租税条約適用手続と企業小説

上海と広州の配当手続を行っている。
上海は、資本金で払い込んだ米ドルが、まだ余っているので米ドル配当、広州は人民元配当となるのだけれど、人民元の配当送金許可はあっさり取れた。
ただ、香港に対する配当だと、企業所得税の源泉徴収が5%に減免されるので(通常は10%)この租税条約適用に関する税務局の許可に時間がかかっている。

国税発[2009]124号だと、事業所得・労務所得は届出制(基本的には、手続だけでOK)なのに対して、投資所得は許可制なので、審査に時間がかかっているものだ。
広州は2ヶ月でやっと取得。
上海はまだ手続中。
一度取れば、3年間は有効な筈であるが、初回は時間がかかるので面倒だ。

話変わって。
子供の頃から本を読むのが好きだったので、中学生の頃は、推理小説作家になりたいなどと言っていたのだが(さほど真剣に考えた訳ではないが)、トリックを1個も考え付かなかったので、作品ができなかった。
作家になる以前の問題だ(前提からして間違っている)!

その後、会社で経理の仕事をしたので、金銭トラブル関係の手口は考え付くなと思い、5年ほど前に、珠江デルタ式来料加工を使った事件のトリック、ストーリー展開を考えた。
横領に関わる経理トリックで、これに気付いた社内監査部の人間が、深圳で事故死するのが小説の発端。探偵役は当然、香港現法の経理部長だ。
森村誠一が高層の死角で乱歩賞を取った時、撰者の評に、「この作者のホテル知識に驚いた。ホテルマンでないかと思ったくらいだ(森村誠一は本当にホテルマンだったが)」と書かれていたのを読んだ事がある。
そんな訳で、こんなニッチな手口を網羅すると、撰者に、「中国コンサルタントではないかと思ったくらいだ」とか書かれるぞと、ほくそ笑みながら、導入部分を書いたのだが、本業のビジネス書の執筆が忙しく、数年間止まったままになっている。
そうしたら、珠江デルタ式来料加工(廠形式を利用した来料加工)が、廃止の方向に動いている。
廃止までいくかどうかは分からないが、ともあれ、広東省は2012年末を目途に、廠の法人転換を行う事を明文化している。
廃止されたら小説の題材自体が使えなくなってしまう!
これは困った。
既に、導入部の税関の描写からして、実態とと違ってしまっているし(ここ数年で、中国の入国審査官の愛想が非常に良くなったので、最初の重苦しいイメージの描写が使えなくなってしまっている)。
2012年までに書くか!?
無理だろうなあ。