12月の講演会

11月30日の日経新聞主催セミナーは、お陰様をもちまして満席(キャンセル待ちでの受付)となりました。お申し込みを頂いた方、有難うございました。
必ずご満足頂けるよう、準備を整え臨みます。

さて、次の告知なのですが、ちょっと趣向を変えた講演を12月に2回開催します。
業務パートナーであり、友人でもある劉新宇弁護士、鈴木康伸会計士と、パネルディスカッションを交えた講演を以下の通り行います。

■12月2日 「中国企業との提携におけるリスク管理と問題解決方法」
本セミナーでは、“中国企業との提携”にスポットを当て、中外合弁会社設立から運営・撤退に至るまでの適切なリスク管理とトラブル回避の方法、更に、トラブルが発生した場合の対応について、日本人コンサルタントと中国人弁護士という異なる立場の二人が、ディスカッションを交えて解説します。

開催日時:12月2日(金)14:00~17:30
会場:T’s渋谷フラッグ8階 ROOM8H (東京都渋谷区宇田川町33番6号  TEL:03-5457-7881)
講演者:水野真澄(水野コンサルタンシー代表)
     劉新宇(King & Wood法律事務所・パートナー弁護士)
参加費(税込): 5,000円/1名
定員:50名
詳細・お申し込みはこちら

セミナー内容
第一部:中外合弁会社の設立・運営・撤退
1.合弁会社の設立、運営、撤退
第二部:中国企業、現地法人・事業会社に対する技術供与
1.技術供与の注意点(知的所有権保護等)
2.無形資産供与の形式と利益の回収
第三部:紛争発生時の対応
1.紛争発生時における交渉の注意点
2.示談・調停・訴訟上の和解
3.仲裁、訴訟

■12月19日 「税務・外貨管理・通関手続から検証する中国ビジネスモデル(加工貿易活用・保税区域活用・中国国内販売等)」
加工貿易、中国国内販売、保税開発区を使ったオペレーションに関する価格設定、外貨送金、通関管理、会計税務上の注意点を、中国移転価格税制の第一人者である、上海ユナイテッドアチーブメントコンサルティング執行董事鈴木康伸会計士を招いて、ディスカッションを交えて具体的に解説します。
また、移転価格税制、貨物代金決済改革、増値税と営業税の統合等のトピックスに付いても、その意義と注意点を取り上げます。

開催日時:12月19日(月)13:30~17:00
会場:産経新聞本社ビル7階A会議室 (東京都千代田区大手町1丁目7番2号)
水野真澄(水野コンサルタンシー代表)
鈴木康伸(上海ユナイテッドアチーブメントコンサルティング執行董事・会計士)
参加費(税込):一般8,000円/1名  (MCH、UA)会員価格5,000円/1名
定員:50名
詳細・お申し込みはこちら

第Ⅰ部 加工貿易(進料加工転換後のビジネスモデルと取引価格設定上の注意点)
第Ⅱ部 保税区活用(非居住者在庫オペレーション)の税関管手続と税務上の注意点
第Ⅲ部 中国国内販売のオペレーションと税務上の注意点
第Ⅳ部 その他のビジネストピックス
1.増値税と営業税の統合
2.移転価格をめぐる最近の状況
3.貨物代金決済の改革
4.香港経由の出資のメリット・デメリット

強くなければ守れない

前にも書いたが、僕の最初の社長就任は、丸紅厦門現法と福州常駐代表処(駐在員事務所)の所長の兼務だ。
厦門現法を常駐代表処に組織変更し、福州常駐代表処を閉鎖するというのが、僕に与えられたミッションなので、社長というのは、実態からすると語弊があるかもしれないが。

ただ、福州常駐代表処を閉鎖する関係で、3名の社員を解雇しなければいけないのは、30代の僕にとっては辛かった。
丸紅の営業各部にお願いして、事務所の閉鎖前に3名の再就職先が確保できたのは幸いだったが、初めての経験だけにナーバスになり、「自分が強くならなければ、部下を守れない」とずっと考えていた。

後日談だが、1名は引き取り先をすぐに解雇されてしまったので(柔軟性という面では問題があった部下なのは確かであるが)、その後4年程、翻訳等の仕事を回してサポートする事になったのだが。

ただ、会社の経営者、上司はみんな同じだ。
自分が強くならなければ、会社も組織も部下も守れない。
上に立つにはそれなりの覚悟が必要だ。
そんな現実を、誰しもどこかで学ぶものだが、僕の場合は、38才の初主管者時代であった。
部下の人数が少なく、まずは乗り越えやすい小さい試練だったのは、感謝すべきだろうなと今は思う。

