来料独資転換と今後の方向性

来料加工廠の独資転換のサポートを数社から依頼されているため、昨日は、その提案書作成。
制度、作業、スケジュール、会計・税務上の影響等の全てを網羅する必要があるので、結構時間がかかる。

また、何度かNNA、時事通信にも解説しているように、来料独資転換は、昨年に広東省のガイドラインは出たものの(粤外経貿加字[2008]7号)非常に簡単な内容で、判断の重要な部分が、政府機関の担当者の裁量にゆだねられる感は否めない。
特に、東莞では、現物出資自体を認めていないという方針であった。

これが、「財関税[2009]48号」・「税関総署[2009]62号」により、2011年6月末に、現物出資とそれに関わる減免申請をすれば、転換後の法人が奨励分類でなくても輸入段階の関税・増値税の免除が認められたり、現物出資が認められたりしている。

また、東莞市でも、最近(10月15日)に、来料の独資転換を規範化する通知が公布されるなど、やっと制度が整ってきた感がある。
現物出資に関わる政府機関の発言も、上記公告以降変わってきている(僕が東莞市政府にヒアリングした回答)。
勿論、まだ、走りながら整える、という傾向はあろうが。

恐らく、これにより、来料の独資転換作業は加速するであろう。
また、税関総署の公告で、来料の独資転換(これは、珠江デルタ型来料の独資転換という特殊なトピックスに関する公告である)の優遇を、2011年6月末まで与えるとした事は、今後、1~2年で、転換作業を推進したいという姿勢の表れと捉えてよいだろう。

結果、先行して転換作業を実施した企業(2008年の広東省のガイドラインを受けて、すぐ対応した企業)は、若干、割を食った(優遇措置を十分享受できなかった)感があり、この点、あるべき論からすれば、救済措置があってしかるべきだとは思うが、対応のタイミングによって、損得が分かれるのは、如何にも中国ビジネスの特徴という気もする。

来料独資転換に関しては、市政府以上と、鎮政府以下のレベルで、捉え方の違いはある様であるが(早く推進したい市政府以上と、収入減につながるため、遅くしたい鎮・村の政府)、一応、トレンドが定まった感はある。

来料加工という制度は、今後も継続されると個人的には思っているが、珠江デルタ的な経営は、2年以上の時間をかけて、徐々縮小させていく方針、ととらえて良いのではないかと言う気がする。