、焦りと不安が身体から去っていかない。
社会とのつながりを絶たれることに対する禁断症状というやつだと思うが、結構大変。オンライン面談とかチャットでは、あまり役に立たないものだな(無いよりは良いのだろうけれど)。
そして、取りつかれた様に執筆しているのは、つらさから逃れるためだが、なぜ仕事(執筆)でつらさを軽減できるかと分析すると、隔離で時間を無駄にした(何の成果もない時間を過ごした)と自分で認めるのが嫌で、必死で抵抗しているのであろう。自分の心を分析できたからと言って、この状況に役立つわけではないのだが、そんな事を思いながら眠りについた。

夜が明けると、それなりにメンタルが回復していた。理由は分からない。というか、4回の隔離で実体験したことだが、感情の動きは自分でも全く読めない。この読めない心の動きをどうコントロールしていくかが、隔離生活のポイントだ。とはいえ、今日持ち直したので、残すのはあと3日間。もう大丈夫だろう。
ちなみに、週に一回食事を変えられるので、中華から洋食に変更した。これもメンタルにプラスに働いていると思う。久々のサラダが本当に美味しく感じる。そして、肉が旨い。
日本料理が食べられない生活が続いていて、そろそろ限界だ。酒が飲めないのはそれほどつらくないが、日本料理断ちはきつい(成田空港で集中隔離されていた西洋人や中国人も同じ気持ちになったのだろうか)。ともあれ、あと3日の我慢だ。16日の日本料理が楽しみだ。

隔離がつらくなってくる


過去の経験から、ある程度予想していたが、隔離も残り一週間となった時点から、激しい焦りと苛つきに悩まされる。
それが反動になり、ここ数日朝4時~夜9時まで取り付かれたように執筆・仕事を進めている。
良かったことは、おかげで出版は年内ぎりぎりになると予測した「中国ビジネス投資Q&A(全316ページ)」の改訂版は、原稿が隔離中に半分程度は終わりそうだ。そうなれば、夏には出版できるだろう。
これは、僕の仕事の仕方(ツボに嵌ると爆発的にのめり込む)ではよく有る事で特段珍しくはないのだが。問題は、メンタルから隔離飯が喉を通らなくなってきたことだ。毎食、蛋白質や野菜を取らねばと思うのだが、入らないものはやむを得ない。
何れにしても、あと数日。食事がどうだろうと、「重要な問題は無かろう」と開き直って、インターネットで頼んだ即席麺を食べる。隔離も4度目だが、依然として難儀だな。

食事に飽きる

青島の隔離ホテルの食事は、決して悪くはない。美味しいと言っても良いくらいだ。ただ、日本人としては、中華の同じ味付けが続くと飽きてきて食べられなくなってくるもんだなあ・・・


という事で、インターネットで購入したどん兵衛などを食べることに。まずは、一個食べると舌がびりびりする。隔離ホテルの食事が、塩分控えめで健康的だったので、当たり前だった味付けが気になるのだろうな。

そんな話を大学の同級生にしたら、そういったカップ麺は、一個で一日の塩分摂取量になるから、入れるスープ(粉)は半分程度にした方が良いとアドバイスされる。試しにやってみたら、それで十分だ。今まで気づかなかったが、これも隔離メリットだな。
酒を飲まない日も二週間を超えたが(二週間までは、ここ数年間で2回ほど経験済)、16日目になると、飲酒欲求が無いだけでなく、酒飲むのが面倒くさい(やはり、ウィスキーとか、濃い酒を飲むのは体力使うし)という気分になってきた。勿論、このまま断酒する訳ではないのであるが、隔離は、自分の身体にとっては大変役立っているのは確かだ。

無料動画(隔離体験記)

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まずは、こちらご参照下さい(隔離体験記)

通常のものよりは軽い内容なので、見やすいと思います。無料公開期間は、アップより1か月間です。
尚、現時点では、中国本土内でのご視聴が出来ません。これは、中国内での届出(ICP登録)の問題ですが、今年上半期中に対応すべく対応を進めます。ご参考まで。

隔離中に思う

今日の朝食は良いね。肉まんは嬉しい、という些細な喜びを感じて隔離を過ごしている状況。
やはり、日本人も駐在経験地が北か南かで慣れも有り、好きな料理も違ってくる。上海以南の駐在(上海、福建省、広東省、香港、台湾)だった僕は、北方の特徴が強いと少々つらい。こんな朝食は、万人受けするので、毎日でも良い感じだ。

