福州日本商工会・広州ジェトロより、3月1日の福州での講演会を依頼されたため、福州に移動。これより先に、3月2日に日本政策金融公庫から深圳での講演会を依頼されていた為、スケジュール的にはタイトだが、やはり第二の故郷福州での講演会という事で、引き受けない訳にはいかない。
厳密に言えば、初めて住んだ外国は台湾(台北)なので、第二の故郷というならそちらでは、という理屈もある。ただ当時(1989年)の不便な福州で辛い思いをし、その中で、土地の人達の支えで駐在期間を乗り切った記憶は、強く胸に刻まれているし、その時の経験は、僕の人格形成にも大きな影響を与えている。その意味では、やはり福州という事になるのであろう。
福州は2年ぶりだが、すっかり便利な街になっている。
交通も便利になり、街も整備されている。物価が安い分、上海よりも過ごしやすいのではないかと思ったくらいだ(まあ、実際に住めば、いろいろ不便な部分に気づくのだろうが)。
あの当時、こんな環境だったら、何の苦労もなかったろうが、その反面、これほど鮮烈な思い出になっていないのも確か。
若い頃の苦労は買ってでもしろというが、僕個人に限定すれば、あの当時の福州でよかった。
いま、しみじみ思う。