僕流の年越し

日本の仕事納めは先週末だったが、香港・中国では、大みそかの今日まで仕事がある。
香港でいくつか片付け仕事をしてからシティスーパーに行き、当座3日間の食材を買い出した。
今年の新年は香港で迎える。
この先数日間、食事は全て一人だ。
子供のころから、新年という雰囲気が嫌い。
まったりした空気も嫌いなので、小学校4年生の頃、こたつを出さないよう親にお願いし、それから、一度も使っていない(大学で友人の下宿に転がり込んだときは別)。
成人してから、年末年始のTV番組は原則見ない(紅白も見ないし、新年番組も見ない)。
ただただ、普通に過ごしてきた。
今年もそんな風に年を越す。執筆に専念する予定。

シティスーパーで買い出し
シティスーパーで買い出し

今日買ったのも、何時もながらの食材。
厚揚げ、木綿豆腐、がんもどき、納豆、鶏のささみ。そして、ヨーグルトとオレンジジュース。
これで3日分。
最近、朝食はヨーグルトに果実を絞って食べる。
昼は納豆とごはん。
夜は湯豆腐とささみ焼き。
健康を気遣う意味と、本来の嗜好で、この様な食生活が続いている。
食生活をドラスティックに切り替えて2週間がたつと、体の調子も随分良い。3ヶ月程度はこんな食事を続ける予定。

年末年始(12月27日~1月3日)にやらねばならない事は、国貿促から依頼されたハンドブック改定、日本経済研究センターの研究発表資料作成、来年早々のNNAの原稿、増値税の本の執筆。
今日の段階で、増値税書籍の執筆以外はすべてこなした。三賀日は増値税に没頭する。
それが終われば、来年の課題のベトナム投資制度の研究に入れる。

こんな感じの、何時もながらの年越し。

ラウンジで寿司を食べながら香港へ

先週、JALのFly onポイントが8万に達して、グローバルクラブのプレミアになった。
ファーストクラスラウンジが使える様になる。
ファーストクラスラウンジに入るのは、航空会社を問わず初めてだ。
今年1年、JALのグローバルクラブのステータスをプレミアにする計画を立て、目標に近づけば喜んでいたが、よくよく考えれば、自分の金でファーストクラスに乗れるのであれば、そんなグレードはどうでもよい訳だ。
そう考えると、躍起になっていた自分がちょっともの悲しい。
とは言え、少なくともしばらくは、そんな状況にはならないし、目先の話として、ラウンジの寿司バーで、その場で握った寿司を食べ、純米大吟醸酒を飲むのは、素直に嬉しい。

ラウンジの寿司バーで
ラウンジの寿司バーで
ラウンジの寿司バーで
ラウンジの寿司バーで

そんな感じで食事をしながら原稿を書いた。
12月30日の香港移動。
今年は80回以上飛行機に乗った。
来年はもう少し回数を減らしたいが、さて、できるだろうか。

今年の仕事納めは大阪で

先ずは講演会のご案内から。
12月に多数のお申し込みを頂いた弊社主催講演会(上海・広州)は、1月の追加講演を決定しましたが(広州1月16日、上海1月23日)、12月25日段階で、上海は、お申し込みが定員の165名様に達しキャンセル待ち。広州は、定員65名様まであと8席ほどとなりました。
追加講演までまだ1ヶ月弱ありますので、再追加講演が必要になると思いますが、再追加講演は告知をせず、お申し込みを頂いた方に個別にご案内する事を考えております。
聴講のご希望を頂く方全てに対応させて頂ける様、万全を尽くしたいと思いますので、引き続き、お申し込みのほど、宜しくお願い致します。

さて、大阪出張の話。
今年の仕事納めは12月26日にして、それ以降はたまっている原稿(国貿促、日本経済研究センター、NNA年初原稿、増値税書籍)の執筆に充てようと考えている。
26日の仕事納めは大阪。
年末で、アポが思ったほど入らなかったので、時間的には余裕。会食時間までの小一時間は、風呂に浸かってくつろいだ。
大阪出張の時、何時も泊まるのはシティプラザホテルで、ここは商工会議所に隣接しているし、何より、価格がリーゾナブルな上に、最上階の風呂が充実している。非常に気に入っているホテル。

宿泊のシティプラザホテル
宿泊のシティプラザホテル

夜は谷垣(兄)さん夫妻と待ち合わせ。
関西まで来てくれたんだからと、ご招待いただいた。
「食生活を野菜ベースに切り替えてるので、野菜と豆腐主体で」とお願いして、店を探していただいた。
刺身
全部で10品ほど出されたのに、3品しか写真を撮らなかったが、野菜主体の中に、刺身、肉も多すぎず入っておりバランスが良い。
肉
現在、僕の半生記2作目を元として(とはいえ、ストーリーは全く異なるフィクションミステリーに仕立てて)執筆を頂いているが、来年初旬には完成し、これをどうやって使っていくかを打ち合わせたもの。
デザート
来年の仕掛けの一つがこの原稿。
来年も面白い年にしていこう。

