日中投資促進機構の発表会で総評をする(広州)

(5月11日の出来事です)

ブログを更新できていない内に、時間だけが経過していますが・・・
ちょっと遡って5月11日の出来事。
上海から香港に戻って早々(9日)クーラーをかけて寝たら風邪をひいてしまった。
しんどい中、広州に移動。
広州東駅隣の建国酒店で、日中投資促進機構が華南投資環境の調査報告を行うので、総評をするための出張。
報告書作成の監修を頼まれており、出張前、調査報告草稿完成時にコメントをした。今回は、その締め括りの位置づけ。
2時間程度の報告会で、僕は10分弱の総括コメント。

その中で話したのは、時の移り変わり。
僕が初めて福建省(今回の調査報告に含まれている)に駐在してから26年が経過しており、中国は信じられないほど変わった。
あの当時は、僕を含めて誰ひとり(というと言い過ぎか)、中国がこれだけ経済力をつけるとは思っていなかった。
中国は外資誘致の過程で、経済特区、その他の開発区を設置し、外資には豊富な優遇措置を用意した。
今は、これらはほぼすべて廃止されている。
現在、自由貿易試験区がよく話題になるが、自由貿易試験区とかつての経済特区は全く違う。
かつての経済特区は、外資がそこに進出しさえすれば、標準税率の半分以下の企業所得税率が適用されるなど、「出れば優遇される」地域だった。
今の自由貿易試験区に優遇税制はほとんどない。
誘致スタンスは、言ってみれば(僕個人の印象だが)「ソフト・ハードインフラは他地域よりも勝っており、ビジネスチャンスは多いから、来たいんだったら来れば」というもので、高飛車な誘致、という気がする。
以前の豊富な優遇措置を提供していた中国の印象が人々の中にまだ有るので、「自由貿易試験区のメリットがわからない」と多くの人が言うが、中国側は、当たり前だと思っているのであろう。 よほどの状況変化が起こらない限り、中国がかつての様な優遇措置を外資に提供する事はあるまい。

そして、昔を知る人間にとって思い出深いのは二重為替と外貨兌換券。
かつての外貨兌換券と外貨管理センターというのが、今のオフショア人民元に重なって見える。
1994年に廃止された、外貨調整センターの実勢相場は、実需で決まる現在のオフショア人民元を連想させる。
以前の1.5倍程度の為替の違い(公定相場と実勢相場の違い)は、現在のオンショア・オフショア人民元では、極めて小さくなっているが。
ともあれ、以前は、国の中で為替政策を実験していたのが、今では、外国での実験(国を飛び出しての実験)に変わっている。
世界を巻き込んで。
同じ国とは思えない20数年の変化に、不気味さすら感じる。
ただ、これが20数年間の経過だ。

総括が終わると、体調悪く早く寝たかったので、はちべえで一人飯。 もつ鍋と鶏から揚げ。
ビールがキンキンに冷えているので美味しい。
19時には食事を終わらせホテルに戻り読書。22時には就寝。
ビールもつなべ1 もつなべ2 鶏から揚げ