上海から日本(シャロンでカツ丼)

昨日、正午発の便で、上海から日本に移動。
比較的大きな機体で、乗客も少なかったので、3時間のフライトは熟睡。
3席独占できたのでくつろげた。
今回の東方航空(前半2回の搭乗結果)は、揺れも少なく快適であった。
難点は、マイレージ会員であるキャセイやJALの様に、優先搭乗ができないので、早めに空港に行かなくてはいけない点で、今回は、乗客が少なかったので、浦東空港で時間が余ってしまった。
第一ターミナルを使用する時の定番のシャロンで、カツ丼と黒烏龍茶で昼食を取りながら仕事。
カツ丼は結構なボリュームだ。

管理機能の対価

丸紅時代、20年弱管理部門(財経)の背番号で仕事をし、最後は、営業(コンサルティング)の立場となった。
管理部門経費は、管理費負担金という形で営業部に配布されるので、長い間、そんな形で経費を負担してもらい、最後に、負担する側に変わった訳だ。
なので、配布する側・される側双方の立場が分かる。

また、1997年~2006年には、香港の現地法人内の管理費の配布金額とルールを僕が決めていたので、配布される側になった時、後任の財経担当に、「管理費高いよ」と言うと、「水野さんが決めたルールを元にしていますが」と言い返される事になる。
これはなかなか辛いものがあった。

管理費負担金とは、人事総務、審査、法務、運輸、財経等の機能の利用対価と位置付けられる。
つまり、営業の人間が、業務に特化できるために支払う費用という訳だが、僕の在籍最後の年(2008年)は、確か、年間4千万円弱の負担額であった(香港・上海合算)。
負担金は、組織割・人頭割の併用で決めていたが、駐在員1名いると、1千万円程度の負担が必要になるので(その他、組織やスタッフの人数に対しても賦課される)、こんな金額になった訳だ。
何もしなくても(居るだけで)、年間4千万円取られると、利益を上げるのが非常に大変だ。
自分で独立して、すべて外注すると、年間200~300万円で対応できてしまい、その安さに驚いた。
一般的に、外注価格は内部価格(管理費)よりも安いものだが、僕のケースにおいては、会社の運営形態も、金額の激変に大きく関係しているのだが。
当時の管理費負担金は、当然ながら商社のビジネス体系に基づいて計算方法が設定されていたので、与信管理、資金調達、運輸、受け渡し等が、重要な管理機能として絡んでくる。
この中身を見ていくと、総務、人事、経理、審査、法務、運輸などは、管理部門人員の経験、ノウハウの対価であるため、人件費をはじめとするコストが主たる要素となる。
一方、資金調達は、大企業であるが故に、当たり前の様に借入ができる訳なので、これは財務部の人間コストとは、ちょっと違った価値がある。
本来の営業活動である、調達、販売、投資というのも、会社の看板が重要な影響を与える。
つまり、従来型の商社ビジネスは、本社の看板が有ってできる面が強く、管理費は、会社の信用という、無形資産の使用対価を含んでいるから高い訳である。
一方、僕のビジネス形態では、まったくそれらが不要だ。
当時、資本金は手つかずで、期間利益分の現預金が増えている状況(借入不要)。
与信も取らない(限度額審査が不要)、物流関係のアレンジが不要という状況の中、他の営業部と同じ基準で配布額が決定されると、当然不公平感がある。

この様に、有無を言わさず払え、というのでは、逆に不公平となるので、営業部の活動形態に合わせて、管理費の計算を変えよう(経理、財務、審査etcの、どの機能をどの程度利用しているか)という試みを、僕が経理時代にした事がある。
ただ、これは労多くして功無し、として却下された(それ以前に、計算に恣意性が介入しがちで対応が難しい)。

また、管理費削減の観点から検討すると、かかった経費を自動的に配布すると、合理化努力がおろそかになるので、どうしても割高になってしまう。
これを根本的に解決するには、管理部門の別会社化・独立採算化しかない訳で、僕は、20代の頃からこれを主張していたが、さすがに、これには賛否両論が付きまとう。
会社の中が、金を稼ぐ部隊と内部管理の部隊に分かれると、必然的にこの様な問題が生じる。
古くて新しい問題である訳だが、根本的な解決は難しい。
あり余る収入があれば、こんな話は問題にもならなくなるのだが。