来料禁止の噂が絶えない。
事実から言うと、
1.今年7月と9月に、「財関税[2009]48号」、「税関総署公告[2009]62号」が公布され、2011年6月末までに独資転換に関わる現物出資申請をすれば、設備転廠方式の採用(輸入段階の関税・増値税免除)を認める事が規定された。
2.最近になり、深圳の工商行政管理局が、来料加工廠の営業許可を今後延長しない方針を決定した(内規であり文書は僕自身も見ていないが、実例あり)。
この事実を捉え、来年から来料加工が認められなくなる、2011年以降認められなくなる、2012~13年に認められなくなる、という推測が飛び交っている。
ただ、注意しなくてはいけないのは、この様な議論は、来料加工と珠江デルタ型来料加工をひとくくりにしてしまっている事だ。
来料加工の中には、企業(外資企業を含む)が行う来料加工と、法人格の無い三来一補工場が行う来料加工がある。
上記、1,2の動きは、三来一補工場(来料加工廠)制度に対する制限であり、来料加工自体の制限ではない。
前のブログにも書いたが、今まで、来料加工自体を捉えた規制は出されているのは確かで、珠江デルタ型来料加工は、数年をかけて制度廃止に動いていくのは確かだと思う。
ただ、独資で来料を行っている事例は少なくない訳だし、今まで、外資企業に来料加工を認めてこなかった東莞でも、独資に来料許可を与えようと言う動きが出てきている(東外経貿[2009]108号)。
よって、珠江デルタ型来料加工廃止と来料加工制度の廃止を混同して議論するのは不適切であると思う。
僕自身は、珠江デルタ型来料加工は、数年間をかけて制度廃止に向かう。
但し、来料加工制度は存続すると観測している。
これは、今まで来料加工制度自体を制限した法規が出されていない為である。