前回の続き。
中国で、何故、住所移転が難しいかというと、通常の会社は、市単位で会社登記がされている事や、生産型企業で免税・保税設備がある場合、税関所管が異なると、その状態での移管(設備転廠)が出来ない事(課税処理して移転しなければいけない)。
そして、前回簡単に触れた、税収面での問題が生じる事が、主な要因である。
シリアスな度合いで行くと、税収面が一番重要だ。
税務登記は、そのままの状態で移転できる訳ではなく、既存の税務登記を抹消し、その後、移転先で新たに税務登記をしなければいけない。
登記抹消に伴い、税務調査が行われるし、既存の登記抹消申請から新規の登記ができるまで、発票の起票ができない。
よって、税務調査が長引けば、最悪、数ケ月発票が発行できない期間が生じる。
中国のビジネス制度は、発票をベースに組み立てられている面があるため、発票起票ができないという事は、実質的な営業停止を意味するのである。
更に、増値税の控除・還付待ちが有る場合、登記抹消と共に、権利をはく奪されてしまう。
これに、移転元・移転先の税収確保をベースとした綱引き、という泥臭い話があるので、市を跨ぐ移転というのは、まず無理と思った方がよい訳だ。
2年ほど前、省を跨ぐ移転を検討された企業があったが、日系、中国系問わず、約10社のコンサルティング会社に請負を断られ、結局断念した、という出来があった。
市・省を跨ぐ移転は、これほどやっかいなのである。
中国で、何故、住所移転が難しいかというと、通常の会社は、市単位で会社登記がされている事や、生産型企業で免税・保税設備がある場合、税関所管が異なると、その状態での移管(設備転廠)が出来ない事(課税処理して移転しなければいけない)。
そして、前回簡単に触れた、税収面での問題が生じる事が、主な要因である。
シリアスな度合いで行くと、税収面が一番重要だ。
税務登記は、そのままの状態で移転できる訳ではなく、既存の税務登記を抹消し、その後、移転先で新たに税務登記をしなければいけない。
登記抹消に伴い、税務調査が行われるし、既存の登記抹消申請から新規の登記ができるまで、発票の起票ができない。
よって、税務調査が長引けば、最悪、数ケ月発票が発行できない期間が生じる。
中国のビジネス制度は、発票をベースに組み立てられている面があるため、発票起票ができないという事は、実質的な営業停止を意味するのである。
更に、増値税の控除・還付待ちが有る場合、登記抹消と共に、権利をはく奪されてしまう。
これに、移転元・移転先の税収確保をベースとした綱引き、という泥臭い話があるので、市を跨ぐ移転というのは、まず無理と思った方がよい訳だ。
2年ほど前、省を跨ぐ移転を検討された企業があったが、日系、中国系問わず、約10社のコンサルティング会社に請負を断られ、結局断念した、という出来があった。
市・省を跨ぐ移転は、これほどやっかいなのである。
因みに、市内であれば、移転実例はそれなりにあるのだが、区が一つの税収管理単位(言い方は悪いが縄張り)となっているので、それなりに手続が面倒だ。
先に既存の税務登記を抹消し、その後、新規の税務登記というのは、市を跨ぐ場合でも同じで、基本的には、市内であれば、許可が得られる(嫌がらせをされない)ケースが多い、という、運用面での違い。
ただ、これを改善する動きはあって、上海では、上海市国税・地税局2012年第1号という、区を跨ぐ移転を迅速に行う事を指示する公告が出されている。
ここでは、移転を希望する納税者に、税金未納などの状況がない限りは、所管税務局は速やかに受理し、約1か月以内に、税務登記抹消手続きを行わなければいけない事が規定されている。
法律通りに手続が行われれば、営業空白期間(発票が起票できない期間)は、1か月程度で済むことになり、移転手続きも容易になる。
ただ、実務論から言えば、所管税務局が「過去の納税状況に疑義がある」と言えば、受理しない事も出来る訳で、本当に、容易な移転手続きが可能となるかには、僕個人としては疑問がある。
とは言え、問題の存在を認識し、改善努力をしている点は、評価すべきと言えるであろう。
ただ、中国では、(区内移転ならさして難しくはないが)オフィス移転ひとつをとっても、こんな感じで煩雑な手続きが要求されるのである。