中国プラスワン・ASEANシフトの現状と分析

以前、ベトナムに子会社を作る理由という記事で、以下の様な内容を記載した。
・中国の調達市場を活用する場合、中国活用のメリットは依然として大きい。
これは、物価自体は上昇しているが、産業集積により調達コストを下げられる(調達市 場の活用)、GDP世界2位の市場規模(日本の約2倍)を活用できる(販売市場の活用)という理由。
・一方、単純加工貿易モデル(輸入原材料を使用し、製品を輸出するモデル)の場合、中国の市場を活用しないため、中国の物価の上昇が採算に悪影響を及ぼし、生産拠点の見直しを迫られる状況も想定される。
ベトナムに子会社を設立する理由は、この様な動き(加工貿易企業のASEANシフト) に対応するためである。

上記は、中国プラスワンやASEANシフトに関する僕の考え方に基づくものであるので、計数根拠を踏まえて、もう少し具体的に解説したいと思う。

1.製造原価の中身
中国の人件費、コストが安いとは言えなくなっている点は、現場感覚も踏まえて既に記載した。
ただ、製造コスト、というと人件費がクローズアップされがちであり、これが重要な指標である事に異論はないが、製造原価に占める人件費の割合は18.5%に過ぎない(ジェトロ「在アジア・オセアニア日系企業実態調査(2014年)」。調査対象2,194社)。それに比して、原材料費は60.2%、その他の原価は21.3%である。
注:
当該数値は、アジア・オセアニアの平均値。
中国の場合は18.7%が人件費。60.2%が原材料費。

人件費の管理が経営における重要課題の一つである事は確かだが、原価の中で一番大きなウェイトを占めるのは原材料費である。
製造拠点の移転により、人件費を数10%節減できても、原材料調達コストの上昇、若しくは、リードタイムの長期化が生じれば、製造コストの上昇、企業の安定稼働の阻害という問題につながり、大きなマイナスとなる。
結局、製造拠点の設立地は、サプライチェーンを前提とせざるを得ず(部材調達コストや調達の容易さを一義的に考えざるを得ない)、それを踏まえた上での人件費、その他コスト管理という事になる。
僕がよく、「部材がなければ製品は作れない」と発言するのは、そういう意味だ。

日本の製造原価を100とした場合の現地製造コストは、中国がタイ、インドネシア、インドよりも安いという結果となっているが、これは産業集積によるものである。
☆ ジェトロ2014年調査(カッコ内は2013年の計数)
日本の製造原価を100とした場合の現地製造原価
タイ 81(79.5)、インド 78.5(78.5)、インドネシア 78.5(76.5)、 中国 77.8(76.4)、マレーシア 77.2(78.7)、
ベトナム 73.2(73.2)、フィリピン71.8(71.5)

つまり、人件費、その他のコストの高さを産業集積が吸収している訳だが、それは現地調達率の高さを見れば分かる。
在アジア・オセアニア日系企業実態調査(ジェトロ)では、現地調達率の平均は48%であるのに対し、中国は64.2%と非常に高く、これが輸送費・関税等の税コスト・リードタイムの削減に貢献している。
因みに、その他の国の現地調達率は、以下の通り。
タイ(52.7%)、インド(43.4%)、マレーシア(42.3%)、インドネシア(40.8%)、 ベトナム(32.2%)、フィリピン(27.9%)

尚、同ジェトロ調査(2014年)で、経営上の問題点として、部材現地調達の難しさを挙げた企業は、カンボジア79%、ベトナム70.3%、インドネシア61.1%、フィリピン58.2%、インド56.7%、ミャンマー55.6%となっている(中国は33.4%)。

勿論、産業集積は時間の経過とともに変わっていくので、10年後も同じ結果が保証できる訳ではないが、少なくとも短期・中期的にはこの様な傾向は維持される筈である。
一方、単純加工貿易(原材料完全輸入・製品完全輸出)を前提とすれば、調達市場も販売市場も活用しない(国内部材を使わず、中国内で販売もしない)訳なので、当然、結果は変わってくる。
つまり、中国のコスト上昇が、直接的に製造原価に響くので、安いコストを求めて移転を検討せざるを得なくなる。
ただ、加工貿易と言っても、調達市場を活用するものとしないものがある。
華南地域は(世界的に見ても)電子産業の一大集積地になっており、ここでは、包括加工委託形式(外国企業が中国企業に包括的な加工委託を行う形式)である来料加工であっても、転廠(加工貿易企業間の保税移送)の形で調達市場を活用している。
この様な場合、当該加工貿易企業の生産・供給活動が、サプライチェーンに組み込まれているので、簡単には移転できなくなる。
この点は、2-③で解説する。