仕事に対するモチベーション

柔道の鬼と呼ばれた木村政彦の伝記(木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか)を読んでいる。
つくづく思うのであるが、この練習量、意志の強さは逆立ちしてもまねできない。
人間の種類が違うのだろうなと思う。
ただ、木村政彦だけでなく、高専柔道の練習のくだりを読んで、当時の柔道部員が軒並みすさまじい意志で練習をしている。
また、昔の武道家は、真剣を使って、死と隣り合わせの練習をしている訳だから、確かに強くなるはずだ。
僕も大学時代は、大学の練習以外に町道場二つとジムに通っており、多いときには1日7時間くらい練習したが、密度が全く違う。
当時の僕の7時間の練習は、昔の武道家の30分程度の密度しかなかったのではないか。
また、戦後の日本経済の成長を支えたビジネスマンたちも、昔の武道家と同じ気概と覚悟で仕事をした故に、日本は短期間で驚異の復興を果たしたのではないかと思う。

僕が大学を卒業して会社に入った時、大学時代の合気道の練習で、努力していると(自分では)言いながら、無意識に自分を甘やかし、結果として強くなりきれなかった事を、非常に強く自覚していた。
だから、社会人になったら、大学時代の失敗を繰り返さぬよう、嫌だと思う事を自分に課して、実力を付けたいと考えていた。

新入社員研修時に提出した配属希望には、「中国関連で、忙しい部署を希望する」と書いたし、実際に配属されたのは、終電帰宅、週末出勤は当たり前というところだった。
それだけでなく、自分自身も通勤電車では英語教材のテープを聞き、寮では仕事関連の本を読み、職場では人が持っている手作りの業務マニュアルを盗み読みして仕事を憶えた。
少なくとも、入社数年は、寝ているとき以外は、仕事の事ばかり考えていた。
更に、新人時代の部署は、失敗すると坊主頭にさせられるような厳しいところで(さすがに、今そんな部署はない筈なので安心されたい)、かなり厳しく鍛えられたのが、今の自分の肥やしになっている。

そんな感じで育ってきた僕ではあるが、では、それと同じことを部下に課すかと言えば、それはしない。
時代が違うと言えばそうだし、正しい方法で興味を持たせれば、人は自発的に努力するはずだという期待もある。
社長になって(前の会社の時を含めれば)、既に5年以上。
部下との関係に付いては、試行錯誤を繰り返してきたが、今では、かなり部下を信頼して、必要以上に口を出さない社長であると思う。
それに部下も応えてくれているし。

強制的に仕事をさせられ力を発揮する人間もいるかもしれないが、大部分の人間は、そうされれば心に何らかの傷を残す。
やはり、モチベーションを持って仕事に臨むのが基本だ。
そして、仕事に対してモチベーションを持つかは自分次第であり、上司は強制する事はできないのではないかなと思う。
であれば、誘導すべきというのが、現時点での僕の結論である。

香港空港で食事

夜9時半に香港空港到着。
空港で食事をして帰宅する。

食事をしたのは、いつもの翡翠酒店で、辛い物が食べたかったので、担担麺と宮保鶏丁を頼む。
担担麺はいつもの通りで美味しかった。
宮保鶏丁を頼んでから、口水鶏がメニューにあるのに気づき、しまった!と思ったが、これが意外においしかった。

帰宅すると、先日日本で試に買ってみたドリエルを飲んで就寝。

機内で、11月30日のセミナーのレジュメを仮完成させたので、安眠できた。

12月2日に、金杜弁法律事務所(King & Wood法律事務所)の劉パートナー弁護士と、12月19日に、鈴木康伸会計士と共同講演会があるので、このレジュメ作りを始めなくてはいけないのだが。
考え始めるとまた眠れなくなるので、気を楽に持とう・・・

増値税と営業税の統合

昨日(土曜日)は、11月30日の日経新聞セミナーのレジュメを夕方まで作ったら力尽きた。
金曜から掛かりっきりになっているのだけれど、6時間の講演会だし、3万円以上の聴講料も頂くので、レジュメもそれなりに充実させねばならない。
50~60ページのレジュメになりそうで、作成するのもなかなか大変だ。
僕には珍しい初心者用講座なのだけれど、日本企業が中国でビジネスする際のモデルをパターン化して図を付けて分類したり、冒頭部分(個別議論に入る前)に全体の総括的な説明をしたり、復習様に昨年末に発売したEラーニング教材のIDを贈呈したりなど、今までにない試みをしている。
ご興味のある方は、こちらからお申込み下さい
水野コンサルタンシーの会員割引もあります。
因みに、僕はIT技術に疎いので、図を作るのは部下である(これがIT技術と言うほどのものか!と言われるとその通りだが)。

