組織に守られている気持

2008年9月1日、つまり、起業独立初日の不安が、今では懐かしい。
その不安は、組織に帰属していない不安であったと言えるだろう。
大学卒業後、すぐ前職に入社して21年半務めた訳なので、親元を離れて以来、初めて組織に帰属していない状態になった訳だ。
収入の保証もなかったので、不安とプレッシャーは当然あったが、その日の状態を描写すると、「頭がヒンヤリと冷め、それが痺れの様に体に伝わっていくが、妙に意識が覚醒している」という状況。
つまるところは、1日中、純粋に緊張した状態であった。

組織の中にいる時は、「何かあっても組織が守ってくれる」という意識と、「仲間と一緒にいる」という意識が有ったので、それがなくなる不安があった。
それが、組織を離れて5年経つと色々な事が見えてくる。
まず、組織が守ってくれるのは確かだけれど、定年退職すれば、企業年金の支給という形で保護してくれるだけで、一生の安全を保障してくれる訳ではないという事。
これは、当たり前の話だけど、大企業の中にいると、社員は一生安泰という気持ちを持ってしまうので、これは思い込みと言える。
一方、会社を辞めたら、仲間も失うという気持ちでいたけれど、結果として、以前と殆ど変らない。
昔の同僚、上司は、僕が会社を辞めても、全く変わらない付き合いをしてくれ、今でも仲間同士という意識でいる。
これは嬉しい誤算であった。
仲間というのは、人間同士の関係で構築されるもので、一緒に苦労をした、一緒に助け合った、という想いがあれば、その気持ちは所属組織が変わっても続くものだと分かった。

ただ、それはさておき、組織という存在が、社員にプラスの意識を与えるのであれば、それは良い事だ。
僕の会社も、徐々に組織という感じになってきたが、そう有りたいとおもう。

また、上司の資質というのは、語りだせばきりがないが、一言でいうと、「この人間に付いていけば大丈夫」と部下に思わせられる存在感であろう。
これまた、そんな存在になりたいと思う。

ともあれ、僕自身は、継続努力中。