外貨管理講演会のお知らせ

今年8月1日より、貨物代金決済ルールが根本的に変更される事になります。
これは、輸出核銷制度の廃止、という形で報道されたのですが(国家外貨管理局公告2012年第1号・匯発[2012]38号)、実際には、現在の貨物代金決済のルール、更には、ユーザンス、前受・前払いに関するルールを、根本的に変える大改革です。
これにより、貨物代金決済方法、クレーム金の支払い、三国間取引、ユーザンス・前受前払い、増値税の輸出還付方法などが、大きく変わる事になります。
また、クロスボーダー人民元決済の制度も大きく変化(法整備、規制緩和等)しており、先月には、海外からの人民元貸し付けに関する制度が公布されました。

7月31日(火)に、企業研究会主催で、外貨管理セミナーを開催しますが(東京・青山アイビーホール)、丁度のタイミングで、これらの大きな変革が打ち出されましたので、元の講演内容を変更して(元の講演内容に、今回の変革をを織り込んで)解説したいと思います。

詳細・お申し込みはこちらです


<元の講演内容>

1. 輸出入・国内取引上の外貨決済と注意点
  1.貨物代金決済の原則(真実性の確認と外貨核銷手続)  
  2.輸入核銷手続の変更
  3.クレーム代金の支払と輸出入代金の受け払いに過不足が生じた場合の処理
  4.債権債務の相殺
  5.三国間取引に関わる代金決済

2. ユーザンス、前受・前払取引制限
  1.輸出ユーザンス  
  2.輸入ユーザンス 
  3.輸出代金前受け金
  4.輸入代金前払金

3. 配当・フィー・ロイヤルティ送金の手続
  1.配当金の対外送金(外資企業・内資企業) 
  2.コンサルティングフィー、技術指導料の対外送金
  3.ロイヤルティ等(無形資産の譲渡・使用対価)の対外送金
  4.コミッションの対外送金
  5.非貿易項目の対外送金に関わる税務許可

4. 人件費送金とP/E認定
  1.中国内の外貨給与受け取り可否
  2.日本で払われる給与の精算
  3.国際間の人件費の送金とP/E認定の関係
  4.国際間の立替金決済の規制緩和

5.人民元対外決済試行措置の現状
  1.人民元対外決済の状況                     
  2.人民元建てユーザンス取引と総量規制の関係       
  3.非居住者の人民元口座開設       
  4.人民元による対中投資
  5.国際間の人民元建て融資

会場:アイビーホール(東京・表参道)
聴講料:
企業研究会会員31,500円(本体 30,000 円)一般:34,650円(本体 33,000円)

人生相談はしないけれど

最近、若手から、人生や仕事の仕方、起業・会社経営に付いて質問、アドヴァイス願を受ける事が多いが、これには、「アドヴァイスはないけど、僕の経験談と考え方なら話しましょう」と言って応じている。
僕のやっているビジネスコンサルティングは、法律と実務で、何が正しいか、何が正しくないかが自ずと決まってくるのに対し、人生というのは、明確な回答(正解)は無く、僕の回答が適切である保証はない。
だから僕の話の中から、聞き手が必要と思う部分だけを選んで参考にすればいいし、仮に、全部自分に合わない様であれば、切り捨てればいいだけだ。
そして、切り捨てたとしても、数十年後に、自分で経験した結果、「あの時、水野が言っていたのは、そういう事だったのか」と分る時もある。
人生の回答というのは、自分でもがきながら探していくしかない。
年長者が、高圧的に指示したり、方向づけたりするものではない。

最近、起業の時期(何歳ごろに起業すべきか)に付いて質問され、「最初の一年は、爆発的なパワーがいる。それに負けない意思と体力を持つことが大切。それが持てるのであれば、起業に年齢は関係ないと思う」と回答した。
僕の場合、起業して最初の4か月間は僕一人だけだったので、半年間、コンサルティングは当たり前として、講演会、面談、契約書の作成、請求書の作成、封筒のあて名書き、郵便局での投函、経理記帳、出納管理など、全てを僕が一人でやった。
半年後には、顧問先が50~60社になっていたので、一番大変な時は、2~3時間の睡眠が5日間続いて、激しい頭痛がする中、片手で頭を押さえながら、深夜に仕事をしていた事があった。
また、最初の2か月間は収入が無かったし、部下の受け入れはコミットしていたので、資金面でのプレッシャーも大変だった。
こんな話は、起業した人間は誰でも経験する事で、そんなプレッシャーや物理的な忙しさを、意地ではねのけ、ねじ伏せていく覚悟が必要になる。
勿論、これは、起業に拘らず、会社員でも同じ事で、人は、相手に覚悟を見る事で、信頼するし、一緒に仕事をしようと思うものだ。
僕が大会社の社員でありながら、コンサルティングを行っていた時、自分では十分な覚悟と責任感を持ってやっているつもりであったが、やはり、安定収入がある事に対して甘えがあったのだろう。
起業後、(今では)顧問先が前よりも増え、クライアント・提携先の方々だけでなく、前の職場も応援してくれるのは、会社を辞めて(安定収入を捨てて)も、筋を通したところに、覚悟を感じ取ってくれた、というのが一つの要素かもしれない。