海外での起業は難しいか簡単か

先月、丸紅時代の同期が香港に出張で来たので、二人で楽しく酒を飲んだ。
かれこれ18年くらい会っていなかったが、新入社員からの付き合いなので、あっさりとキャッチアップできた。

その折、彼が繰り返して言っていたのは、「水野はすごいなあ、海外で企業するなんて。日本ならまだしも」という事であるが、実は、一定条件を満たせば、海外での起業は、日本よりも簡単だ。
起業以前、僕がそもそもコンサルティング業務を開始した際(2001年)も、海外だからこそできたのかもしれない。
その理由は、対象となるソサエティの大きさだ。

海外の日本人社会は、仮に、香港で実質5万人程度、上海で10万人程度の規模とは言っても、日本に比べたらかなり小さい。
用語の適切性はさておいて、町内会の様なもの、という感覚であろうか。
町内会(?)で、一定の知名度、信用を獲得するのは、日本の大都市(東京、大阪等)に比べれば、格段に容易だ。
勿論、一旦信用を無くすと、全てを失うのも確かで、つまるところは、良い噂も悪い噂も、すぐに全体に広がるという事だ。

ともあれ、2001年に、僕はまず香港の日本人社会で顔を売り、それから上海、そして中国全体の日本人社会へと広げていった。
10年前に、いきなり東京で同じ事をやれと言われたら、あまりの日本人の多さ(社会の大きさ)に、途方に暮れていただろう。
弁護士事務所、会計士、コンサルタントと、役者が揃っているところでの新規参入は困難だ。

そんな訳で、今年、日本に逆上陸できたのも、感慨無量の感がある。
日本の拠点は、まだまだ小さな規模であるが、それでも、想像以上の反響があって驚いた。
僕の仕事が、完全に日本企業を顧客基盤としたものであるが故でもあるが、日本市場の規模の大きさを、改めて感じたものである。