2.中国プラスワンとアセアンシフトの状況
財務省の国際収支統計を見ると、日本から中国への直接投資は2012年をピークに減少している。

2012年の対中投資金額は、対ASEAN合計金額とほぼ同じ水準であるのに対して、2013年は、対ASEAN向けの投資が、前年度より大きく増加した事により、対ASEAN投資の合計が、対中投資の2.6倍となっている。

① 対中投資の減退とASEAN投資拡大の理由
日本企業の対中投資が減退の要因として、僕自身は、以下の理由を考えている。
1)中国向けの生産型企業に対する投資は既に成熟しており、新規投資が前年比で拡大する状況ではなくなっている(出るところは既に出ている)。
2)中国が製造拠点から市場に転換している(世界の工場から世界の市場に、位置付けが急速に転換している)。
3)政治リスクを考慮すると、高額の設備投資伴う生産型企業の新規投資がやり難い環境となっている(意思決定がしにくい)。
4)税制、投資制度の変更により、日本からの直接投資ではなく、中国国内での再投資(既に、中国に作った外資企業からの投資)が増加している。

1)・2)に付いてであるが、日本銀行のサイトから対中直接投資金額(製造・非製造が分かれている)をピックアップすると、以下の通りとなっている(億円単位)。
2013年 製造業5,507 非製造業3,362 合計8,870 前年比△18%
2012年 製造業7,334 非製造業3,425 合計10,75 9前年比+7%
2011年 製造業6,948 非製造業3,097 合計10,046 前年比+60%
2010年 製造業3,896 非製造業2,388 合計6,284

この数字を見ても分かる通り、2013年に非製造業の直接投資は微減に留まっているが、製造業の直接投資は顕著に落ち込んでいる。

3)、4)に付いてであるが、最近、「既に設立した外資生産型企業(中国現法)より、中国内投資の形で生産型企業を新設したい」というご相談(国内再投資形式による新規設立)が多い。
中国内での再投資と言えば、投資性公司(傘型会社)が経営許可上、正規に再投資行為を認められたものだが、それ以外の外資企業でも、フリーキャッシュがあれば、国内投資を行い、子会社(日本の親会社から見れば孫会社)を設立する事ができる。
フリーキャッシュというのは、経常項目口座の中の資金であり、用途が経営範囲内の使用に限定されないものをいう(資本金口座・借入金口座内の資金は、経営範囲内の使用に限定され、投資・委託貸付などには使用できない)。
また、税制や投資制度の変更も、この投資形態を後押ししている。
というのは、投資性公司以外の外資企業が行う国内投資は、内国出資として扱われ、設立された会社は(他に25%以上の外国出資が無い限りは)内資企業となる。
2008年1月1日に企業所得税法が改定される前は、外資企業の方が内資企業に比べて、税制上は圧倒的に有利であり、内資企業となるデメリットが大きかったが、この差が無くなった。
更に、外国(日本)への配当は10%の企業所得税が源泉徴収されるのに対し、中国内の配当は非課税であるため、この面の税コストも軽減される。
この様な制度変更により、既存の外資企業からの投資が有効な選択肢になってきているし、更に、この形式であれば、中国内の資金の有効活用であり、日本からのフレッシュマネー投下に比べて抵抗感が少ない。
注;
上記の様なメリットはあるが、内資企業の場合は、国外からの借入枠が無い(投注差の範囲での外債登記枠が付与されない)、奨励分類企業の免税輸入制度が活用できない、というデメリットもあるので、この点を考慮の上、決定を行う必要がある。

② 中国プラスワン、ASEANシフトの現状
上記(①)の通り、製造業に関しては、日本企業の対外直接投資の対象国が、中国からASEANにシフトする傾向が顕著となっている。
但し、このシフトは日本からのASEANに対する新規投資の計数であり、中国撤退を伴うもの(中国からASEANへの拠点移転)には直結しない。
現在起きているのは、「中国の製造拠点を維持しつつ、リスク分散・コスト削減の一環として、ASEANの拠点を新規構築、若しくは、中国製造のウェイトを、既存のASEAN拠点に移していく(軸足バランスの変更)」というのが大部分と推測している。
これは、ジェトロの在アジア・オセアニア日系企業実態調査(2014年)における、「在中国の日系企業の今後1~2年の事業展開方向性(有効回答数970社)」の回答が、拡大46.5%、現状維持46%、縮小6.5%、他国への移転1%という結果となっている事からも伺える。
<参考>他社調査
1)NNA調査(2014年9月・有効回答163社)・今後三年の中国事業方針
拡大41.1%、現状維持…50.9%、縮小・撤退…8%
2)週刊ダイヤモンド調査(2014年5月24日・有効回答上場企業277社)・2014年の事 業方針(2013年比)
拠点数;増加…12% 現状維持…80% 減少…8%