そんな感じで、NNAの原稿を書く前に力尽きてしまったので、今日は朝からネタ探し。
そして、12時過ぎに原稿を(ギリギリで)送付した。
書いたのは、上海市で実施される、増値税と営業税統合の試験措置に付いて。
11月16日に通知(財税[2011]110・111号)が公布されたので、朝から大急ぎで条文を読み、簡単に取りまとめた。

言えるのは、貨運代理会社とリース会社に関しては、確実に追い風だろう。
更に、コンサルティング会社でNVOCCを取って活動している様な変則形態もしかり。
今まで、運輸発票が発行できない事で、物流会社に対して負っていたディスアドバンテージが解消される。
リース会社は、2009年の増値税暫定条例改定(自己使用資産購入時の増値税の控除が認められた)以降、営業税の納税義務者である事で、割賦販売ができる販売会社に比べて不利な状況となっていたが、やっと同じ土俵で戦える様になる、

コンサルティングに付いては、最初、ビザ諮詢と書いてあったので、うちの会社は関係ないのかな(ビザ関連のコンサルティングだけかな)と思っていたが、財税[2011]111号の定義を読んでみると、ビザ&コンサルティングの様で、会計、税務、法務、経営コンサルティングなども対象に含まれている。
とすれば、当社も関連しそうな気がするので、所管税務局に確認しなければならない。

対象となった場合、営業税だった頃より税率が1%上がる(5⇒6%)代わりに、外注費に関する税額の控除ができたり、固定資産(PCなど)を購入した際の増値税の控除ができるようになるので得になる。
更に、サービスの輸出に付いては、免税、若しくは、ゼロ税率と書いてあるので、この定義を確認しなければならない。
日本企業からコンサルティングフィーをもらう場合、免税が適用されるのであれば随分得になる。

「流通税が増値税と営業税の二種類に分かれていたり、営業税が控除を認めない事で、二重課税が生じ、中国の競争力を削いでいるから改善すべき」というのは、何年も前から中国内の税務学者等が指摘していた事である。
とは言え、「現実問題として税収減は厳しい」という理由で先延ばしにされていたが、鶴の一声で実現する。
最初は上海限定だが、試験期間後は全国に拡大するのであろうから、これが実れば有意義な改革だ。

貨物代金決済の改革も予定されているし、財務経理面も(良い点で)慌ただしい状況になってきた。
しばらくは、原稿書きのネタに苦しまなくて良さそうなのは朗報だ。

外貨管理のいま昔

引き続き疲れがたまっていたので(確実に回復基調にあるのだが)、午前中半休を取った。
とはいえ、家で2時間ほど仕事をしたので、半休だか半休でないのかわからないが、のんびり寝たおかげでかなり回復だ。
その代り、夜は11時まで、11月30日の講演会(日経新聞主催)のレジュメづくり。

11~1月の3ヶ月で、10件の講演をするので、レジュメづくりが大変だ。
来年2月は講演はやめにしようと思ってスケジュール表を見たら、企業研究会主催の講演会が入っているのを思い出した。
しまった!と思ったが、ともあれ2月はこれ1件だけ。
3月の講演依頼は断らせていただこう。
講演活動は、この2か月の(ほぼ)休憩を頂いて、4月から再開だ。
まあ、頼まれると嫌とは言えない性格なので、予定は未定だが・・・

因みに、中国の外貨管理のセミナーを、今年だけで5回やった。
規制緩和が進んでいるとはいえ、まだまだ難解だし(制限が多いし)、変化が速い。
ビジネスにおいて避けて通れないだけに、ニーズが多いようだ。

ただ、中国の外貨管理は制限ばかりだ!と言ってはみても、実は、日本の外貨管理も、ちょっと前まではかなり厳しかった。
日本の外為法の原則は、1980年の改定までは原則禁止だったし、根本的な規制緩和が実施されたのは1998年と、十数年前の話だ。
それまでは、海外預金の保有、国内の外貨決済、相殺などは、厳しく制限されていた(事前許可制)し、外貨の取り扱いは外為銀行に制限されていた。
僕の入社は1987年なので、その時は、外為法専門のチームが財務部内にあったし、米ドルコインを人に渡して、「あ!外為法違反だ」という様なお決まりの、(面白くない)ジョークを言う人間が多かった。

その意味では、1998年以降に入社した人間(貿易取引を始めた人間)と、それ以前の人間では、日本の外為法が完全に異なっているので、認識も随分違うと思う。
そんなこんなを考えると、時代の流れというのを感じるし、懐かしくもある。

