引き続いての思い出話

引き続いて思い出話。

僕が中国を初めて旅行したのが1985年。
大学3年生の頃であった。

僕にとって、それは「初めての海外旅行。初めての飛行機。初めての一人旅」という初めて尽くしの旅行であった。
言葉も分からず、よく考えれば無謀な旅であったが、その時に学んだのは、「行けば何とかなるものだ」という事である。

身振り手振りでも生きていくくらいはでるし(最低限の買い物やチケットの購入はできるし)、皆なのやることを見ていればなんとかやりかたが分かる。
勿論、言葉もろくにできなかったので、1ヶ月で7Kg痩せてしまったが、まあ、無事に日本に帰りつくことができてほっとしたものだ。



その時の中国はまだ通信事情が悪く、また、極端な安ホテルに泊まっていたので、電話は数時間繋がらないし、その為、1ヶ月間、一度も家に電話をしなかった。
親にはがきも3枚出しただけだが、その内、2枚が旅行のほぼ最後の広州から出したものだったので、僕が帰国してから届いたものだ。
親からものぐさだと呆れられる事しきりであったが、今になると、「心配かけて悪かったなぁ」と思うし、申し訳なく思ったりする。

可愛い子には旅をさせろというけれど、そんな感じで旅行に出してくれた親には感謝しなくてはいけないだろう。
さすがに、自分は子供に同じ事はさせたくないと思うし。

ただ、あの1ヶ月間は懐かしい。
時間が有り余っていた1ヶ月。
早く時間が過ぎて、日本に帰る日が来ることだけを指折り数えていた。
辛かったけど、あんな時間の無駄遣いも一種の贅沢なのかな。
今となっては。