ウィチャット禁止のアップルへの影響

2020年8月12日付、The Daily NNAに、「米のウィーチャット禁止令、アップルに打撃」(引用)トランプ米大統領が6日、チャットアプリ「微信(ウィーチャット)」を運営する騰訊控股(広東省深セン市、テンセント)などとの取引を45 日後から禁じる大統領令に署名したことで、米アップルの中国事業にも大きな打撃が見込まれるとの見方が示されている。(引用終り)という記事が出ている。
他のメディアでも、アップルがウィチャットをインストールできなくなれば、アイフォンの全世界の売上高は、30%減となるとの予測が出ている。

そりゃあそうだろうなあ、というのが記事を読んだ印象。中国に住んだことが無い方には実感できないだろうが、中国で生活するのに、ウィチャットとアリババは必須で、これが無いと生活が極めて苦しい。イメージ的には、財布を持って外出してはいけないと言われるようなものか。いや、おそらく、もっと大変だ。僕自身は、ウィチャットは、8年ほど前から使っていたが、電子マネー(ウィチャットペイ)を始めたのは2年前。さすがに、もう使わないと不便だと観念して入れたのだが、使い始めると、これがない生活が想像できなくなるほど、圧倒的な利便性がある。昨年末、連動している銀行口座の登記を変更したら、一時的にウィチャットペイが使えなくなった。その時は不便で、焦りに焦った。
という事で、アイフォンにウィチャットがインストールできなくなれば、極端な話、中国では、アイフォンは1台も売れなくなる。マニアはスペア用に買うかもしれないが、つまるところ、ウィチャットが使えない不便を押してまで、アイフォンを買う人はいなかろう。これは、制限やイデオロギーではなく、消費者としての極めて自然な行動。

中国でも、Facebookやツイッターなどは使えないので、まあお互い様ということで、僕としてはとやかく言う筋合いでもないのだが、ともあれ、自国企業の経営、人々の不便さを無視して、イデオロギーが暴走している。特に、米国の、最近半年の行動は、ヒステリックで、落としどころを見つける気すらないように思えるし、中国は、歴史的に外圧を嫌うので、売られた喧嘩は必ず買う傾向にある。事態がエスカレートしていき世界経済が分断されるのが一番怖い。
国際間ビジネスをしている人間にとっては、手かせ足かせをかけられていくようなもので、本当に困る。何とか、融和に向けて動いてくれないか、というのが正直な気持ち。

大阪出張(箱寿司の旨さを知る)

かなり前の話になるが、7月29~31日に、大阪・岐阜・名古屋出張に行った。状況が不透明で、直前まで行けるかどうか微妙であったが、取りあえずは、順調に話が進んだ。大阪では、井上元蝶理中国総代表直々にアレンジ頂き、大阪商工会(面談2件)、日本香港協会、日中経協と面談し、その前に、ブログから連絡を頂いた学生の方の進路相談に乗る。岐阜はワンタッチ(企業訪問2件)で、名古屋に行き面談会食というスケジュール。この状況でも、諸般、お困りの方(今後の企業運営に付いて)がいて相談をお願いされた。また、昨年、かなりややこしい問題を解決させて頂いた方に感謝頂き、大阪から名古屋(岐阜経由)まで車で送って頂いたりなど、思い出に残る出張であった。
名古屋までお送り頂いた方は、二年以上前にご相談を受け、問題解決まで一年を要したのだが、人間関係を主因として、通常の会社運営ができない状況であった。それを、「企業運営には悩みが付きまとうもの。ただ、真っ当な悩みにするところまでは、僕が責任を持って解決します」と言って、部下とともに山東省にも出張し対応したのが懐かしい。一年数か月振りに会ったその方は、別人のように顔が生き生きしていた。この仕事をやっていて、嬉しいのは、こういう時かな。

これは、井上様にお連れ頂いた「末廣家」という箱寿司を専門とする店。開店直後に駆け込んだこともあるが、ご時世で、滞在時間中は貸し切り状態であった。

箱寿司が売りとは言え、刺身もあり美味しい。

そして、最後の箱寿司には感銘を受けた。今まで、作ってから時間が経過しているもの(駅弁やデパートの売店で買う様なもの)しか食べたことが無かったが、これは別物だ。上のネタが、新鮮で弾力がある。いままで食べてきたものとは、完全に別だ。

今後の国際情勢や、思い出話をごちゃまぜにし、日本酒と一緒に楽しんだ。良いパフォーマンスで美味しかったが、ちと我を忘れて食べた感があり(美味しかったからだが)炭水化物を取りすぎた。ホテルに帰ってから、しばし苦しむ。