今晩の隔離飯は秋刀魚の塩焼きだ。日本人が食べたかろうと、日本的な料理を用意してくれたホテルの気遣いに感謝だ。
酒が飲めないのは、不思議なほど気にならないが、日本料理が食べられないのはつらい。これほど日本料理を食べなかったのは、1989年の福建省実務研修生以来だ。
今では福州内に日本料理屋は多数あるが、当時は期待すべくもなかった。1989年7月~1990年2月(7~8か月)は全く日本料理が食べられず、やっと出張が認められた広州で、当時一軒しかなかった日本料理屋に直行し、天蕎麦、とんかつを食べて熱燗を飲んだら涙が出た。一人泣きながら日本料理を食べた26才のあの日であったが、妙に懐かしい。その時以来だろうな、日本料理に執着を覚えるようになったのは。はっきり言って、今日は完全な日本料理ではなかったが、それでも嬉しい。
日曜日で、のんびり執筆に励もうと思ったが、イマイチはかどらず。煮詰まるとkindle unlimitedで偶然発見した、「妻をめとらば」を読んでいた。柳沢きみおの漫画なので、しょうもないといえば、しょうもない。コメディだが、そこはかとない絶望感も有る。そんな難点はあるのだが、僕の新入社員時代に読んだ漫画で、当時のことを思い出しながら楽しんだ。
1987年の漫画なので、僕の入社と同時に始まったもの。そして、主人公も新入社員なので、気分をシンクロしたものだ。
読みながら思ったが、20代の頃、確かに結婚というのは人生最大の関心事だった。同期の連中も、それに必死になっていた。
20代の頃は、実力も地位もなかったけど、選択肢だけは無限にあって、目の前が輝いて見えた。それが、年齢と供にどんどん結果が出て選択肢は減っていく。勿論、20代の自分より、今の自分の方が確実に良い状態なので、決して昔に戻りたくはないが、それでも、あの時の、目の前の空気が澄み切っているような視界を懐かしく思い出す。
若干、感傷的な気分になったが、ともあれ、明々後日には解放だ。青島ビールで乾杯しよう。それが今一番の関心事だ。