捞麺と若い頃の思い出

ちょっと前に、若者から、「香港で美味しいもの(但し、安いもの)は何でしょう」と質問され、「捞麺かな」と答えたので、懐かしくなって食べてみた。10年以上食べていない筈だが、久々に食べると美味しい。

24才の時(台湾研修生の時)に香港旅行をした折、初めて食べて、「なんて美味しいんだ!」と感動した。台湾に帰ってから、オイスターソースなどを買って作ろうと試みたけれど、まったくうまくできなかったのが、今では懐かしい。
色々な事は、年齢に対して平等だなと、よく思う。20代の頃、高級なものは食べられなかったが、こんなささやかなものを食べては感動していた。その時は、マクドナルドでチキンバーガー(フィレオフィッシュのチキンカツ版で、当時、香港にはあったが、日本・台湾のマクドナルドにはなかった)を食べても感動していたくらいだから、ともあれ、自分の中の幸福基準が、金銭的には低めに設定されていたのであろう。
そんなときの自分が、少しうらやましくもある。
また、20代の頃の自分は、知識も経験も地位もなかったけれど、可能性(未来の選択肢)だけは、無限に広がっているように思えた。だから、目の前の景色が、明るく澄んで見えたものだ。
あの頃に戻って、やり直したいかというと、そうでもないのだが、懐かしく思い出すのは確かだ。