東京タワーに登る

エスクリ―バで食事をした後は、東京タワーに登ってみる。
あれだけ近くにあると、登らない訳にはいかない。

展望コーナーは2か所あって、下は1,200円で上は3,000円。ずいぶん値段が違うが、思えば、上の展望台には、まだ行ったことがない。おそらく、料金の違いを見てヘジテイトしてしまうのであろう。という事で、今回は、せっかくだからと上の展望台に上ってみる。非常に小さいスペースなので、ちょっと拍子抜けする感も有ったが、登って良かった。
やはり、下とは、景観がずいぶん違う。

という事で、満足して短い参観を終える。
しかし、東京タワーの魅力は、この鉄骨感だな。

人民元対外決済の拡大

2020年8月18日のThe Daily NNAに、「人民元国際決済20兆元に迫る。国際化を安定推進(人民銀)」という記事が出ていた。
2019 年に中国の銀行が取り扱った人民元のクロスボーダー決済は19 兆6,700 億元(約302兆800 億円)で、過去最高額となったということだ。内訳は、経常項目が6兆400 億元、資本項目が13 兆6,200 億元という事で、資本項目が大きく上回り、その主要因は、証券投資(9兆5,100 億元)となっている。

クロスボーダー人民元決済のテスト措置が開始されたのは2009年で、最初はかなり限定的な内容であった。この規制緩和が急速に進み、2012年には規制緩和完了し、中国と全世界間の国際決済が可能となった。つまり、以前は対外決済が認められなかった人民元が、対外決済通貨になったのは2012年で、その時の決済額は(4兆元)。それと比べると5倍弱に増えたことになる。また、現在の国際通貨基金(IMF)による外貨準備の通貨構成統計では、人民元が世界5位の準備通貨となっている(米ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元)。

という事で、平常時であれば、順調な成長はめでたい、という解説になるが、米中関係が緊張している状況だと、それでは終わらなくなってくる。
中国にとっては当然の事ながら、おそらく世界中の国際取引をしている企業とって、最悪のシナリオは、米国が、中国や香港の銀行に対して、米ドルの使用制限をかけてくることだろう。
この点は、5月31日のブログに書いたのだが、世界の二分化につながる最悪のシナリオだ。
勿論、これをやれば、世界に甚大な影響を及ぼす。中国企業だけではない。米国企業にとっても、彼らの中国からの製品購入、中国の現地法人からの利益や資産の回収などに著しい支障が生じ、また、世界のサプライチェーンはずたずたになる。
8月19日のブログで、米国における、香港原産品の中国産表示義務付けというというのは、効果に乏しい、単なる強気姿勢のポーズだと書いたが、それとは全く次元が違う。

あまり、国際貿易に接していない方には、イメージがわかないようだが、今の国際経済は密接に関連しており、一つの製品を作るには、多くの国が関与している。国際社会が二分化した場合、今のサプライチェーンを再構築しようとすると、気が遠くなるような、資金、コスト、労力、時間が必要となるし、物資の安定供給も、一時期途絶えかねない。
日本とても、当然例外ではなく、深刻な供給不足に襲われかねない(物資が手に入らない状況が、かつて経験した事もないほど深刻になろう)。
この様な問題の深刻さから、最悪の事態が生じる可能性は、極めて低いとは思うが(さすがに、米国も、そこまではやれまい)、中国としては、可能性が有るのであれば、それを織り込み、対応策を進める必要がある。
人民元対外決済量の増加も、その対応のための準備的な位置付けが有るのかもしれない。

ただ、中国が米ドルへのアクセスを制限される様な事になれば、人民元の国際化を、もっとドラスティックに推進する必要が出てくる。そこで必要となるのは、人民元の自由兌換だ。人民元が、世界TOP5通貨に入ったとは言っても、現時点では、米ドルとは圧倒的な差が有る。この差を詰めていくためには、自由兌換の推進が必要だ。

中国の外貨管理制度は、過去数十年で、大きく自由化が進んでいるが、それでも、為替は管理された状況にあり、外貨管理手法は、欧米諸国とは異なっている。
それは、「実体のある取引(貨物であれ、サービスであれ、投資であれ)に伴う外貨決済のみを認め、決済・兌換に際して、検証ステップ(真実確認ステップ)を守る」という姿勢である。
これを維持する限りにおいては、国際的な影響力は拡大できない。一方、自由兌換に踏み切れば、資本の流出などの懸念が有る。極めて判断が難しい問題であるが、どう舵を取っていくのだろうか。

