香港(講演会・今回は真面目な話)

今日は真面目な中国ビジネスネタですので、ご興味のない方は読み飛ばして下さい・・・

午後にNNA主催で講演会。
持ち時間が1時間と、火曜日(13日・東京)の講演とほぼ同じであった為、同じネタを話す事とする。商業企業の現状に付いてであるが、纏め(結論)として話したのは、以下の内容。

商業企業を作る場合、考えられる方法(現状5種類)と、方法毎の有利・不利は以下の通り。


?商業企業の新設
現状、一番認可が取得しやすい方法となっている。
比較的小規模の資本金でも認められている。
また、今までは、専門商社のみが認められていたが、総合商社の実例が出た事により、今後、総合商社の認可が下りる可能性も出てきた。

?CEPA
難易度、手続、認可取得条件は?と同様。
一応、認可が取得できない場合は、規定上は、香港工業貿易署経由で商務部に理由の確認と再申請を行う事ができると規定されているため、お守り代わりにCEPAを使用する意義はある。デメリットは、出資が香港現法経由の間接出資でなければならない事(出資形態の制限があること)。

?傘型会社の経営権追加
関連規定には、多国籍企業の地域性本部として認定される方法(国外の関連会社の輸入・国内販売が認められる)と、「外商投資商業領域管理弁法」に基づいて経営範囲の追加を申請する方法が規定されている。
前者はUS$1億以上の資本金とする必要あり。後者は増資義務無し。
但し、実務的にはどちらの方法を採用する場合でも、US$1億の資本金が要請されている節があり、「一番金がかかる」状況になっている。

?生産型企業の経営範囲追加
認可実例は出てきている。
既存の生産型企業を活用する方法の為、追加出資が不要。
但し、流通から生じる所得が全体の50%以上の場合、生産型企業の税務優遇が取れなくなってしまうのが難点。

?保税区企業の経営範囲の追加
既存の会社を活用する為追加出資が不要というメリットは有るが、保税区企業(外国に準じる企業)が、国内流通権・(国内企業として)貿易権を取得する方法である為、変則的。
ダウケミカルが認可取得したが、個人的意見としては、これは飽くまでも試験的な対応と考えている(保税区外への登記地変更と抱き合わせに、流通権を与えていく方法を取るのではないか)。
この方法の場合、外貨管理(保税区外貨管理の適用を受けるため)の面での制限が加えられる。


講演終了後、急いで会社に戻り、荷物整理だけして会食に。
明日、朝に広州に行かなくてはならず、本当は、今日中に広州に移動したかったのであるが適わず。朝の4時半に起きて、朝一で出発しなくてはならない(深セン経由で広州行き)ので、深酒しないように気をつけよう。