たまに出張・会食も入る様になったのだが、それでも大部分は自宅で食事。母親が懐石料理を教えているので、料理は上手と言えるのだが、それでも、3月下旬以降、自宅での食事が続くとたまには変化が欲しくなる。という事で、太田なわのれんに行ってみようと提案する。
明治元年創業の横浜の名店。横浜に引っ越して50年が経過したのだが、それでも行った事がない。やはり行くべきだと思いつく。個室に通される。店名は縄のれんだが、雰囲気は料亭に近い。150年前の縄のれんという事であろう。
前菜が良い。真ん中の団子っぽいのは、チーズと南瓜をすり合わせたもの。手前左は、もずくに、ウズラの卵の黄身が乗っており、この黄身の弾力・舌触りが素晴らしい。椀は鱧とジュンサイだが、鱧に興味がない僕が、初めて鱧を美味しいと思った。
酒の値付けは、全般的に良心的。このルイジャボ(ピノノワール)が7500円程度。
これが名物の牛鍋。これが食べたかった。実は、数年前に、本物の味も分からず、見よう見まねで作った事があるのだが、当然味は違う。江戸赤味噌を使用しているという事で、こんな色がだが辛くない。
両親と自分なので、この分量でも肉がちょっと多いなという感じで、ともあれ、量も味も満足する。
良い気分転換であった。150年前の味はどうだったのだろう。どういう雰囲気で、みんな食べていたのだろうと想像すると、ちょっと面白い。もっと大衆的な店で、味も洗練されていなかったのであろうが・・・
歴史の中で、味もサービスも洗練されていったのであろう。明治元年創業は伊達ではない。