やはり、現在の中国の厚いサプライチェーンに組み込まれた状況で、他国への完全移転は難しい。とはいえ、リスク分散は必須であり、これらを考慮して、中国オペレーションを維持しながら、生産割合をASEANに移していく方針を取ろうとしている企業は多い。
僕自身「全世界の生産の8~9割を中国に依存している現状を、数年かけて5~6割に下げたい」という様なご相談をよく受ける。
つまり、中国オペレーションは縮小するものの、それは「中国偏重の状況を、適正なリスクバランスに持っていく」動きであり、企業のリスク対策(リスク分散)の観点からすると、極めて妥当な選択である。「有るべき流れ」の一環と捉えて差し支えなかろう。
この様な動きは、中国・ASEAN間の商流拡大として計数にも現れる。
つまり、シフト先となるASEAN各国では、部材調達に困難が生じる場合が多く、これが中国⇔ASEAN間の商流の拡大(中国よりの部材調達)に結びつくからだ。
この点は、④で解説する。

ともあれ、先のジェトロ・アンケートでは、今後の中国活動方針として、「拡大」を挙げた企業は中国全体で46.5%であったが、産業別に見ると、卸売・小売の場合は60%と比率が高い(卸売り・小売業の場合、拡大と現状維持を合算すると96.4%に及ぶ)。
ここからも、中国は「市場」という位置づけに変わってきている状況が伺える。

③ 加工貿易政策とASEANシフト
ASEANシフトの主要な動きの一つとなっている(そして、僕がベトナム法人開設を決断した主要因となっている)加工貿易に付いて、見ていきたい。
加工貿易とは、原材料を保税輸入し、加工後の製品を輸出する形態(製品輸出を前提として、原材料を保税輸入する形態)を指す。
この様な形態は、市場を活用しない様に思われるが、実際は、そう断定する事はできない。つまり、加工貿易には転廠(深加工結転)という制度が有るが、これを活用すれば、保税状態のまま、半製品が加工貿易工場間を移送される。
つまり、加工貿易でありながら調達市場を活用できる訳であり、特に、加工貿易の集積地である広東省では、この様な形式で、保税部材のサプライチェーンが構成されている。
この様なサプライチェーンに組み込まれた産業(電子・電機を中心とした産業)の場合、ASEAN完全移転により部材の調達に支障をきたす可能性が高いため、中国の撤収、ASEANへの移転という選択はしにくい(②で解説した軸足シフトは有りうる)。

一方、この様なサプライチェーンに組み込まれていない産業、中国の国内市場(販売市場)に向いていない企業であれば、より安価なコストを求めて、中国外に完全移転する事は有りうる。

それ以外に、特定の加工貿易企業に移転を決断せざるを得ない状況を作り出しているのが、2008年より広東省で実施されている、来料加工廠独資転換の動きである。
来料加工廠についての詳細説明は割愛するが、非法人型の組み立て加工場であり、資金調達・調達販売等の重要な機能は、香港に集約する保税加工貿易形態である。
この形態は、税コストの削減が可能であり(関税・増値税が課税されない)、中国内の組織(=来料加工廠)はコストカンパニー運営が可能という利便性があるため、1980~90年代に広東省の産業集積構築に大きく寄与した制度である。
ただ、付加価値の低さと、コンプライアンス上の理由により、税関総署・商務部等の政府機関は段階的な制度打ち切り方針を出しており、広東省は、2012年をその転換完了の目標期限としていた(期限完了後も、営業期限満了までは存続可能)。
結果として、来料加工廠は、経営期限の範囲内に、外資企業転換(法人転換)し、加工貿易形態も、来料加工から進料加工(売買形式の加工貿易であり、中国企業の機能が来料加工に比べて重い)に切り替えが求められる。
ただ、ここで、以下の様な問題が生じる企業がある。

1)外資企業転換に伴う資金投下が決定できない。
2)加工形態が進料加工に馴染まない。

1)の場合。
これは、中国での加工に関する採算が厳しくなってきており、現地法人転換のための資金投下に踏み切れない場合である。
この様な場合、中国撤退を余儀なくされる。
若しくは、撤退はしないものの、加工自体は他社に外注。自社は販売会社を設立して、技術指導と外注工場が生産した製品の取り扱いを行う形態に転換する事を選択する(製造業から流通業への転換)事例が少なからず存在する。

2)の場合。
これは、来料加工時代の加工実態が、「塗装、検査」等の様に、輸入原材料と製品のHSコードが同じ、若しくは、付加価値が殆どつかない様な場合である。
この場合、原材料の輸入と製品の輸出契約を基に加工貿易許可を取る進料加工には転換しにくい。
深圳は、独資転換後は来料を認めない方針であり(東莞は来料独資転換の場合に限定して、外資企業にも来料を容認)、来料加工がオペレーションの前提となる様な場合は、中国内陸部(来料加工が受け入れられる地域)、若しくは、ASEANに移転せざるを得ない。
この様に、広東省における来料加工廠の規制が、一部の企業のASEAN移転を後押ししている面はあると言えよう。

