さくらのなか

昨日は、横浜市(IDEC)主催の講演会。
講演会というか、少人数限定、中国関連上級者限定のゼミ形式の講習会。
10人強の参加者だったため、4時間は、矢継ぎ早の質問を頂き、やっていて楽しかった。

今回は、日本到着日に雨が降ったので、満開のさくらを見る事ができず残念であった。
横浜オフィス付近のさくらの模様。

ザ・コストカッター

上海から日本に移動。
上海が20度だったので、さすがに日本も温かかろうとセーターを着ずに到着したら、8度で寒さに震える。
移動の度に温度差に悩まされる季節だ。

話変わって、先日読んだ本の話。
黒木亮の、「ザ・コストカッター」という本を読む。
黒木亮の本は2冊目だが、本著は、目線に共感できたので、2時間程度で一気に読んだ。
良かった点は、如何にもステレオタイプな米国流の金融礼賛ではなく、企業は誰のものか、という目線で書いてある部分。

傾きかけた企業にリストラ屋が送り込まれ、コスト削減プランを発表しただけで評価される場合が少なからずある。
ただ、企業の状態によって、リストラ屋が必要な状況と、価値創造家が必要な場合が分かれる。
中には、価値創造が必要な状況であるにも拘らず、企業価値を上げずに、内部価値を資本家と自分に移転させるだけの経営者がいる。
つまり、経費削減で生じた利益を、自分の報酬、資本家に対する利益還元に回し、結果的に贅肉ではなく、筋肉をそぎ落としてしまう人間である。
従業員を何千人も解雇して、会社の重要な資産を売却しても、一過性の利益を生み出せば、その経営者が数億円の報酬を受け取る事も正義とされる。
こんな状況に疑問を呈し、経営者の資質に付いて問いかけているのがこの作品。


前にも書いたが、旧ソ連が崩壊したのは、富と権力の寡占状態が生じ、公正な競争原理・自浄作用が働かなくなったためであろう。
旧ソ連の社会体制がその状況を生み出した事より、純粋な社会主義は有効に機能しない、というのが定説となった感がある。
これは否めない事実だが、では、米国流の資本主義で、同様の問題が生じないのか。
富と権力の寡占という意味では、システムは違えど、類似の状況が起きているのではないか。
現在の金融・証券システム、会社運営システムが、短期利益の実現を目的とした投資家の利益だけに向いたものであれば、社会全体の利益に相反する状況が生じる事は自明の理である。
企業は、従業員を雇用し、他企業・個人と取引を行っているという時点で、社会的な性格を持っている。
経営者の目線が、投資家のみに向けば、組織としての自浄作用を失い、健全な方向から外れる危険性がある。
経営者は、その点を十分認識すべきであろう。

横浜で最新トピックを語り合いましょう

直前で恐縮ですが、ちょっと毛色の変わった講演会を横浜で開催します。
横浜市(横浜企業経営支援財団)の主催ですが、横浜市以外の方も参加可能です。
10人程度の少人数で、質疑応答に時間を割いて、トピックスを研究していこうという趣旨です。

テーマは、「貨物代金決済改革・クロスボーダー人民元決済」、「流通税改革(増値税・営業税統合)試行措置」の2テーマ。
1テーマに付き1時間解説した後、30分ほど、意見交流をする形で進めていきます。

告知では、議論を交わす!となっていますが、もっと肩の力を抜いて、近い距離で、お互いに会話をしながら、疑問点を解きほぐしていく形で進めていきます。
軽い気持ちでご参加ください。
まだ少し空き席があるようですので、ご興味のある方は、以下ご参照の上、お申込み下さい。

法律だけでなく、(特に、流通税改革に付いては)混乱の多い現状を踏まえて解説していきます。

<IEDC告知>
横浜企業経営支援財団(IDEC)横浜ビジネスエキスパート水野真澄氏が、中国ビジネスに関する最新政策課題について、中国進出横浜市内企業に対してレクチャー&ディスカッションを行う、少人数制の「IDEC中国ビジネス道場」を開催。

今回は「上海市における流通税制度の改革(営業税と増値税の統合)」「貨物代金決済の改革」がテーマです。貴社の抱える難問について、水野エキスパートと熱い議論を交わし、課題を解決する好機です。この機会を是非ご活用ください!

