火鍋というのは中毒性があるようで、一度食べると連続して食べたくなる。黄金城道で火鍋を食べた翌日は、自宅で火鍋。そして次の日は、虹橋迎賓館で火鍋を食べた。
場所柄サービスが丁寧であるが客も少ない。火鍋屋は、わいわいガヤガヤしていた方が美味しく感じるので、ちと寂しい気もする。ここの注文は専用のiPadでオーダーする。自分の携帯でQRコード読み取りする方が便利だが、注文の間、店員さんがつきっきりで対応してくれる(これなら普通のメニューでオーダーしてもよさそうな気がする)。
ソースは自分で調合。ここでも黄酒を飲む。前々日と同じ酒が少々高い(80元と120元の違い)。まあ、日本酒を飲むよりは遥かに安いが。お湯を外側に入れて温める形式の酒器なので、一本飲むごとにお湯を換えてもらう必要がある(一本は少量)。これもサービスなのだろうな。
鍋は一人づつ。注文するものは、どこでも同じようなものになってしまう。アワビと豆腐系は必須だ。
そして肉ときのこ。このきのこが繊細で美味しかった。
そんな感じで満足して退出。この日の上海は寒かった。
講演前の食事
本日(2021年12月21日)は、今年最後の講演会だ。一時帰国(香港経由日本)も近づいてきたし、ともあれ慌ただしさを感じるここ数日。
それはさておき、講演会の前の食事は、だいたいこんな感じ。この日は八宝菜と焼き明太子を注文し、これにご飯を二口くらい。僕の講演会は原則として午後(13時、若しくは、14時開始が多い)なので、これを1時間以上前(理想的には1.5時間前)に食べる。眠くならないように(量的にもタイミング的にも)。
前にも書いたけれど、2004年に仕事のプレッシャーで電気を消して眠れなくなり、不眠に悩まされるようになった。電気を消して眠れるようになったのは2019年(15年後)。
その期間中、特に独立早々は、会社を維持するために仕事を選べなかったので、6時間の講演会というのも結構引き受けた。これは原則、開始が朝10時になる。
翌朝から講演予定が入っていると、それがプレッシャーになって眠れなくなる。前夜一睡もできないまま6時間の講演に臨んだことが5回有るが、あの苦しさは忘れない。こういった辛さは。不眠に悩んだ人間にしか分からない。
ただ、ここ2か月程度、不眠が徐々に快方に向かっているのを感じる。酒を飲まない状態でも4時間程度眠れるようになってきた。不眠に悩み始めて約18年。あと一息かな。メンタルは治癒に時間がかかるものだ。
火鍋と黄酒
冬になると火鍋が食べたくなる。まあ、香港駐在中は、夏でも火鍋を食べていたが。という事で、黄金城道の火鍋屋に繰り出す。
黄金城道付近は、過去に住んだこがあるが、この一帯(ここは自分が住んでいた場所とは違う)は、落ち着いて、なかなか良い住宅地だ。
火鍋屋到着。人気店だが、この日は客の入りがいまいち。その分、ゆったりして快適であった。
火鍋の鍋底(スープ)は鸳鸯(ハーフハーフ)に。清湯(クリーンスープ)と麻辣(ホットスパイシースープ)。ただ、この店の麻辣は、さほど辛くない。
この店の注文形式は、最近よくある、ウィチャットでデスク上のQRコードをスキャンして、それで直接注文する形式。これまでは、この注文形式はあまり好きではなかったが、火鍋の注文には最適というのが分かった。火鍋は細かい注文が多く、同じものの注文数量がそれぞれ違う。携帯アプリでの注文だと、こういった点の間違いが無いし、随時、(店員さんを呼ばなくても)注文できる。おまけに、黄酒(日本でいう紹興酒)も常温、ホット、コールドと温度が指定できるので、纏め注文ができる。
上品な火鍋。勿論、火鍋に限っては大衆的でざわついた店の方が美味しいのだが、落ち着いて食べられ、美味しかった。そして、冬は加热(燗にした)黄酒が旨い。同じ量の日本酒を飲むと一本600元程度するのが、80元で楽しめる。中華料理を食べる時は黄酒に限る(白酒は怖いので飲まない)。
という事で、満足して会食終わり。
蕎麦つゆを作る
中国はすっかり便利になったので、食事に困ることはまずない。ただ、1980年代の駐在では、駐在地で日本食が食べられず(台湾ですら美味しい日本料理屋は少なかった)、自分で作った蕎麦だしでを駆使して(ざる蕎麦を作ったり、ひと手間加えて親子丼を作ったり)、かろうじて日本食欲求をしのいだものだ。
その記憶が強く残っているので、今でも蕎麦つゆを自分で作る。
