長楽路にある福ちゃん本店に行った。ここは、1990年代以降上海で暮らした多くの日本人駐在員にとって、非常に思い出深い店だ。現在、福ちゃんは本店と栄華東道の2店舗。ただ、この玄人好みの雰囲気(何の玄人だ!?)は本店にしか出せない。栄華東道は何時も混んでいるが、個人的にはあまり行く気がせず、車で40分程度の時間をかけて本店に行く。


何時開店したか聞いてみたら1994年とのことで、既に31年。さすがの風格。下左の写真は皮せんべい。皮もあるが、こちらの方を選ぶのが個人的にはお勧め。同行の方が日本からハンドキャリーした日本酒を差し入れてくれたが、この雰囲気だと、不思議と安い酒が飲みたくなる。プレゼント頂いた純米吟醸はお土産とさせて頂き、この日は白鶴を2本頼んだ。美味い。


ここの醤油ラーメンは有名だが(勿論、ラーメンも毎回食べるが)、うずらの卵も好きだ。大学時代、早稲田大学付近に「ひげの九二兵」という店があった。看板にまずい焼鳥・水っぽい酒と書いてあったので、早大生はみんな知っているが、入ったことがある人間は少なかろう。完全に大人のスペースだった。九二兵のメニューは湯豆腐・ねぎま・うずら卵の3種類のみ。大学生4人で行ったら、周りの客(全て社会人)の押し出しに負け、追加注文ができなかった(注文取る女将さんを呼び止められなかった)のがきっかけで、うずらの卵串に異様な執着を持つようになった。その時の味がまさにこれだ。焼き加減が本当に良い。




そしてミニラーメンで〆る。相変わらずうまい。2000年頃は、上海で一番旨いラーメンは福ちゃんだと言われていた。今は、おいしいラーメン屋はたくさん出てきているが、これは思い出の味で特別だ。食後、花園飯店まで歩いて、DIDIに乗って帰宅する。路上、やたらと警察が多いなと思ったらハロウィンだった。ただ、派手な行動をする人間もいないので、警察ものんびりとお祭り気分で雑談していた。平和な雰囲気、平和な一夜。