尚、加工貿易企業には限定されないが、環境要求の厳格化を理由にシフトを検討する企業もある。
中国の環境要求が年々厳格化しており、沿海部に関していえば、ASEANより環境要件が厳しいケースも多い。
環境汚染につながる産業の新設が困難である事、既存の企業も、将来的に、特定の設備(環境保全設備)が整った工業団地に移転が求められる不安がある事が、ASEAN移転の理由になる場合もある。
更に、中国の販売市場に向いている場合でも、中国には高級品を投入する事を方針付け、中国生産品は輸出専用、日本製造品は中国向け、と位置付けている場合がある。
ASEANシフトの理由は、コスト管理・リスク分散が大きな動機となっているのは確かだと思うが、企業の状況や戦略は、この様に千差万別である。

④ 中国・アセアンの商流拡大
「珠江デルタ進出日系企業の対ASEAN事業戦略(2014年7月)・拡大する部材供給、生産面で強まる相互補完関係(伊藤博敏・森路未央両氏執筆)」によれば、2013年の中国とASEANの貿易は前年度10.8%の増加。これを、広東省(深圳・黄浦・広州・拱北、江門港の通関合計)とASEANに限定すれば、2013年は前年度比18.08%の増加となっている。
広東省とASEANの商流を輸出入に分けると、広東省からASEANへの2013年の輸出は、前年比27.37%の増加。一方、同輸入は8.0%の増加にとどまっている。更には、広東省からASEANへの輸出品目の34.8%をHSコード84・85番台(電気・機械類及びその部材)が占めている(珠江デルタ進出日系企業の対ASEAN事業戦略)。
これらの計数からも、広東省の集積産業である電子機器関連のASEANシフト(それも、中国プラスワン形式での軸足移動)と、それに伴う中国からASEANへの部材供給増加の状況を垣間見る事ができる。

何れにしても、中国とASEANの貿易額は、2008年から2013年の5年間で約2倍に拡大している(World Trade Atlasを元にジェトロが取り纏め)。これは、中国・ASEANのFTA(関税免除措置)の要素も大きかろうが、中国企業のASEAN進出や、上述した産業の軸足シフトが総合的に絡み合った結果ではないかと推測している。
この様に、中国とASEANは相互依存を深めているし、中国・ASEANの日系企業もそのうねりの中に組み込まれている(若しくは、その動きを形作っている一つの要素となっている)。
日本と中国、日本とASEANという単一な切り口だけでは、方向性を見誤る可能性がある。例えば、日本の対中投資、対中貿易が減少すると、日本の観点のみで見ると、中国のポジション低下と考えてしまうが、アジア全体でみると、逆に、中国は上記の通り存在感を増している。
更に、この様な存在感を形作っている構成要素の重要なパーツが、中国の日系企業であるのも事実である。
産業構造は、国際的に複雑さを増している。
世界の中の中国、世界の中のASEAN、そして、世界の中の日本という観点で現状をとらえて戦略を立てる事が、今後、ますます重要になっていく。

3.まとめ
製造業における中国プラスワンの動き、ASEANシフトの動きは、日本企業にとって、時代の大きな流れとなっている。
但し、それは中国撤退⇒ASEAN移転ではなく、中国とASEAN併存を前提とした、軸足のASEANシフト(過度の中国依存の適正化)という面が強い。
一方、販売業に付いては、中国市場を狙う動きは健在である。
この様な製造、販売に分かれた動きは、今後、しばらく継続していくであろう。
そして、産業集積と商流は、時間とともに変容する。
僕はベトナムに最初のASEAN拠点を作り、その後、他地域展開も検討を開始しているが、あくまでも主業務は中国であり、ASEANはその補完機能の位置付けだ。
つまり、中国とASEANの双方に拠点を持つ事で、(クライアント企業様の目的が、軸足シフトであれ拠点移転であれ)既存拠点と進出先の双方で、一貫したサービス提供ができると考えたためである。
その意味では、中国を主業務と位置付けた上でのASEAN展開であり、僕自身は中国プラスワンを志向していると言えようか。
これは、僕自身のノウハウの問題もあるのだが。

最後に、ジェトロ「在アジア・オセアニア日系企業実態調査(2014年)」より、アジア・オセアニア地域の日系企業の営業状況(営業利益の状況)をピックアップする。
黒字(黒字+均衡)と赤字に分けると、全体平均(調査対象数4,711社)では、黒字78.6%・赤字21.3%となっている。
中国(964社)の黒字比率は78.7%と平均的な数字。
その他の国(以下、黒字比率)は、フィリピン(139社)87%、タイ(641社)81.3%、 マレーシア(286社)84.3%、ベトナム(454社)75.1%、インドネシア(460社)75.9%、 インド(417社)67.9%、バングラディッシュ(38社)55.3%、カンボジア(39社)53.8%、 ラオス(13社)30.8%、ミャンマー(50社)32%