12日目も終わろうとしているが、この間メンタルを崩しかけたのは1回。あとは、経営に対する漠然とした不安に襲われたのが2回だ。ただ、この漠然とした不安というのは経営者の宿命で、定期的に押し寄せる。押し寄せると、必死で働く(僕の場合は、執筆、講演準備など、情報発信の準備をする)。前に小説で読んだ台詞だが、経営の不安は仕事をすることでしか解消できない。だから、追い立てられるように働く事で、会社を維持できる。社会の成り立ちだ。
また、専門家として言うのであれば、情報発信が出来なくなった時、専門家は消えていく。なので、心して努力をしていこう。

今日の午後、京東(コマースサイト)で頼んだ、どん兵衛3個が到着(3個で50元)。あと2日すると一平ちゃん(26元)が来るであろう。容器は少々潰れているが、買えるという事が有難い。どこにいても2日くらいで日本製が手に入る訳だから。
今日の昼食は食べやすくので当たりだが(夜も良かった)、同じ味付けが続くと飽きてくる。晩飯はどん兵衛天ぷらうどんで気分転換だ。

折り返しを過ぎて

隔離が11日目という事で折り返しを越えたが、実は、こういう考え方は良くない。「もう半分」という意識が、若干遅れて「まだ半分」、若しくは、「半分我慢したのに、まだこれだけ」という感情に転換され、パニックが訪れるためだ(経験済)。
よって、必要以上に意識しないという術と、この1年間の筋トレで身に着けた「苦しくても半分回数挙げれば、実質8割終わったのと同じ」という意識でしのごう。

宿泊して日が進むにつれて、食事は徐々に簡素になってきている様な気がするが、気のせいか?次の週に到着した人も同じ食事をしている筈なので、まあ、気のせいかなという気はするが。
今日の朝食はこんなものであった。芋は苦手だ。という事で、成田空港で買った明太子を、昨日の残りのご飯で食べて、朝食は終了。卵は昼用に取っておく。

食事の切り替え申請日(中華⇔洋食)だったので、洋食に切り替えようか(味の変化が付くので食欲が湧く)迷ったが、隔離期間中に筋トレと2Kgの減量を目標としているので、敢えて食欲が湧かないように中華継続とした。隔離も、中盤過ぎればサバイバル感が出てくる。

もうすぐ折り返し(インスタントコーヒー)

8日目にメンタルを崩しかけたが、翌日には持ち直して平穏無事だ。今日は10日目。もう少しで折り返し地点という感じ。

21日間の隔離には、140杯のコーヒーを持ち込んだ。全部ドリップ式が良かったが、スペースの関係で粉状のものも、スペースの関係でインスタントスティックも60袋持ち込まざるを得なかった。インスタントは嫌いで、何十年も飲んでいないのだが、まあ牛乳入れれば飲めるだろうというやむを得ない選択。
ただ、飲み続けていると(更に、試しに、牛乳を入れないで数杯飲んでみると)、こちらの味も気に入ってきた。
東野圭吾のガリレオで、彼(准教授)がインスタントコーヒー好きで、「困ったことに、この味を再現できる(粉を挽いて入れた)珈琲が無い」という台詞が有る。「味音痴の変人を表すには良いセリフだな」と思っていたが、感想が変わってきた。全拒絶から、本当に好きなんだなぁという感じの変更だ。
普段とは違う生活をすると、色々な変化が有る。

今日の朝食はこんな感じ。今回の隔離で出される初めての窝头だ。南での仕事が多いので、食べるのは2回目。ちょっと自分には合わない。

昨日はちょっとメンタルにきた

隔離9日目。昨日は急にメンタルにきた。
山東料理の味付けは少々濃いめで、続くと飽きが来る。食事に飽きたと感じると同時に、精神が崩れ、人恋しさと、飲酒欲求に襲われた。初日から全く酒を飲みたいとは思わなかったが、初めての飲酒欲求だ。とはいえ、部屋も出られなければ、調達の術もない。ただ、コーヒーを飲んで、プロテインバー(甘くて美味い)を貪り食うだけ。

また、昨日時点で8日間誰とも会っていない。
例外は、2回来たPCR検査の担当者だけ(防護服で顔は見えず、会話もないので無言)。
オンラインで面談はしているが、それだと、仕事はこなせるが人恋しさの足しにはならない。例えて言うなら、酒飲みがノンアルコールビールを飲んでいるイメージだ。
ともあれ、一夜明けたら平常に戻ったので一安心だ。
あと12日あるので、感情の波はまた来るであろう。日本のカップ麺を買い足して、それに備えよう。

今日の朝食はこんな感じ。
イモの輪切りがすごい。食べる人を、色々な意味で驚かせようという意気込み(一昨日の餃子だけもインパクトがあったが)は伺える。