東京タワーを見ながらシャンパンを飲む

上海市政府から招聘状が出たので(8月早々)、9月下旬に香港に行き(隔離され)、その後、10月に上海に移動すべく(再度、隔離)準備中。永久居民証を持っている香港は良いが、上海は、居住許可を申請しなければならず、卒業証明やら、無犯罪証明やら、やらねばいけない事が色々有り、それなりに大変だ。

そんな日々を慌ただしく送っていると、不意に東京タワーが見たくなった。なぜ、東京タワーかというと、一つは、センチメンタリズム。子供の時に何度か行ったし(目的は蝋人形館)、新入社員の時にも登った。更に、丸紅を辞めようかと思い悩んでいた時には、何度も見に行った。特に、その内一回は、コンビニで缶ビールを買って、夜の11時頃に、タクシーで真下まで行って、タワーを見上げながらビールを飲んだ記憶が有る。寒い日で、震えながら。それが懐かしくなったから。
更には、「微熱少年」を先週読んだため。これは、同世代の誰に言っても分かってもらえないのが寂しいのだが、新入社員時代に見た、個人的な思い入れの強い映画。貸しビデオ屋で何度も借りて、残業帰りの寮の部屋で一人見ていたのが懐かしい。あまりの懐かしさに、先週、(映画は手に入らないので)原作の本を買って読んだら、映画を思い出し、東京タワーを見たくなった。残念ながら、最後の大勝負は、原作では、「勝鬨橋を車で飛び越える(まだ、橋が、上に跳ね上がっていた時代)」で、映画で記憶に残っている「東京タワーにバルーンをかける」ではないのだが。

東京タワーを見るために行ったのが、エスクリ―バという隠れ家的な店。分かりにくい場所にあり、看板もまったく出ていない。GPSが無ければ、絶対にたどり着けなかった。何しろ、小さな雑居ビルの7階で、看板類は全く無い。入り口の郵便受けに店名が小さく書いてあるので、やっと分かった。更に、エスカレーターは6階までしかなく、階段で上に登らないとたどり着けない。

人気店の様だが、時節柄客は少ない。外のテラスに4組ほどいたが、店内は自分達だけ。
シャンパン(というか、スパークリングワイン)を二本頼んだが、値段の割には、久々に印象に残る美味しさ。良い店だ。

ともあれ、東京タワーを堪能した。次回、日本に戻るのは来年だろうが、その時にはまた行きたい。その時は、満席であるのを期待するやら、空いててほしいやら、不思議な気持ちだ。

天ぷらを食べて大学に行く

中国に戻る事が決まると、手続がたくさんあって、それなりに大変だ。この日は、大学に卒業証明を取りに行く。
その前に、丸紅の元同僚と東京駅大丸にある「つな八」で昼食。

海老が美味しい。穴子も美味しいのだが、個人的には、たいして穴子は思い入れがない。しかし、天ぷら屋の天ぷらは、あっさりして美味しい。

そして、一番旨かったのは、〆の天丼。これは旨い。天茶も選べたが、天丼にしてよかった。天茶の方が、あっさりしているかなとは思ったが、「どうせカロリーは同じだ」と天丼を選んだ選択は正解だった。

そして大学に。昼食が、13~14時だったので、大学到着は14時半過ぎ。この日は、受付が15時までなので、ぎりぎり間に合って良かった。

手続自体は、10分ほどで終了。しかし暑い。校内に学生が全くいない。これだけ人の少ない早稲田は、今までで初めてだと思う。


ともあれ、手続は順調に終わり帰宅。

暫くの生活

今年の3月末から横浜の実家に引きこもり、二階の部屋で、こんな感じに仕事をしている。高校・大学生の時に使っていた部屋で、特に、大学受験勉強の時は、ここに引きこもって一心不乱に勉強したので懐かしい。

仕事をするのは当然として、小説を一本書いた。2~3年前だろうか。友人の金鋭さんと酒を飲んだ時、「趣味を持つのはいいですよ。僕も趣味でカメラを始めました」と言われ(今や、彼のカメラはセミプロ状態)、「じゃあ、小説書きましょう。趣味だから、書いてコンテストに応募するだけで、結果は求めない」と答えたのがきっかけ。
ただ、その後、本職のビジネス書の執筆、出版が忙しく、というか、それを優先させてしまうので、ビジネス書籍は何冊も出したが、小説は1作も書けなかった。
コロナ籠りという特殊な環境で、こういう時にしかできないもの。過ぎ去ってから、この時の思い出になるようなものを作ってみようと思い、書き始めたのが3か月前。「ビジネス書と違って、小説は才能ないなあ、自分は」と、何度も断念しかかったが、やっと書き上げ、いま推敲中。
これで、コンテストに応募すれば(趣味なので、結果は問わない)、金さんとの約束は果たしたことになる。
ともあれ、特殊な環境だからこそできたことだ。