●日時 4月16日(月)14:00~18:00
●会場 横浜企業経営支援財団 大会議室 (関内駅、馬車道駅徒歩5分
    横浜市中区太田町2-23 横浜メディアビジネスセンター7階 )
●参加費 横浜本社企業 3,000円/名、その他企業 8,000円/名 (交流会費含む)
●対象 横浜市内企業
●内容
・上海市における流通税制度の改革(営業税と増値税の統合)
・貨物代金決済の改革

●講師 水野 真澄 氏 (横浜ビジネスエキスパート)
ミズノコンサルタンシーホールディングス 代表取締役社長

■詳細・お申し込みはこちら(ユーザー登録、ログインの上お申し込み)
http://www.idec.or.jp/seminar/detail.php?pid=9

■お問い合わせはこちら
横浜企業経営支援財団 国際ビジネス支援部 TEL:045-225-3730

元気です(近況報告)

最近、ブログを更新していなかったら、数名の方から続けて安否確認を受けたので、先ずは情報報告せねばと思い立った。
全く問題なくやってます。
ちょっとばたばたしていました。
(報告終わり・・・)

思い返せば、昨年の決済(3回目の決算)は非常に良い出来で、安堵の息を付いていたのだが、年始より3ヶ所(香港、上海、広州)のオフィス移転・拡張で、昨年比1千万円程度の経費増となる。
純利益で吸収できる金額ではあるが、人員増も予定されているし(現在21人)、新規投資も必要なので、収入増と経費減で、この1千万円を早く確保せねばいかんと、今年の1~3月は微妙な焦りがあった。
ただ、2~3ヶ月の努力の甲斐あり、これは早々にめどが立ち、精神的にもまたゆとりが出てきた、というのが最近の状況。

ありがたい事に、最近、口コミで会員になって頂けるケースが増えているので、新規契約獲得は、順調に推移中。
一方の経費減は、僕の通信費・旅費交通費の見直しが主。
飛行機チケットのグレードを見直して、格安チケットで頻繁に移動しているので、これは少々辛い。
更なる営業努力で、経費的にももう少し楽をしたいものだ。

しかし、組織というのは、自然に成長する。
収入増と経費増の追いかけっこだ。

ある程度のところで成長を自主的に止められれば、社長は楽ができるのかもしれないが、社員のモチベーション、お客様の期待などを考えるとそれはできない。
勿論、それが社長である僕のモチベーションにつながっているのも確かだが。

つくづく、組織は生き物だと思う。


実家で1泊

ブログ更新しないうちに、香港に戻ってきてしまったのですが・・・
日本滞在中は、実家に一泊。
母親がタイを仕入れて、自分でさばいてくれた。
大変鮮度の良いタイであった。
食後はかしらの塩焼きに。

あとは湯豆腐と赤飯。
湯豆腐と赤飯は、僕のお気に入りだ。

日本の不便さにげんなり

今週は、一週間で、香港⇒上海⇒日本⇒上海⇒香港と移動する事もあり(何時もの東方航空格安チケット)、またもやばたばた。
久々のブログ更新になってしまいました・・・

28日(水)に、成田到着。
元々、夜8時半に到着するはずが、1時間半遅れで、10時過ぎに到着。
託送荷物がなかったのでささっと出たが、成田エクスプレス、スカイライナー共、既に無し。
10時35分新宿行の最終リムジンにかろうじて乗り込む。
荷物預けてたら乗れないところであった。
1階のATMも、この時間開いているのはHSBCだけだ。
バスに乗るため、空港内をアタフタ走って現金を引き出す。

深夜に到着しても、まったく心配がない香港に慣れていると、「日本はなんて不便なんだ!」と歯ぎしりする事しきりであった。
これでは、上海よりも不便ではないか。
ただ、幸いにも、道が空いており、リムジンが順調に走ったので、箱崎で降りて、最終電車に駆け込む。
帰宅は午前1時。

翌朝は6時半に起きて、都内で会議4件。
睡眠不足気味で少々げんなりであった。

ちなみに、これは翌日、浅草橋で世界の山ちゃんを発見した時の写真。
名古屋飯頑張る、という感じだ。

根拠ない上から目線とその理由

稀に、何故かわからないが、高飛車、若しくは、何時も高圧的に、説教口調で人に接する人がいる。
この様な人間に出会うと、人は、「この自信の根拠はなんだろう」、「なぜいつも威張っているのだろう」という疑問を持つと思うのであるが、分析すると、次の理由と思われる。

1.理解能力欠如による場合。
人と議論をする場合、自分のポジションを考える場合、通常の人間は、他人の考え方を推測し、また、他人と自分の位置関係を比較して、発言をするものである。
ただ、この能力に欠ける人間は、自分の立場・価値観でしかものを考えないので、結果として、自分が一番賢く、一番偉くなる。
他人の発言の真意・真理を理解する能力がない(自分の理屈でしか議論ができない)ため、「みんな馬鹿ばっかりだ」などと言ったりするが、実際には、相手の方が賢い、という事がよくある(が、彼はその事実には、最後まで気が付かない)。
この様に、価値判断における、客観的把握能力の欠如が、上から目線を引き起こす理由の一つになる。

