ロックダウン状況が続く上海市ですが、本日より、段階的な規制解除・都市機能の復旧を行うことが、5月15日・16日の上海市の公式発表で説明されています。これは、全16区の内15区が社会面ゼロコロナを実現。5月15日の新規感染者が、初めて1,000人以下(感染69例、無症状感染869例)となったことを受けての対応です。上海市の5月15日・16日の公式発表を基に取りまとめましたので、ご参照下さい。
1.都市機能復旧ステップ
① 第一段階
5月16日~5月21日は、新規感染の継続的な現象と、リバウンド阻止に重点を置くステップとして位置付けられています。
封鎖区(封控区)と管理区(管控区)を減少される。そして、予防区(防范区)の計画的で秩序ある開放と、一定制限下での行動自由の付与を実施し、全市において、最低限のレベルの社会活動を認める段階となります。
これを踏まえ、予防区では、住民に対して通行許可を発行し、一定条件下の外出を認める動きが出ています。
② 第二段階
5月22日~5月31日は、常態化防疫管理への移行段階とされ、封鎖区と管理区を更に削減して解放に導き、分類管理の転換を加速させると位置付けています。
③ 第三段階
6月1日~6月中旬・下旬にかけては、全市の正常生産・生活秩序の全面回復段階と位置付けられています。
2.管理方法
① 社会面の管理
封鎖区は封鎖し、外出禁止、個別サービスを実施。管理区はマンションからの外出が禁止され、マンション内でも集合は禁止されます(ここまでは、従来同様)。
その上で、封鎖管理区が、7日間感染者がなければ管理区に調整し、管理区は、3日間感染者がなければ、予防区に調整されます(従来の7日間を3日間に調整)。
② 予防・管理
疫病管理が必要な公共場所に出入りする場合、及び、公共交通機関を利用する場合は、48時間以内のPCR検査の陰性証明が必要とされます。
社区、園区、商場、売店、学校、駅などには、PCR検査ポイントを常設し、15分以内のPCR検査を実現するとされています。
③ 交通機関と都市交通
交通機関の再開計画は、以下の通り発表されています。
1)5月16日~5月21日
巡回タクシー(注:政府の指示で巡回するタクシー)、自家用車に関しては、社会的ゼロが達成された、金山、奉賢などの非中心都市部と浦東新区の一部の鎮の域内の通行を認める。徐匯、黄浦などの中心地。閔行区、宝山区、及び、浦東新区の関連街道は、暫定的に自動車電子通行証を以て通行する。病院受診など緊急時の車両予約サービスを、引き続き提供する。
尚、5月16日以降、対外交通は、上海虹橋駅、上海駅の列車台数を増加し、徐々に、通常運航に戻していく。また、航空面でも、上海関連の国内フライトを徐々に再開し、座席率も状況に合わせて調整する。
2)5月22日
5月22日より、公共バス、及び、地下鉄は条件付きで運行を再開する。
オンライン配車は、社会自動車と同様の管理を実施する。
2.商業施設の再開
5月16日より、以下の商業施設の再開を段階的に実施していくと公式発表しています。
① 商業施設
ショッピングセンター、百貨店、スーパーマーケット、コンビニ、薬局などの商店は、段階的に現場営業(オフライン営業)を再開していく。
再開に際しては、出入口を区分、人数管理をした上で、「オンライン(線上)注文&デリバリー」、及び、「店内購入」の展開を認めていく。
② 農産物市場
卸売市場は、非接触取引を行い(小売りを暫定的に停止し)、入場者数を合理的に制限する。来場車両と運転手の疫病管理を厳格に行う。
野菜市場は集中調達を行い、現場販売を秩序もって(回転率・顧客人数管理を行った上で)再開していく。
③ 飲食店・美容関係
飲食店、美容関係などを段階的に回復する。飲食店はオンライン予約&デリバリー、美容関係店は時差サービスを実施する。
商貿企業は、操業再開前に感染防止案を作成し、営業場所の消毒を行い、全面的に場所コード、若しくは、デジタル哨兵(健康コード情報・身分証情報等を読み取る設備)を設置する。