上海にて思う

昨日上海到着。
中国人の知人や部下から、危ないから今夜は外出するな、と言われたが、街の状況が気になり、夜10時にオフィス近くに行き、しばし散策する。
人が極端に少なく閑散としている。
日本人だけではなく、中国人も少なく、今回の騒動が、日本人だけの問題ではなくなりかけているのを感じる。

器物破壊や暴力は、決して許されるべきではないが、その様な盲信的な行為に走るのは、中国人全体ではなく、ごく一部であると信じているし、それは、中国の人々と交わした会話でも分かる。
僕は中国人の良識を信じたい。
また、それと同時に、日本人の良識も信じたい。

自分が日本人である以上、日本寄りの考えになるのは当然だし、自分も(日本人という意味で)攻撃対象の一部になっている以上、憤りを感じるのは当然だ。
ただ、この状況で、如何に冷静になるかが大切なのだと思う。

政治であれ経済であれ、「喧嘩は勝てる根拠があってやるもので、交渉は落としどころを確認しながらやるものだ」。
出口のない強硬論からは、何も生まれない。

目先の状況からしても、日本の対中輸出は全体の約20%を占めており1位。
更に、中国内で多数の日系企業が活動を行ない、販売収益も得ている。
この落ち込みが極端になれば、停滞している日本経済が大きな打撃を受け、多数の企業の経営に問題が生じ、雇用喪失、社会不安が増大するのは自明の理だ。
では、中国はそれで打撃を受けないのか、と言えば、受ける事は確かであるが、日本製品が売れなくなれば、他国(欧米、韓国等)が攻勢をかけてくるのが経済世界の常識。
日本に対する示威行為は、日本限定のカントリーリスクと受け止められ、欧米企業の判断には影響を与えない可能性が高い。

開戦を軽々しく口にする人間もいるが、勝利を確信しての発言か。
米国が助けてくれるであろう。戦いに出るのは自衛隊の人間であって、自分(自分の身内)ではない、という安易な考えを前提としたものであれば甘すぎる。
有事の際に、強硬論がもてはやされるのは常であるが、それが根拠のない感情論であれば、最後に不幸になるのは国民である。
歴史から学ぶべきだ。
国民を幸せにするのが政治である筈。
まさに、今現在のかじ取りを、方向性を明確に定めて行ってほしい。
そろそろ問題を解決する時期だ。
中国には、日本の国益の為に、体を張って働いている日本人がたくさんいる。
さすがに、日本側には対応すべき問題はない、とは言わないでほしい。

蛇足になるが、領土問題は、ある意味結論の出ない議論でもあるが、他国の主張を、「洗脳で無根拠」と決めつけずに、自分の頭で理解するのは重要だろう。
自分自身が、歴史事実・背景は知らないが、国・メディアが日本のものというから、信じている、というレベルでは、どっちもどっちになってしまう。

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