新型肺炎による支払い遅延は、不可抗力として免責が認められるか

クライアント企業様向け会報。新型肺炎関連第4回。
会社操業開始延期措置により、適時に支払い手続を取る事ができず、対外的な支払い、給与の支払い遅延が生じた場合、これが、免責となるかどうかを、弊社顧問弁護士、その他のヒアリングを踏まえて解説しています。

<引用>
1.新型コロナウイルスによる肺炎の流行が不可抗力に該当するか
現時点では、中国の最高人民裁判所は、今回の新型コロナウイルスによる肺炎の流行が不可抗力に該当するという正式な通達を出しておりません。但し、弊社顧問弁護士の意見としては、以前のSARS流行時の判例を参考にすると、今回も不可抗力に該当する可能性が高いとの意見でした。

2.不可抗力事実性証明
中国貿易促進委員会は1月30日に、新型コロナウイルスによる肺炎の流行の影響で国際貿易契約を期日通りに履行できない、もしくは全く履行できない企業については、貿易促進委員会へ「不可抗力事実性証明書」の申請が可能であると公表しています。
http://www.ccpit.org/Contents/Channel_3434/2020/0130/1238889/content_1238889.htm

人民日報の報道によると、この不可抗力事実性証明とは、商事カテゴリにおける事実性証明行為であり、証明が与えられた当事者については、債務の不履行・不完全履行・履行遅延による契約責任の一部もしくは全部を免除することができます。
また当該証明は既に世界200以上の国・地域の政府、税関、商工会議所、企業の認可を得ており、外国における強力な執行力を有しています。
http://paper.people.com.cn/rmrbhwb/html/2020-02/04/content_1969350.htm

中国貿易促進委員会の措置を受け、各地の貿易促進委員会は不可抗力事実性証明書の発行を開始しています。
・中国貿易促進委員会
http://paper.people.com.cn/rmrbhwb/html/2020-02/04/content_1969350.htm

・深セン貿易促進委員会
http://sz.people.com.cn/n2/2020/0205/c202846-33765793.html

・南京市貿易促進委員会
http://www.jiangsu.gov.cn/art/2020/2/4/art_33718_8962590.html

但し、貨物代金の支払いや商品の納品に関わる商業契約については、すべてが不可抗力に基づき免責となるかは、契約内容や疫病の影響範囲、契約履行状況等に基づき、個別判断する必要があるので注意が必要です。

なお、例えば給与の支払い遅延等、商事カテゴリに該当しない労務に関係する債務の履行遅延・履行不能については、貿易促進会への不可抗力証明の申請は通常できません。
弊社顧問弁護士に確認したところ、疫病の影響にて従来通りの期日に給与を支払うことができない場合は、事前に従業員へ状況を説明の上、出勤可能となった後にできるだけ早急に支払うことに同意を得れば、故意に支払いを遅らせるのではないため、遅延損害金等の発生も通常はないとの意見でした。

3.その他
北京市政府は2月5日に「新型コロナウイルスによる肺炎流行状況の影響に対応し、中小零細企業の持続的な健全発展を促進する若干措置」を公布し、第1条第2項で中小零細企業の不動産賃料の減免、同条第3項で経営困難企業に対して納税期限の延期を決定しています。
http://www.beijing.gov.cn/zhengce/zhengcefagui/202002/t20200206_1625493.html

また上海市静安区人民政府も、疫病の影響を受けた中小企業をサポートするための措置を公布しており、自社保有不動産を中小企業に貸出している国有企業は、少なくとも1か月の賃料減額・免除を実施することを奨励し、減額・免除した部分は区財政より一定の補償を与えるとあります。
http://www.jingan.gov.cn/xwzx/002007/002007002/20200204/ef9bfb02-bf4e-4938-8ff8-d6ca8e7e3c7d.html

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