悪代官店選びをしくじる

先日の日本で、元同僚の悪代官松園君と食事に行った。
何故悪代官かというと、純粋に、悪代官の様な顔をしているからである。
背も高いし坊主頭だし、風貌は結構怖い。
ラストサムライの渡辺謙にも似てると言われる。
今回の会食時は、二人から、渡辺謙に似ていると言われていた。

その松園君が、店の選定は任せて下さい!と、悪代官顔をいからせて言うので、「寿司屋」というリクエストだけ出して、大船に乗ったつもりでいたら、狙いに狙って、大外しの店を選んでいた。
悪代官曰く、3時間かけて選択した、というが、たどり着いたのは、極めて投げやりな店である。

客はいないし、板さんはタバコ吸ってるし、ぬる燗ができないというし、ネタはよくないし、悪いところを上げればきりが無い。
悪代官は、カウンターに腰掛けるなり、「まだ早いから客がいないんですか?」と店の人に聞いていたが、後で通りかかると、9時半には暖簾が下りていた。
さながら、喧嘩を売る様な発言だった。

そんな訳で、刺身を7品(僕4品、悪代官3品)食べて、梅しそ巻きを一本。
ビールと日本酒を一本飲んだら店を出る事にした。
入ってから30分なので、店の人は、「えっ!もうですか」と驚いていたが、さすがに金と時間を無駄遣いできない。
これで、1万2千円くらい。
よかったのは、「ワルの代官」という、図ったようなネーミングの地酒があった事くらいだ。


「おいおいこれはないだろう。口直しだ!」と言いながら、数歩歩くと、割烹を謳った店を見つけた。
「雰囲気良いぞ。ここに入ろう!」と言い、店に入る。

店の雰囲気は良いし、日本酒は豊富だし(〆張、久保田万寿、八海山大吟醸等)、店の人はピシッとしてるし。
魚のあら、蟹の脚揚げ、その他を食べて、日本酒を〆張、浦霞と3合ほど飲む)。
最後の牡蠣雑炊が素晴らしく美味しく、これで一万8千円。
「初めからここに入ればよかった・・・」と悔やむ事しきり。

「最近、連続して外してるんですよね。インターネットの口コミはあてにならんなぁ」と小首をかしげる悪代官。
ただ、「一回しゃがんでからジャンプしたんで、感動もひとしおだったって訳ですよ」。
と最後に善意解釈をしていた。

最初はどうなる事かと思ったが、最後にたどりついた店が良かったので、取りあえず満足した会食だった。

これは良かった方の店の魚のあら煮。

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