バングラ、カンボジア、ラオス、ミャンマーは調査対象企業数がまだ少ない。
また、ラオス、ミャンマーは、稼働間が無い企業が多いためか(推測)採算路線にまだ乗っていない様子がうかがえる。
ただ、全体的に厳しい環境の中、日系企業は頑張っている、と言ってもよい数字ではなかろうか。

ビジネス環境は、絶えず姿を変えていく。
2014年12月12日の日経新聞朝刊第1面に、「東南アジアの賃金中国に迫る。進出企業の負担増」という記事が出ており、2010年比の賃金上昇が、インドネシア2.6倍、ベトナム2.3倍、タイ46%という数字が紹介されていた。
中国からのシフト候補先では、年々2桁の人件費上昇を続ける場合が多く(中国は1桁の上昇で推移している)、人件費削減を目的にASEANシフトをしても、逆転現象が起こり得る。
一般的に、発展途上過程にある国ほど物価の上昇率は高いため、企業はこのイタチごっこの中で、結果を出していかねばならない。
また、経済が成熟していない地域に行けば、人件費は下がっても、インフラ(ハード面・ソフト面共に)未整備により、企業の安定稼働に困難が伴う場合もある。
僕自身、ベトナム法人設立手続に際して、政府機関の対応の悪さ(中国と比べてもかなり悪い)に辟易している状況だが、更に、途上国に行けば、困難の度合いは増すであろう。

成功モデルを構築しても、数年後には変更を余儀なくされる。
ビジネスモデル・商流も、世界地図を前に、どこで製造し、どこで保管し、どこで売るかという地域戦略・機能分析を基として構築していかねばならない。
世界観(勿論、日本もその中の一部)を持った戦略が、年々重要になっていく。
その様な波を乗り越えていく日本企業を応援できる様に頑張りたいし、僕自身、新しいチャレンジを続けていく。
これは、好む好まざるに拘わらず、時代を読み、そして変わっていかないと、企業は存続していけないからである。

健康な食生活を心掛ける

12月5日に、「ベトナムに子会社を設立する理由」という投稿をした際、中国プラスワンやASEANシフトに関する僕なりの考えを、計数根拠も踏まえて追って解説したい、と書いたが、執筆の時間が無いまま約20日間が経過してしまった。
本件に付いては、遅ればせながら約7,500字の文章を書いたので、明日か明後日に掲載しようと思う。
また、中国からの対外投資が2014年1~11月でUS$898億となり、直接投資の受け入れ(同時期でUS$1,062億)に拮抗している件に付き、「実際の金銭の動きはもっと大きいのではないか。そして、これらの金が、日本の会社設立や買収、不動産購入に向かって来る可能性があるのではないか」という点を、中国の外貨管理制度を踏まえて解説したいと思っている。これは来年になるであろうか。
ともあれ、これは、今後の掲載の予告という事で。

話変わって。
毎年健康診断をしているが、今年も、胃の内視鏡検査などを含めて一通り行い(また、ASEAN展開を踏まえて肝炎の抗体検査も実施)、大きな問題なしという結果が出た。ホッとする。
ただ、血圧が若干高めだったので、転ばぬ先の杖という事で、食生活改善を心に決めた。
血圧はストレスによる部分も多かろうが、これはやむを得ない(現役であるうちは避けられない)。
ただ、食生活でそれなりの改善は図れるであろう。
血圧に悪影響の有る食事をインターネット検索し、それを踏まえて1~2年間の食生活を思い出すと、反省する事が多々ある。
1年半前にかなり体重を絞ったが、その折、満腹感を得るために、汁物を多飲した。
ラーメンのつゆに豆腐やねぎを入れて、スープ代わりに飲むことも有ったので、これは我ながら暴挙だった(塩分の過剰摂取が続いた)。
ともあれ、幸いな事に、豆腐・納豆・鳥のささみという、油っ気のないものが僕の好物なので、これに野菜を加えて食生活を組み立てていこう。

因みに、食生活の計画を立てるに当たっては、色んな方に助言を頂いた。
上海の新沼さんは、医療関係の学校を卒業しているので、健康な食生活に付いて教えてもらったし、元華鐘の楊楽陽さん(学生時代重量挙げの選手)が、以前、計量前に塩分カットで体重を落としていたと話していたのを思い出し、その要領を教えてもらったり。
こんな感じで各位の協力を得て、プランニングを着々と行ったので、気分的にはもう大丈夫だ。

