ベトナム関係ビジネスは、今年1月だけで3件の顧問契約を獲得し、ご相談も活発になってきた。水野ベトナムは2015年9月の開業後、立上げに苦しんだが、半年ちょっと前に収支均衡。そして、これから利益獲得ベースに乗せられるかなという嬉しい実感がある。
と、言ってしまうとそれまでで、「それは良かったですね」、で終わってしまいそうな話だが、ここに来るまで、本当にしんどかった。
中国の各拠点は、地盤が有るので、基本的には初年度から黒字を計上してきた。ベトナムは、本拠地以外での開業なので、しばらく赤字はやむなしと覚悟はしていたが、やはり、資金が減り続けるのはメンタルに堪える。ベトナムの開業資金(資本金+α)は1千万円程度なので、大企業の尺度で見れば、たったそれだけ?と思うかもしれないが、自分の手がねに近い資金が減っていくのは怖いし、一度始めたからには初期資金が無くなっても、簡単にはやめられない。これからどれだけ必要になるのかという不安もあった。
中国の利益が順調なので良かったが、開業1年経過の2016年末は、不安でいっぱいで、寝るために酒を飲んだことも度々であった。これが、2017年中盤に資本金の最後の払い込みをした段階で出血が止まり、その後、増加傾向に転じた。中国各拠点の業績は、もとより順調なので、不採算店が改善されれば、メンタルは落ち着く。このため、昨年末はリラックスできた。
こんな感じで、新しい拠点を一つ出すというのは、軌道に乗るまでは苦しく、夜も眠れないほどの不安に苦しむ。色々な方から、ミャンマーは?ラオスは?と、新規拠点展開のご意見を頂くが、限られた手元資金で展開しているため、失敗は許されない。次のASEAN拠点は、数年がかりで、じっくり考える予定である(それより、福建省の拠点が先になると思う)。
尚、ベトナムに会社を出してみて思ったのは、当社の原則である「顧問制」がまだ定着していないこと。さらに、個別案件のご依頼も、数十社の専門家に片っ端から連絡して見積もりを取得し、その中で安い会社に依頼する様なやり方が多いという事だ。
企業様との信頼関係構築が難しい地域だなと痛感した。ただ、こちらは、飽くまでも顧問制の原則を崩さず、また、ベトナムでは後発参入であるのは確かなので、ベトナムでの直接的な宣伝・営業活動は行わなかった。その上で、中国顧問先300社様に対して情報提供をし、顧問先企業様がベトナム展開をするとき、それをサポートさせて頂く方法を取った。このため、時間はかかったが、信頼関係の中で展開できてきたという思いはある。
また、今月、完全な新規企業様(中国契約の無い企業様)からベトナム契約を頂いたのは、こつこつ、情報提供を行ってきた効果が出てきたな、と嬉しく思った。
まあ、生みの苦しみはあるものだ。それだから遣り甲斐があるという事でもあるが・・・