ロスタイムが多く、仕事がはかどらない。
その中、最近ご質問が多い、上海自由貿易試験区について、規制緩和状況を書く予定であったが、(早めに到着した)レストランで無線インターネットが繋がらず。
携帯でアップすることに限界を感じ、今日は断念。
とりあえず、週末のアップということで。
ともあれ、市場選定を行う際には、市場の成長性は大きなポイントになるため、報道の誘導的な記載は参考程度にとどめ、数字をしっかりと把握する必要がある。
因みに、最近、中国・ASEAN投資環境に関する文章を書く機会が多くなり、JETROのHPをよく参照する。
JETROを持ち上げる訳ではないが、以下のレポートには、知りたい数字が非常によくまとめられており、こんな情報を無料で提供するのは、たいしたものだと感心する。
アジア・オセアニア・欧州の主要都市における投資コスト比較
また、6月9日に、JETROが香港で、中国の日系企業実態調査(2013年)に関する講演を開くのだが、それに際して、僕にも簡単なスピーチをしてほしいという依頼が有ったので、レポート(中国の日系企業実態調査・2013年))を眺めていた。
これも、価値のある調査報告である。
これによると、調査企業1,411社(有効回答940社)の数字は以下の通りの様である。
① 黒字企業
大企業67.7%(均衡を加えれば80.1%)
中小企業48%(均衡を加えれば74.9%)
つまり、赤字企業は、大企業19.9%・中小企業25.1%
尚、製造業と非製造業別では、業種によってばらつきはあるものの、全体を纏めてみれば、黒字・赤字比率に大きな違い無し(製造業の赤字比率21.1%・非製造業の赤字比率22.9%)
② 今後の事業展開
今後、1~2年の事業展開方針に付いては、拡大する(54.2%)、現状維持(39.5%)、縮小(5.0%)、第三国への移転・撤退(1.2%)となっている。
以上の通り、拡大方針が最も多く、現状維持を加えると93.7%
縮小・撤退・第三国への移転方針の合計は、前年度比0.5%の増加。
縮小・撤退方針の理由のトップは、コストの上昇。
この数字を見た印象は、やはり報道とはずいぶん違う。
黒字比率が80.1%(大企業・均衡を加えた数字)であり、今後、1~2年での拡大方針が54.2%(現状維持を加えると93.7%)という数字は、ここ1~2年の報道とは真逆の印象を与える。
一言でいうと、かなり良い数字である。
企業運営には、リスクヘッジは必要であるし、また、中国にポリティカルリスク(日中関係を始めとして)が存在する事は確かであるため、リスク分散の形で中国プラスワンというのは、極めて妥当な判断だと思う。
また、限りのある資金、社内の人的資源の配分を考えると、伸びしろのある地域(新興国等)に振り分けるのも妥当である。
ただ、企業利益の確保の為に、適切な現状認識は必要であり、方針決定のためには、計数に基づいた実態把握が、極めて重要である。
僕自身、沖縄に行くのは初めて。
前から興味が有ったが、仕事がなく、行く機会が無かった。
唯一、1997年に搭乗機が香港に着陸できず、沖縄に避難した事が有ったが、この時は、機内から一歩も外に出られなかったので、カウントからは外れるであろう。
思い起こせば、コンサルティングを開始するまで、日本国内出張の機会は皆無であった。
財務・経理畑を歩いてきたが、本社勤めの際の所属は、輸出為替課と海外経理のみ。
海外出張の機会はあったが、日本出張の機会は全くなく、機会の有る同期がうらやましかった。
また、旅行もあまりしないので、日本に限定して言えば、2004年まで本州を出たことが無かった。
初の本州外訪問は、2004年の九州(香港貿易発展局主催講演会)。
次に、2010年の北海道出張。2012年の四国(香川県自治体主催講演会)と、徐々に機会が生まれ、今回は社員旅行で初の沖縄。
こんな感じで、徐々に、日本構内の訪問場所を増やしていく事が楽しい。
来年の社員旅行は、四国に決まるといいのだが・・・
高知に行って、刺身と日本酒を楽しみたい。
ただ、社員投票で決めると明言した以上、社長の一存では決められない。
ただ、可能性がある反面、問題も多い点は、認識する必要がある。
例えば、多発する労働争議と人件費の高騰、インフラ整備の立ち遅れ、汚職などである。
これを踏まえると、日本企業(製造業)の進出に関して言えば、加工貿易モデルには適さない。
インドネシア市場を狙った進出(一定割合の国内販売を想定したケース)を想定すべきと言えよう。
以下、インドネシアの視察で感じた点。
① 人件費・労働争議
JETROの調査では、2012年の中国の人件費水準がUS$ 328/月。インドネシアがUS$ 229/月となっており、これに基づけば中国の7割程度の人件費水準である。
ただ、人件費上昇率(2013年)が、中国では9.4%であるのに対して、インドネシアは17%とベトナム(17.5%)とならんで高い。