飲み干す1杯
そんなことを考えていたら、昔買ったカップ麺のふたのこんな表示が目に留まり、「おぉ!」と怯えてしまった。

横浜で昼にグラスシャンパン

ただいま日本。
今日は休日ながら、朝一番でオフィスで打ち合わせ。
終了したのは10時10分頃。
このまま帰宅するかと考えたが、今日は天気もいいし昼でも食べて帰るか、と会議に同席した杉山君と話して決める。
まだ時間が早いので、山下公園あたりまで散歩をしながら移動。
旧オフィスのワールドポーター、赤レンガ、等を経由して歩いていく。
赤レンガ

船

税関ビル
天気が良い。
寒いが朝の散歩が何とも気持ちがよい。
ホテルニューグランドのイタリアンが11時半からなので、時間をつぶすために、港の見える丘公園まで行ってしまったが、ともあれ開店直後のレストランに。
1.5時間の散歩で体が温まっていたので、外の席に陣取る。
休日なので、まずはグラスシャンパン。
グラスワイン
そして、ミラノ風ビーフカツとスパゲティペスカトーレ。
と言いたいところだが、これは杉山君が食べたもの。
体重をあと2Kg減らして目標値にしたいので、僕が食べたのはきのこのソテーと、スパゲティペペロンチーノを三分の一程度。
ビーフカツ

ペスカトーレ
食事を終えて気づくと、レストランは超満員(外の席には寒くて誰も来ないのでわからなかった)。行列までできていた。
会食が終わると、体が芯まで冷えて、手袋と帽子をかぶって駅まで移動。
まあ、平和な昼食であった。

香港散歩

一週間前の出来事ですが・・・

銅鑼湾で会食だった。福岡・四国の旅行で増えた体重も、ほぼ元におさまってきたが、あと一頑張り。
会食前に、朝から摂取したカロリーと消費したカロリーのバランスを取ろう(朝抜き。昼は500Kcalで、ジムで300Kcalほど消費)と考えて、会食場所まで歩いていく事にする。

先ずは、ホンハムから九龍のスターフェリー乗り場まで40分程度の道のり。
歩きはじめ
途中のスターロード(ブルースリーの銅像や、俳優の手形が有る場所)は、観光客でいっぱいだった。
チムトンから
一旦、スターフェリーでセントラルに到着。
スターフェリー
観覧車ができている。これは臨時のものかな(香港ではよくある)。違うのかな。と考えながら歩き続ける。写真を撮っている人でいっぱいだ。話題の自撮り棒を使っている人も何人か。
観覧車
セントラルのスターフェリー乗り場から、タマール広場、フェンウィックピアまで遊歩道がつながっており、歩きやすくなっている。
タマール
これは政府ビル。1997年から2008年まで働いていた海富中心の正面にあるので、この光景は懐かしい(僕が働いている時は、政府ビルはまだなかったが)。
政府ビル
灣仔まで到着。銅鑼湾はもう一息。
灣仔
こんな感じで銅鑼湾に到着するまで、1時間半かかった。思った以上に時間がかかったので、最後は速足。こんな感じで摂取カロリーと消費カロリーがほぼ一致したので、心置きなく食事ができた。

最近の生活

12月16日に広州、19日に上海で自社主催講演会を開催し、今年の講演はすべて終了。やっと年末という気分になった。
自社主催講演会は、合計225名様の定員一杯の方にお集まりいただいた。1月に決定した追加講演会も、既に現在200名様弱の申し込みを頂いている。12月の講演では、皆様より熱心に聴講頂き、また、講演会後も多数の質問を頂き嬉しかった。
皆様に支えられて、ここまでこれたのを実感しました。
心より感謝いたします。

さて、最近の生活。
香港では意図的に自炊を増やしている。
家で湯豆腐とぬる燗、というのが純粋に楽しいという理由と、来年のASEAN展開のために、冗費は控えようという気持ちから。
ASEAN展開資金は今年度の純利益の範囲内でねん出できるとはいえ、資金が無尽蔵に湧いてくる訳ではない。
新しいチャレンジを始めるための儀式の様なもの。
日本酒

とはいえ、香港だと、良い豆腐も日本酒も手に入る。節約はあまり苦にならない(というより楽しい)。

あまり美味しそうではないと、写真を見た方から評判の悪かった弁当。
あまり美味しそうではないと、写真を見た方から評判の悪かった弁当。

因みに、16日の広州講演(日帰り出張)の際に、朝早く起きて自分で作って持って行った弁当。We-Chatにアップしたら、見た方々からまずそうだと評価は散々だったが、自分の好きなもの(厚揚げ豆腐、鶏のささみ、卵、納豆)だけ入れたので、個人的には満足した。