2.中途半端な実力にすがりたい場合。
人間、誰しも、「人から好かれたい」という欲求と、「人から評価されたい」という欲求を持っている。
これが、うまい循環で結びつけばよいのであるが(実力がある→自分にゆとりができる→人から評価され、好かれる、という感じ)、実力・自信が中途半端で、且つ、好かれたい気持よりも評価されたい気持が優先されると、高圧的な態度で発言し、自分を大きく見せようとする。
十分な実力・自信があれば、自ずと人に伝わるもので、自慢話ばかりするのは、自信がない(中途半端な自信しかない)証拠だ。
僕自身の過去を振り返ってみると、「あの時は、口で自分を大きく見せようと思っていたな」と思い、恥ずかしく感じる事が多々ある。


そんな訳で、根拠のない高飛車、高圧的な態度というのは、何れにしても、能力の欠如のなせる業なので、相手にしなければよいのであるが、人間心理として、「あれだけ自慢気にいうからには、何らかの根拠があるのではないか」と考えてしまうものだ。
少なくとも、一緒に仕事でもしない限りは、実は能力が無いと確信する事はできないし、よしんばできたとしても、相手は、そもそもその面での理解能力がない(1の場合)、若しくは、理解する事を徹底的に拒む(2の場合)ので、何れにせよ、相手に納得させる事はできない。
ある意味、高飛車勝ち(?)の状況が少なからず生じる訳だが、それは、周りの人間が、「へへん」と思っていればいいだけの事なので、あまりたいしたことではない。

ただ、最近思うのであるが、人間、周りから学ぶものはいろいろある。
例えば、10代、20代の若者は、経験・実績が無い、社会的ポジションは無いかもしれないが、やる気、ひたむきさ、新鮮な目線、(僕の苦手な)IT技術等、会話をしていて刺激を受ける事は多々ある。

若手を見ると、自然に説教口調になったり、軽く見たりする人間もいたりするが、相手から学ばない事は、本人にとっても損だと思う。
人間、相手を尊重する、良い部分を見る努力をする事は、自分の成長のためにも大切だし、成長するのに、年齢は関係ないものだ。
上から目線は、人の成長を妨げる。
自分が能力をつけたいのなら、そして、本当の意味で周りからレスペクトされたければ、上から目線は禁物という事になるのではなかろうか。

失敗の理由(ほうれんそうとは言ったって)

僕の業務上の経験からすると、組織で仕事をする場合において、明らかな誰かのミス、というのは比較的少ない。
7割くらいは、「彼がやっているであろう」とお互いが考えて、連絡・確認を取らなかった事から生じる、いわゆるポテン・ヒット的なミスではないか。
何故、こんなミスが生じるかというと、報告連絡、情報交換を怠った結果で、人間関係の悪さから生じる場合が多い。

組織を預かるものとしては、この様な人間関係の問題を解消する事が、ミスの回避の大きなポイントとなる。
どの会社でも、入社早々、必ず上司から仕込まれるのが、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」というもので、言葉としては、極めてダサイので、使いたくないのだが(使ったことはないのだが)、重要な事項であるのは確かだ。
E-mailを打つ時、上司・関係者にccを入れるだけで、余分な報告の手間が省けるし、情報の共有化ができるが、こんな簡単な事でも、教えられないとなかなかできない。
ここらは、新人教育というものだろう。

また、上司側も注意すべきがある。
「報告、連絡、相談だ!」と言いながら、実際に部下が相談に来ると、いきなりつるし上げるような上司もいる。
これでは、相談に来いと言っても、誰も怖くて近づくまい。

情報交換の欠如は、失敗の最大の要素の一つ。
良好な人間関係(上下関係を含めて)の維持は、仕事のクオリティを上げる重要な要素でもある
報告が足りないのは部下の罪。
相談をしにくい環境を作るのは上司の罪。
業務の適切な履行の為に、各人が留意する事であろう。

広州での講演会

講演会の打ち上げ(水野広州のスタッフと)

22日、23日は広州で講演会2件。
22日は自社主催、23日はJETRO主催。
先週の深圳での講演会は、過労による体調不調に悩まされたので、今回は、体調を万全に整えて講演に臨む。

22日の自社主催講演会は、70人の定員が、ほぼ一週間で満員の申し込みを頂いたので、取りあえず一安心。
今後の加工貿易政策、上海市で実施されている流通税改革、貨物代金決済改革試行措置の今後、人民元対外決済の現状、という、ここ数か月で新しい動きがあった事項を2時間半で解説した。

今日の午後は、広州商工会の総会前の講演にて、150人程度の集客とか。
ここでは、流通税改革試行措置を1時間弱で解説。

ともあれ、昨日の講演会が無事終了したので、頑張ってくれたスタッフと一緒に打ち上げ。
ほっと一息というひと時であった。

上海で震える

香港から上海に到着。
香港がTシャツ1枚で過ごせる気候なので、半そでシャツにスーツを着て上海に付いたら、皆なジャンパーを着ている。
大変寒い。

到着地の温度確認を怠った事を反省・・・

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