香港製造原産表示

2020年8月13日付、Daily NNAに「香港製品は「中国製」と表示、米が義務付け」という記事が出ている。これは、他のメディアでも取り上げられているが、その効果はどうだろう。

香港統計処の発表(のJETRO短信による集計)では、2019年の香港の輸出総額は約4兆香港ドルで、対米輸出は、全体の7.6%を占めている(3千億香港ドル)。とはいえ、その大部分は、中国原産品のインボイススウィッチ取引で、既に、報復関税の対象となっていた。つまり、報復関税を適用するか否かは、原産地証明をベースに判断するので、香港の対米輸出の大部分を占める中国本土原産品は、たとえ、香港企業が米国に販売しようが、報復関税をかけられる。
では、今回影響を受ける香港原産品は、どの程度の金額かというと、対米輸出額は37億香港ドル(約4.7億米ドル)。一企業の数字としてなら、それなりだが、国(地域)としては微々たるもので、香港の輸出に占める割合の0.1%に過ぎない。
これに、報復関税をかけることで、どの程度の効果が有るのだろうか。結局、報道から受ける印象に見合う制裁効果はなく、米国の単なるアピールという気がする。そして、困るのは、(プロパガンダとは異なり)香港の製造企業だ。香港企業・香港人としては、「話が違うよ」という気にもなるのではないか(注)。

(注)
その後の米国税関の発表では、2020年9月26日以降米国で輸入される香港原産品に付いては、Mide in Chinaと表示しなくてはいけないが、関税に付いては引き続き不変(報復関税の対象外)となる模様で、妥当と言えば妥当な対応だが、何をやっているんだろうという感じは、更に増す。

米中貿易第一次合意維持

2020年8月17日付The Daily NNAの記事で、「米中貿易協議の「第1段階」合意は(中略)発効してから半年を迎えた。(中略)中国が約束した米産品の巨額購入は11月に迫る大統領選のアピール材料になるため、貿易面では合意の枠組みを維持している」という記事が有った。
まあ、政治と経済は表裏一体で、経済・生活の満足が政権の安定につながる訳だ。前から言っているが、僕は、経済の人間なので、政治には興味が無いし、関与したくもない。この様な立ち位置で離れて見ると、各国の政治が、イデオロギーを大義名分にしながら、結局は、自国経済の利益を得ることに腐心している状況が見て取れる。

米中貿易摩擦も2018年から、米国が仕掛け、中国が受けて立つという報復関税合戦が繰り広げられてきた。米国としては、普通の国なら、ここまでやれば折れるだろうという意識が有ったかもしれない(個人的には、中国を十分知っていて、敢えて票集めのために強い態度に出たのだと思うが)。とはいえ、前にも書いたが、中国は、歴史的に、外圧を最も嫌う国なので、やられたら、絶対にやりかえすし、折れない。
結局、ヒートアップして、世界各国のサプライチェーンに大きな影響が出かかり、将来に対する不安が、極度に高まったところで、急転直下の一次合意に至った。

ただ、米中貿易摩擦の経緯は、以下の通りだが、よく見れば、最後に残ったのは、スマホ、パソコン、アパレル、家電など、米国の消費者の生活に直結する(且つ、中国にからの輸入に依存しており、代替が効かない)内容で、これに報復関税をかければ、支持率低下につながる。トランプ政権としても、最後の品目には報復関税をかけたくないのが本音で、想定通り直前に合意し、課税回避したのであろう。結果、やりたくない事をやらずに済み、中国から農産物の購入拡大を約束してもらったので、万々歳と思っていたのではなかろうか。一次合意内容は、米中双方で不満が出たようで、「引き分け」という位置付けである。ただ、よく見ると、双方共に、致命的なダメージは受けていない。こんな感じで、表面的には、絶望的に喧嘩しているように見せかけながら、落としどころは探っていたとすれば、これが、政治であり、外交というものであろう。その理性が、今後も、世界で保たれればよいのだが。

2018年7月
<米国>
① 半導体、航空、ロボットなど約800品目(340億米ドル相当)に対し、25%の関税を(後に30%が宣言されたが、一次合意で25%に据え置き)
<中国>
①‘ 大豆など約500品目(340億米ドル相当)に対し、25%の関税を。

2018年8月
<米国>
② 半導体、化学品、鉄道車両など、約300品目(160億米ドル相当)に対し、25%の関税を(後に30%が宣言されたが、一次合意で25%に据え置き)。
<中国>
②‘ 自動車など、約300品目(160億米ドル相当)に対し、25%の関税を。