近所のスーパーで買い出し。蕎麦つゆは濃口醤油。うどんつゆは薄口醤油にしたいので、両方買えないと困る。こんな食材が買える店が、自宅から徒歩数分圏内に3軒あるというのは有難い。ついでに、デリバリーなら調達できる店は数えきれない。かくも便利な上海の住環境には、感謝しなくてはならないなと思う。
蕎麦を茹でて食べる。海老天と天かすは、紋兵衛のデリバリー。
味はさておき、自家製蕎麦つゆを使った料理を食べるとほっとする。合計26年の海外生活(うち半分は一人暮らし)で身に付いた習慣だな。
今の時代に初駐在を経験する若者たちは、20年後、30年後に何を懐かしく思うのだろう。
新華路を歩いて割烹Makinoに
土曜日。割烹Makino(新マキノの方)に行った。
徒歩で行こうと思ったが(住居からだと約40分)、ジムで走った後なので面倒になり、自転車に切り替えた結果早く着きすぎる。時間調整の為、新華路を散歩する。
この周辺は、洒落たレストラン、バーが沢山あり、歩いていて楽しい。街はクリスマスモードだ。
Makino到着。連れが来るまで40分ほどかかりそうなので、焼酎を飲みながら店員さんたちと雑談する。大将は仕込みで忙しそうで、厨房にこもっている。
料理開始。海胆は大連産だが、なかなか美味しい。調理が良く、濃厚な味わいになっている。
そして、刺身とお吸い物。
ここでもひれ酒を飲む。ここのひれ酒は1杯100元程度。継ぎ酒はせずに、一杯ずつひれも交換するシステム。冬のひれ酒は旨い。
そしてクエの煮物。結構大きいので、この時点で満腹になる。大将に聞くと、あと二品くらい有るということなので、「これでもう大丈夫です」と伝える。
店員さんからは、(1月早々に上海離れて3か月会えないなら)年内にもう一度来てくださいねと言われ、また、大将からは1年の締めに、1回一緒に飲ませて下さいと言われ、再来週の再訪を約束。
年の瀬だな、と感じる。
ほぼ食べられない状況なので、お茶漬けは、軽めのものを1杯だけもらって、半分づつとする。
講演終了後のGreen Sushi
12月8日、9日は二日連続で2時間の講演会が有った。毎週2時間の講演会をこなすので(合計6回)、準備が結構大変だ。
二日連続講演会の後は、旧真木乃の姉妹店のGreen Sushiでほっと一息つきながらの会食。ちなみに、現在、割烹Makino(新華路)と、真木乃(安順路)があるのでややこしいが、両方行っている。真木乃とGreen Sushiの区別だが、徐々に垣根は低くなり、カウンターだとGreen Sushiで、個室だと真木乃という感じになっているのかな?
ともあれ、生牡蠣と刺身を頂きながらひれ酒を飲む。ひれ酒とか日本酒の熱燗というのは、上等な酒だと却って旨くない。大衆酒、特に、菊正宗あたりが美味しいというのは、面白いものだなと思う。一仕事終わった後の酒は旨い。。
寿司は2貫にして頂いた。他にも食べたのだが、写真撮影忘れ・・・ これで満足。
陳浩基を読んで香港を思う
陳浩基の「網内人」を読んだ。この作家は、昨年「13・67」を読んで興味を惹かれ、次に「世界を売った男」。これが3作目。
なかなか創作が上手い(読ませる)作家であるが、この作品は、香港内の貧困がテーマとなっているので、息苦しさを感じさせる作品(とは言いつつ、最初の部分を過ぎると、謎解きのテーマに移行するのだが)。
僕自身が1985年に初めて香港を訪問し、その活気に惹かれ、その後、1997年から香港駐在を始めたので(1997~2020年迄の居住)、香港に対する思いは多々ある。香港ドリームの実現すべく、野心を持って這い上がっていくバイタリティに魅力を感じていたが、一度、貧困に身を置いてしまうと、這い上がるのが至難であること。中流以下の立場では、上がり続ける物価(元から高い不動産価格が、過去15年で3.5~5倍になっている)で、日々の最低限の生活すら苦しい事が、臨場感を持って書かれている。
これに対する打開策が、中国本土が立案している大湾区計画であり、理屈からすれば、この推進(広東省と香港の一体化)により、雇用や住宅問題が大きく改善されるのは確実である。ただ、そうであっても、本土との関係を望まない層が少なからずおり、これが、香港の貧富の差と貧困をさらに複雑にしている。「難しい」とういうのが、正直な感想。
