(ブログが止まっていた間の出来事です)
広州宿泊の翌日(7月22日)は、朝8時に出発して、広東省のとある開発区に。
広州から車で2.5時間走ったところ(高速を飛ばして2.5時間)で、隣接する省にも近い場所。
大都市付近の開発区は、既にインフラ整備が行き届き、高層ビルが立ち並ぶ様相が有るが、ここまでくると、まだのんびりしており、20年前を思い出す風情だ。
会議が終わったのは16時半。深圳経由で香港に戻った時のは夜10時と、まさにくたくたの1日であった。
ただ、現場で腰を据えて確認作業をするのは本当に久しぶり。最近は、会社の経営が忙しくなってきており、現場作業をする時間がなかなか取れない。ただ、コンサルタントとしての感と判断力を維持するためには、こうした実務作業から離れる訳にはいかない。その意味では有意義で、また、自分がコンサルタントとして現役である事を認識できた1日であった。
話変わって、先日の深圳商工会のセミナーで、「来料加工の今後」というご質問を頂いた。回答は、「地域による(沿海部と内陸部とでは異なる)。ただ、広東省では来料加工はやり難くなっているのは確か」というもの。
広東省では、2008~2012年まで大掛かりな来料独資転換の動きが有ったが、これは深圳・東莞にほぼ限定してのもの。
つまり、来料加工廠という特殊形態で来料加工をしているのはこの両地域にほぼ限定されており、例えば東莞の隣の広州になると、元より法人形態の来料加工となっている。仏山、中山、珠海等でもしかり。
2008~2012年に実施された来料加工廠の独資転換というのは、「加工廠運営という変則的な運営を、通常形態に変えよう」というコンプライアンス管理の一環としての面が有り、直接的な来料加工制限ではなかった。そのため、大きな影響が有ったのは、深圳・東莞の両地域にほぼ限定されていた。
ただ、それとは別の面で来料加工制限が地域によっては実施されている。
来料加工は増値税の免税取引である事や、中国内の工場の機能が限定的で付加価値が低い事から、誘致が成熟した地域では敬遠される(進料を勧められる)。広東省では、国家方針(商産発[2011]269号)に基づき、2013年に「広東省の加工貿易モデル転換・アップグレードを推進する2013~2015年の3ヶ年計画(粤府弁[2013]31号)」を公布したが、ここでは加工貿易の高付加価値化やサプライチェーンの拡大等の方針が打ち出されている。
計画には、2015年までの具体的な数値計画も織り込まれているため、これに基づき来料から進料への転換が求められるケースが増えており、この傾向は広東省の中心地だけではなく、他省に近い地域(省内内陸部)にも広がっている。
深圳・東莞以外の地域(加工廠を形態での来料加工ではない地域)では、法人形態のまま、来料加工契約を進料加工契約に切り替える事になる訳で、組織の転換手続こそ不要なものの、無償設備の移管、物流、納税制度、フォーメーション(商流)の組み見直しなどの作業は必要となって来る。
この様な形で、来料の進料転換も、地域によって、やり方、注意点も異なる状況となっている訳である。