7割がた回復

フグ刺しとステーキ

疲れとストレスで完全にノックダウン状態で、昨日(17日)は、一日中頭痛に苦しんでいた。
ただ、夜は友人と真木乃(安順路)で会食。

焼酎のお湯割りを飲みながら気楽に笑って話をし、美味しい食事を食べたら今日は7割がた回復。
体もずいぶん軽くなったし、頭痛もない。
明日には全快となるであろう。

豆乳豆腐鍋とばってら

バランスのとれた食事と、ストレスの排除が何よりの薬だ。

疲労困憊で上海到着

昨日の事。
朝9時~10時過ぎまで虎の門で会議。
その後、タクシーで移動し、11時東京駅発の成田エクスプレスに乗る。
ぎりぎりだー!と焦ったのであるが、10分くらい時間の余裕が有ったので、駅で弁当を物色。
あまりにものが豊富で、美味しそうなものばかりで迷いに迷ったが、かつ丼と焼き鳥を数本包んでもらい、電車で食事。
忙しい日本出張の終了だ。

電車の中では、弁当を食べて仕事せず。
成田ではラウンジで意識を失ったように30分熟睡して機内へ。
上海到着したら、マッサージを3時間。

マッサージ前までは、ここ数日の緊張とストレスで、胸が痛かったのだが、取りあえずこれはなくなった。
ただ、泥のように疲れていたので、熱燗を2合飲んでそのまま熟睡。

マッサージ3時間で200元(2,500円程度)。
日本だとこれだけ手軽にマッサージに行けないので、この安さはありがたい。

これから11月30日と12月2日のレジュメ作りを開始する必要がある。
早く体制を持ちなおさねば。

移動 今は何もしたくない

現在成田空港。
これから上海に移動。
今回の日本出張は忙しかった。
昨日は、休憩時間(質問を頂いていたので休めず)を含めて7時間半、立ちっぱなしで講演。
今日は早朝から会議。

疲れすぎて、息苦しさを覚える感じ。
今日の仕事はこれまでにして、体力とメンタルの回復を待とう。

ともあれ、昨日は、3.5万円のセミナーながら、約70人のご参加有難うございました。

また、昨日はみずほ総研主催の中国外貨管理セミナーだったのであるが、中国外貨管理の第一人者でもある桑田良望さんに、昼休みの控室を訪問頂き、一緒に昼食を取りながら情報交換ができたのはうれしかった。
お会いするのは3年ぶり。
「来年中国で、共同セミナー企画しても良いですか」とお聞きし、前向きな回答を頂いたので、企画を進めよう。


ミステリーで驚く

E-mailの整理をして、明日の講演会のレジュメを読み込んでいたら、結局午後6時だ。
6時間の講演会のレジュメなので、前日の読み込みも、なんだかんだで同じくらいの時間がかかる。
今日の仕事はここら辺にしておこうかと思案中。

因みに、昨日は、体調不良でベッドで横になりながら、乾くるみの「嫉妬事件」を読んでいた。
乾くるみは、最初に読んだ「Jの神話」が僕の好みに合わず、しばらく敬遠していたのだが、偶然手に取った「イニシェーションラブ」が傑作で、アガサクリスティのアクロイド殺害事件を読んで以来の衝撃を受けた。
それもあって、その後、かなりの作品を読んでいる。
「もう一度読み返したくなる」という様な、キャッチコピーが、イニシェーションラブの帯に入っていたが、あの本に限っては、一度読んだ人の大部分が、本当に、その場でもう一度読み直したのではないか。
その意味では、たいした本であった。

ここ数年で、へぇ!と驚いた(そして、面白かった)ミステリーは、イニシェーションラブ(乾くるみ)、容疑者Xの献身(東野圭吾)、犬はどこだ(米澤穂信)が、僕のTOP3という感じ。

とは言え、今回の嫉妬事件は、個人的にはまったく好みに合わず、流し読みして終わらせた。
作品による相性の差が結構大きい。

本を読み終わり、なんとなくウェブ検索してみると、「名前から女性と間違えられがちだが男性である」と書いてあり、驚いて画像検索をしてみたら、本当に、ごつい感じの男性だった。
これだけ何冊も本を読んでいて、男性だというのは初めて知った。

これまた思い込みというやつだ。
名前にもタネがあったとは。

そう言えば僕も、男なんだ!と言われる事が学生時代によくあった。
大学で、ゼミの合格者名簿が貼り出され、クラスに行ったとき、「一人女性がいると思って楽しみにしていたらお前かよお」と、失礼な嘆かれ方をしたので憤慨した事があったものだ。
しかし、真澄はさておき、くるみは男性とは思えないよなあ、という感じ。

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