本や資料でいくら読んでも分からないけど、現場に行けばすぐわかる、という事がよくある。中国ビジネスでも、当然そういう事例が多い。
最近体験した一番の実例は、珠海・マカオクロスボーダー工業園区。
これは、事前に貰った資料や、最初に聞いたマカオの貿易投資促進局の説明が悪かったというのも有るのだけれど、税制も外貨管理も違う二箇所の地域に跨る工業区というのは、どういう管理がされているのかさっぱり分からなかった。
これが、現場に行ったら一目瞭然。
真中に川があって、両方の地域は区切られている。
川には橋が掛かっていて、これを渡る時に通関が行われるというのが真相。
こういう事例は幾つも歩けど、かなり昔に「なるほど」と思ったのが、保税区内の事務所。
最近、保税区企業の区外出張所を巡る動きが、改めてあわただしいが、ここで問題になっているのは、以下の点。
? 営業が出来ない出張所(弁事機構)が、営業行為を行なっている。
? 会社の登記地が主たる営業場所である筈なのに、そうなっていない。
では、会社登記地(本社であるべき場所)はどうなっているか、というと、殆どの場合が無人で、机が二つくらいあるだけ、という状況。
ペーパーカンパニーという言葉はよくあるが、物理的なオフィスがあるのでペーパーではないのだが、ちょっとおかしい。何より人がいないのだから。
こういった管理は、外資誘致の為の便宜措置という経緯で出てきた訳なのだが、人が見て、常識におかしいと思う事はおかしい訳で、時間をかければ、普通の管理状況に収束していくのが道理。
今回の、外商投資企業の区外出張所開設を巡る動きの真意がどこにあるかは分からないが、僕個人としては、保税区運営の有り方が意識されている部分があるのではないかと考えている。
長い目でみれば、会社登記地にオフィス(主たる営業場所)がある、という自然な形に誘導されていくのであろう。