2018年9月
<米国>
③ 家具・家電など、約5,700品目(2000億米ドル相当)に対し、10%の関税を(後に25%⇒30%が宣言されたが、一次合意で25%に据え置き)。
<中国>
③‘ 液化天然ガスなど、5,200品目(600億米ドル相当)に対し、5%、若しくは、10%の関税を(後に25%)。

☆ この段階で、米国は中国からの輸入品のほぼ半分。中国は米国からの輸入品のほぼ70%に対して特別関税をかけた。

2019年5~6月

<米国>
2,000億米ドル(③)に対してかけていた10%の関税を25%に引き上げ。
更に、残りの3,000億米ドルにも追加関税をかけると宣言(④・⑤)。3,000億米ドルは、1,310億(家電・衣料)、1,650億(スマホ・ノートパソコンなど)に分かれる。
<中国> 600億米ドル(③‘)に対する追加関税を、5%・10%から25%に。

2019年9月1日
<米国>
④ 1,310億(腕時計型端末・スマートウオッチ、半導体メモリーなどデジタル家電関連のほか、衣服や靴などアパレル用品。消費財を中心に3243品目)に対し15%。⇒ その後、一次合意により7.5%に

2019年10月
①~③を、25%から30%に引き上げ

2019年12月15日
⑤ 1,650億(スマホ・ノートパソコンなど)に15%と宣言(⇒一次合意で見送り)

中国は、2019年9~12月に、これまでに対象となった分を含め、農産物・原油に5~10%上乗せ。12月に、自動車、自動車部品に関する報復関税を復活すると宣言していたが、一次合意により見送り。
中国は米国から農産品などのモノやサービスの輸入を、2年間で2,000億ドル増やすことを公約した(5割増を意味する)。

タベルナ・ロンディーノ

息子が来た翌日。稲村ケ崎のタベルナ・ロンディーノに行く。
前にも書いたが、開店早々(高校時代)から行っている店で、たまに行きたくなる。とは言え、年に一二度しか行かないが。

有名店の割には、いつもは待たずに入れるのが、この日は到着時は雨で外の座席が使えず、更に、店内も、席数を半分以下に減らして、距離を開けているので、食事ができるまで、暫く待った。

ただ、だいたい30分待ち。その直後に来た方は、更に30分待ちだったので、まあ、運が良かった方か。
ムール貝のワイン蒸しが、何時もながら美味しい。そして、フリッタータが丁度良い火の通り方。

食べ終わると、ほぼ雨が上がっていた。まずまず爽やかな気分。

実家飯(豪華バージョン)

横浜の実家籠りも5か月が経過した。その間、2回出張には行ったのだが(鳥取と大阪・岐阜・名古屋)。
そんな折、1ヶ月ほど前に、息子が来たので、日本酒を買い(写楽純米吟醸・大喜元純米大吟醸)、さしみを買い、両親は魚をさばきと、あたふたして準備。

そうして、食事であった。

この時は良いウニが無くて残念。が、ともあれ、和やかな会食であった。

国際便に乗る事すら夢物語になった昨今

前回アップした、「昔出演したTVの録画を頂いた」件。
SARSが問題になっていたのは2002年末~2003年7月だったので、ちょうど経済最前線に出演していた時。僕も2回その内容で出演した。
その時の映像を見ていて思ったのだが、マスクをしている人が少ない。感触的に2~3割か。今の様に、全員がマスク着用というのとは大きく違う。思い出すと、自分もマスクは持っていたが、たまにしかかけていなかった。消毒液は持ち歩いて、しょっちゅう手を拭いていたのだが。これは、当時の新聞記事に、感染病には、マスクよりも消毒が有効と書いてあったため、それに倣ったもの。
また、当時は、レストランやカラオケもやっていたし(客が少なかっただけで、店自体は開いていた)、移動制限もなかった。中国本土との往来だけでなく、台湾、日本にも行けた。番組の中で、「今の便利になった中国で、移動できないという事態が発生するとは思いもよらなかった」と僕が発言しているが、これは、移動規制が実施された訳ではなく、旅客が少ないので、飛行機や電車が自主的に便数を減らして、移動の効率が悪くなったという意味。
そう考えると、いまの徹底ぶりとは全く違う。
それでも、7月5日には収束宣言が出たのだが。まあ、これは、病気の種類が違うので、比較してとやかくいう事はできないが。

いまは、国際便飛行に乗る事すら夢物語になってしまっている。
取りあえず、9月下旬に、久々に香港に移動し、その後、上海入りという事で、2回飛行機は乗るのだが。それから、何時、上海から出るかは状況次第でさっぱりわからない。
自由に動き回れた時が、今では夢の様に懐かしい。