これだけ長い講演会だと、レジュメも60~70ページになるので、作成に骨が折れる。
週末恒例のNNAの連載は、「税関特別監督管理区域の科学的な発展を促進する事に関する指導意見(国発[2012]58号)」に付いて解説する。
この指導意見の趣旨は、現在、中国内に設置している数多くの保税開発区(150ヶ所程度ある。特に、輸出加工区が約60ヶ所あり、一番多い)の内、条件が整ったものを総合保税区に変えていこう。
新規に設置する場合は、総合保税区にしようというもの。
現在、保税区、輸出加工区、保税物流園区、保税物流中心、クロスボーダー園区、保税港区、総合保税区という各種の保税区があり、各々異なる機能を持っている。
その為、使用する際、どこが使えて、どこが使えないのかの判別が、よほど専門的な知識を有する人間でないとわからない、という難がある。
種類・機能が統合されるのは良い事だろう。
因みに、制度上、保税港区と総合保税区は、ほとんど同じで、全ての機能を備えた完成された保税開発区、という位置付け(わざわざ呼び名を変えなくてもよいのに、と思えるほどだ)。
尚、数年前より、上海外高橋保税区・保税物流園区、洋山保税港区、浦東空港保税区は、管理が統合され、上海総合保税区となっているが、実際には、個別の保税区域の機能に留まっている。
これがどうなるか、更には、他の保税区域はどうか、という点が今後の興味のポイント。
蛇足になるが、2003年末(9年前)に、保税区に関しては、以下の様な発表(税関関係者の決定)がされている。
① 一部の条件が整った保税区を、今後、「自由貿易港」に発展させていく。
② それ以外の保税区は、輸出加工区などに転換していく。
③ タイムスケジュールとしては、「2006年迄の間に、最初のケースを実現」、「その後、2010年迄に調整を行い、2015年迄に選定された他の保税区を自由貿易港に転換」する。
完成度の高い保税区域を作っていこうという方針はそのまま。
ただ、機能を限定していこう(輸出加工区に転換)という方針は、各保税開発区の機能を多様化していこうという形で変更されたようだ。