田野の地鶏ときのこのうどんすき。これが美味しい。
田野の地鶏ときのこのうどんすき。これが美味しい。

上海にいるときは、食材の買い出しが香港ほどうまくいかないのと、まだ掃除の契約が出来ていないので(なるべく家が汚れないようにしなくてはいけないので)、自炊ではなく外食。
これはやむを得ない。
写真は、オフィスの近く(遠東国際ビル)の田野で食べた、地鶏ときのこのうどんすき。
これが美味しかった。
すっかり気に入ってしまったので、3日間で2回食べた。

22年の時間の流れ

一昨日浦東(陸家嘴)に行って、20代の上海出張を思い出した。
浦東1

僕が最初に浦東に行ったのは1992年の事。その当時、浦東は一面の畑でタクシーをつかまえること自体無理であった。
当時の上海スタッフ(外灘の聯誼大廈に丸紅上海が入っていた)より、「絶対にタクシー待たせとかないとダメだよ」と念を押されて一人で浦東のEYに行った記憶がある。
浦東2

それがいまではこんな感じ。
22年という時の流れは、浦東地域ではすさまじく速い。
この当時の出張は組織変更対応。保税区貿易会社の制度が作られ、保税区に登記すれば商社も100%出資の現地法人ができる様になった(当時の保税区貿易会社は変則的な形態。卸売流通業の外資に対する正式な規制緩和は2004年。商務部令2004年第8号によるもの)。このため、駐在員事務所を現地法人転換すべく、営業移管や資産譲渡のスケジュール作り。更には、経理規則の作成等を行うために出張した。
この経験で、中国の会計税務や組織変更に興味を持ち、それが、今の僕の仕事に繋がっている。
思い出深い出張だ。
僕のコンサルティングの根っこ(コンサルティング業務を始めたきっかけ)というのは、実は、上海外高橋にある。
この経験をもとに、1997~1999年に華南地域で大掛かりな社内組織再編を担当し、それらの経験により2001年に外向きのコンサルティングを開始したというのが今までの経緯。
浦東3

その時にたどり着いたEY(年代的にみると、EYの提携先会計士事務所という方が正確かもしれない。ともあれ、日本でEYの方から紹介された事務所)は、よく覚えていないけど汚い2~3階建ての建物の一室に入っていた。デスク数も少ない部屋で、のどかそうなおじさんが僕を待っていてくれ、牧歌的な雰囲気で30分くらい話をした。

一昨日環球金融センタービルを訪問すると、至る所でEYの表示が目につく。随分広いスペースを占有しているようだ。
この変化もすさまじい。
当時の小さなオフィスにいたような、牧歌的な雰囲気の人は、ここにはいないだろうなあ、と時間の流れを感じる事しきり。
森ビルのEY

双方向プーリング・ネッティングのヒアリング

NNAに3回連続で、多国籍企業の集中資金運用(双方向プーリング、集中決済、ネッティング)の原稿を書いた。
これは法律面からのとりまとめだが、実際はどうなのか(実務面の対応はどうなっているのか)という点を知りたかったので、浦東の環球金融センタービルを訪問し、メガバンクの担当者の方々と情報交換した(有り難うございました)。

集中資金運用は、外貨に付いては2014年6月1日から(匯発[2014]23号)、クロスボーダー人民元に付いては2014年11月1日から(銀発[2014]324号)という事で、始まって間が無い。

法規を見ると、外貨管理局(外貨の場合)、人民銀行(クロスボーダー人民元の場合)共に、許可制ではなく備案制となっており、資格要件さえ満たせば容易に開始できる様に読み取れる(外貨の場合は20営業日、人民元の場合は10営業日で備案完了)。ただ、実際には、政府機関はまだ試験措置として位置付けている事から、備案は困難の様である。

この制度は、資格要件が非常に厳しいので(外貨の場合、前年度の受け払い額が1億米ドル超。人民元の場合、前年度の国内企業の営業収入50億元以上等)、この制度を使用できるのはかなりの大手企業に限定される。その上で、備案(本来の意味は資格要件さえ満たせば審査不要で手続可能)に際して、煩雑な手続きや審査が実施されている状況の様だ。

環球金融センタービル
環球金融センタービル

資金集中運用に関する質問をお受けする際に、よく聞くのが、「ネッティングができるのであれば興味あり」というご意見であるが、ネッティングは可能だ。
ただ、ネッティングの前提となるのは、外貨管理の適切性と十分な書類管理である。つまり、事後審査にはなるが、個々の送金の元となった証憑は、原則として全件審査が行われる。その妥当性が保証できる事が、ネット送金(最低毎月1回の相殺処理が必要)の前提となる。

この意味で、送金回数の減少による手数料セーブ効果はあるし、資金管理の一元化による金利コストの削減効果はあるが、現時点でできない送金が、ネッティングをする事により認められる訳ではない。
更に、管理業務は、ネッティングを行わない場合に比べ、企業側も銀行側も、より煩雑なものになる。
この点を勘案した上で、有資格企業は、当該制度を活用するか否かを決定する必要があると言える。