要は考え方の問題

あまり昔の事を語ると歳だと言われそうだが、今の中国と僕が福州で実務研修をしていた時とは全く違う。

1989年の福州で、5星ホテルのレストランで、レモンをくれと言ったら、福建省ではレモンは採れないからない、と言われた。
別の日に、牛乳を頼んだら粉乳をお湯に溶かしたものが出てきて、これじゃないと言ったら、「お前が欲しいのは新鮮牛乳の事か!そんなものは無いよ」と言われた。
因みに、そこのコーヒーは、インスタントコーヒーを煮しめたものだった。
日本料理などは無かったので、美味しいとか美味しくない以前に食べられない。
日本食がある地域に出張する事になると大喜びだ。
美味しいとかまずいとかの感覚は希薄になり、食べられた、という感覚だけで舞い上がった。

そんな時代を知っていると、今の中国の生活は、何の不自由もないと感じる。
満足して生活ができる。
一方、日本と逐一比較して、不満をためている人もいる。

要は、考え方の問題で、どこに自分の基準を置くかという点だと思う。
不便な時代を知っている事が、前向きな発想に役立っているのも確かだろうが。

ただ、そこに居ざるを得ないのであれば、良いところを見て、満足した方が良いと僕は思う。
まあ、考え方は人それぞれだが。