香港⇒ホーチミン(久しぶりのベトナムで感じた事)

13年ぶりのベトナムだ。
朝5時半におきて空港に向かう。
7時半にはチェックインして、9時過ぎには飛行機が離陸した。

香港からホーチミンまでは2時間。
これは、香港から上海までの飛行時間と一緒だ。
香港からハノイまでは、もっと近くて1時間くらい。
これは、廈門までと同じような距離になる。
海を越えるかどうかをさておけば、ベトナムは、香港から大変近い場所である事を、改めて実感した。

空港に到着すると、比較的順調にパスポートコントロールに到着した。
順番待ちの人数は少ないものの、一人一人の時間がかかっているようで、なかなか外に出られない。。
僕の順番が回ってくると、職員がパスポートをじっくりと見ている。
何を考えているのかと思っていたら、「香港の出国スタンプが無いね」と言われた。
「僕は香港永久居民なので、IDカードだけで出国できるんです」といって、IDカードを見せたら、税関職員は、「そうだろうそうだろう」と満足げにうなづいていた。
なにやら、まじめに調べるようである。



久しぶりのベトナムは、「昔の面影を残したまま、小洒落た町になった」という感じ。
13年前に比べると、明るく、綺麗に、安全になったという感じであるが、昔の面影はかなり残っている。
見違えるような発展と活気を想像していた僕にとっては、ちょっと拍子抜け。
どことなく、おっとりした街というイメージ。
その分、治安は良さそうだけど。

街の繁栄ぶり(便利さ)とイメージを、中国の街と比較すると、「珠海、中山水準」というのが僕の感想。
まだ、上海、広州には比べるべくも無い。
住み易そうな感じはするが。

今日は、VSIP(ベトナムシンガポール工業園)、KPMG、丸紅ホーチミンを訪問した。
まずは、丸紅が入っているサンワタワーに到着。
ここは、丸紅が1/3出資しており、更にその1/3を丸紅香港華南会社が出資している(つまり、全体の10%程度が丸紅香港の出資)。
そんな縁で、丸紅香港の経理部長であった僕が、ここの経理面でのお手伝いをしていた過去がある。長い間、計数だけを見てきたが、やっと実物を見る事ができて満足。
一等地にある綺麗なビルで、現在、フルオキュパイの様だ。
順調で何より。
面談をこなし、いろいろ方に、親切に説明を頂く。
特に、KPMGの大塩さんには感謝。



まだ、もらった資料、受けた説明の咀嚼ができていないので、中国との相対比較はできていないが、今日一日の視察で、ベトナムの投資環境に関して、ざっと受けた印象は、以下の通り。
● ベトナム進出企業の工業規模は、中国のそれと比べるとまだまだ小さい。
● ベトナム土地代は中国より高い。
外国人居住用の住居費(マンション)は、上海並みなので決して安くない。
● ベトナムの人件費は中国より安い。
● 税制(法人税)は、中国と比べると一長一短。タックスホリデーはベトナムの方が中国より有利であるが、優遇措置の有利不利は、進出形態・場所によりケースバイケース。
ただ、もともと法人税の税務優遇は多い国(双方とも)なので、あまり有利不利を論じるのも何かなと言う気がする。
個人所得税は概ね同水準(システムは違うが、総じて同水準の税額に落ち着く)。
● 外貨送金は、中国の方が総じてシステムができている。
ベトナムは原則として自社で外貨バランスをとらないといけない(中国は、送金可能な項目であれば、保有外貨が無ければ銀行で外貨購入可能)。
● ベトナムは設備機械の輸入免税はとり易い(関税・VATがかからない)。

という事で、一長一短あり、必ずしもベトナムの方が優遇があるとは言い切れない。
ただ、中国は、先月の制度改定により、加工貿易禁止項目が大幅に増加され、「中国で加工貿易ができなくなってしまった項目が多い」。
この対象に入るものは、他国にシフトを余儀なくされるが、ベトナムが有力な候補であるのは確かであろう。

ともあれ、明日は、工業団地を3箇所回るので、もう少ししっかりしたイメージがつかめると思う。


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