会社の成長

僕の会社の人員は、2008年末までは、僕1人(!)だったのだけど、それが2年間で16人に増えた。
増えているのは、上海・広州なので、「中国法人の人材採用のポイントはなんですか?」という質問を最近よく受けるが、回答は「僕は人選しません」というものだ。

起業した時、僕に着いてきてくれた部下は、実は、一人も僕自身が採用していない。
不思議なものであるが、結果、僕が採用したのは、転職志向が高い人間ばかりであったという事だ。
ただ、今の会社では、感覚を変えたい。
なるべく社員に長く会社にいてもらい、自分の会社という感覚を持ってもらいたい。
部下に、子会社の社長を任せたのもそのためだ。

そして、社長(総経理)を部下に任せたのであれば、その会社の一番重要な人材の採用も、彼らの計画に基づいて対応してもらえば良い。
そこに僕が口を挟むと、ややこしい事態になる。
「どの様な人材を、何人雇いたい」という初期的な打診は、彼らからしてもらうが、それに僕が合意すれば、あとは、採用まで、各社の社長に対応してもらう。
業績評価もしかり。
彼らの部下の業績評価や待遇に付いては、相談はしてもらうが、断定的な事は僕からは言わない様に注意している。

当然のことながら、各社の社長を、給与・権限で追い越す様な人材は、(少なくとも、上海・広州・将来の北京では)採用しない。

そんな意味で、人材の育成や組織の構築には、時間がかかるであろう。
ただ、前職の頃(旧M&C)、短期間で人材を確保しろ、組織を拡大しろ、利益を稼げというプレッシャーを受け、焦りすぎた反省がある。
それは繰り返したくない。

体力を超えた急速な成長は、必ず問題を抱える事になると思うのである。