さて、そんな話はさておき、香港を舞台にした小説を読むと、出前一丁が食べたくなるのが必然だ。香港の茶餐庁では、出前一丁に目玉焼きとハムを乗せた朝食をよく食べた。吉野家では、牛のせ出前一丁も有ったな。
そんなことで出前一丁を茹で、過去の写真を眺めてみる。
講演前の食事
11月と12月は、2時間の講演会が6回有るので、それなりに大変だ。特に、12月7日・8日は2日連続だし、行きがかり上、7日・14日・21日・28日の夕方に中国語を教えることとなったので(人助けのための無償奉仕)、年末は結構バタつく。
そんな講演会前の昼食。
満腹になってはいけないので、八宝菜、明太子と冷凍してある茶碗3分の1程度のご飯を食べて、体調を整え講演に臨んだ。講演の出来具合は、まずまずという感じで安心。
引きこもりの講演準備
11月24日~12月14日は講演会(オンライン)が6回有るので、それなりに大変だ。勿論、1か月5回程度の講演会は、20年間、ずっとやり続けてきたけれど、オンライン講演会は感覚がちょっと違う。TV収録や動画撮影の様に、如何に分かりやすいレジュメ・資料を作りこむかの事前準備が、対面式以上に必要となる。
その場のノリに一切左右されず、聴講者の顔が見えないPCに向かって、「分かって頂けているかな」と自問しながら話し続ける必要がある。そんな、ちょっと孤独な環境が、個人的には気に入っている。
折悪しく、今回は、体調不良の中、この作業をやらざるを得なかったのが難儀であったが・・・
そんなある日(日曜日)。昼食、晩飯はデリバリーを注文し、部屋に引きこもって、講演会のレジュメの読み込みと追加資料の作成。「全ての米の麺は嫌い(米は好きだが)」と常々言っている自分が、急に焼きビーフンを食べたくなった。珍しい事もあるものだ。という事で、近所の台湾料理屋で、ビーフンとイカ団子を注文したが、残念ながら味はいまいち。
そして、夜はがってん寿司。若干胸のむかつきが残っていたので、酢飯が食べたくなった。こちらは満足。小肌の寿司は、冷蔵庫で一晩寝かせた方が美味しかった。昔懐かしの大船軒鯵の押しずしを思い出した。
体調不良に苦しみながらも、何時もながらの週末であった。
三川・十酒で会食
一週間以上体調を崩していた。熱はないが、ダルさと喉の腫れ、そして頭痛が続いたので(医者で見てもらったところ、急性咽頭炎とのこと)、いまひとつ頭が働かず、講演会の準備に難儀した。今年はこういった感じの体調の崩し方が多い。ジムの行き過ぎで、身体に負荷がかかっているのかもしれず、調整が必要だ。
そんな中、体調が快方に向かっていたので、南昌路・陕西南路にある三川・十酒という炉端焼き屋に行く。ここは、大众点评(日本でいうと食べログの様なもの)で気になっており、過去に2~3回予約しようとしたが、2日前だったので予約が入らなかった。随分人気がある店だ。今回は、一週間前に予約を入れての訪問。
雰囲気はなかなか良い。店員数も多くて、サービスもなかなかだ。ただ、日本語は通じないので(おそらく)、中国語ができないと苦しいかと思う。それもあって、満席の客の中で日本人は僕一人(僕の連れも中国人)。逆の言い方をすれば、日本料理が、中国でこれだけ受け入れられているという事だ。
日本産生牡蠣、牡丹海老、馬刺し。ここの良いところは、酒の値付けが良心的なこと。神の河ボトルが300元以下(おそらく268元)。大衆的な日本料理屋でも、350元程度の値付けが多いので、これは良心的。勿論、1,000元以上の焼酎も沢山あったが、これは、始めから対象外。
そして、料理名は忘れたが、海胆を揚げたもの。パリパリ感は良いのだが、揚げた海苔の味が全体を支配している。生うにを頼んだ方がよかった。
タラコと牛タン。ここら辺になると、ちょっと頼みすぎたなと思い始める。
そして豆乳鍋。お腹が限界に達したので、テイクアウトして翌日食べたが、体に優しい味付けで、朝食にぴったりであった。
これだけ食べて(写真に撮り忘れたが、焼き鳥をあと5本頼んだ)、1,175元(2万円程度)。上海の相場を考えると、高くもなく安くもなくという感じなのだろうか。客層は、30代のスマートな会社員達という感じ。デートユーズも多そうだ。
自分としては、予約が入れにくいのと(人気店のため)、家・会社から遠いので、何度も行くことはないと思うが(古北の日本料理屋に行くであろう)、中国人の若者たちが好きな日本料理店を観察できたのは興味深かった。残った焼酎は、家に持ち帰る。