インドネシア訪問先で、どの企業の方も口を揃えて言っていたのが(ベトナムでも同様の声を多々聴くが)、多発する労働争議と、3年で給料が2倍になる(なった)という、人件費伸び率の高さである。
インドネシアに行くと、出会う人々が非常に穏やかに思えるが、「集団になると全く違う」との事(駐在員の方の発言)。訪問した現地法人社長の方は、就任半年でデモに遭い、逃げ遅れた部下数名が2日間工場に軟禁されたので、数日間は過ごせる用意(食品・水など)は会社に常備していると言われていた。
尚、机上論に過ぎないが(単純化した仮定による計算)だが、2013年の人件費の上昇率が双方で続くと仮定すれば、計算上は2017年には、インドネシアの人件費は中国と並び、2018年には追い越す事になる。
実際には、これほど単純な問題ではないが、何れにしても、成長過程にある国のコスト上昇率は高いのが通常で、現状のコストのみを前提として、計画を立てるできではない。
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交通渋滞
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② インフラ
スハルト退任後の民主化で、土地接収が難しくなった事も有る様で、工業団地、道路、港湾の整備がなかなか進まない。
交通渋滞は非常に深刻で、全く動かない交通渋滞がジャカルタ名物と言われるほど。
港はキャパ一杯の状況で、通関に極めて時間がかかる(2022年の完成を目標として、新港建設計画あり)。
工業用地の価格も平米US$ 200程度であり、中国沿海部の倍近い状況。
この様に、インフラの整備に問題が有る事より、納期がタイトなビジネスモデルにはなかなか向かない。
因みに、ベトナムを訪問した時の印象は、インフラ整備の立ち遅れ。
インドネシアも類似した点があるが、相対比較すれば、過去の蓄積が有る分、インドネシアの方が整備されている印象。
③ その他、
話題にのぼったのが汚職。そして、(中国と相対比較した際の)部材調達の難しさである。
また、税務調査も比較的厳しく、日本への利益還元も重要な調査対象となっている(例えば、ロイヤルティの対外送金に関しては、1~2%の水準を超えると税務調査が厳しくなる)。
この点は、ASEANに共通する問題と言えるかもしれない。
以上、問題となる点を列記したので、投資環境が悪いという印象を持たれるかもしれないが、個人的な見解としては、上述した通り、他のASEAN地域に比べるとバランスがよく、興味ある投資先、というものである。
この1~2年、政治リスクを理由として、中国からASEANに目が向く傾向があるが、どの国にも固有の問題点があり(特に、インフラ整備、労働争議、部材調達の困難、汚職など)、この国に行けば理想が実現する、という様な場所はないと考えた方がよい。
なんだかんだ言っても、中国の投資環境は、インフラ、産業集積、人的水準、市場等の各方面から考えて、やはり条件が良い。まず、これを認識する必要がある。
その上で、多国展開をする際には、市場、コスト、産業集積、輸送等の各方面を分析した上で、ビジネスプランを立てる必要があると言えよう。
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たぬき豆腐(下が完成)
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今日は、通常業務を開始したのが16時半であったため、仕事が終わったのは21時であった。
それから、自分でたぬき豆腐を作って酒を飲む。
今日の夕食はたぬき豆腐と豚汁だけ。
たぬき豆腐と言えば、僕が大学時代、有楽町のガード下で食べ、目からうろこが落ちた料理。
簡易揚げ出し豆腐とでもいうのであろうか。
豆腐を天かすと煮込んだ料理で、初めて食べた時は、一人で3皿くらい食べた記憶がある。
まさに、止まらなくなった感じ。
ただ、しばらくガード下に行かないうちにバブル景気となり、気付いたら、どの店からもたぬき豆腐が姿を消していた。
おそらく、安くてあまり儲けにならない料理だからであろう。
ただ、あの時の味が忘れられず、何度も自分で作ってみたが、簡単な料理の割に、なかなかうまくいかない。
数年かかって、それなりに満足できる出来栄えになった。
見てくれが悪いので、写真を載せるのがはばかられるが、味はまずまずだ
(僕の料理の基準に基づく判定であり、人に食べさせるのは、ちょっとはばかられる)。
ちなみに、こういう感じの自分の料理をアップすると、毎回、身内(社員)から「水野さん、不味そうだから、載せるのやめた方がいいですよ」と言われる。
話変わって。
今日は朝一番でイミグレに行き、ID関係の手続。
それが終わると、ATMカード再発行の手続をするために銀行に行く。
ところが、列が遅々として進まず、会食に間に合わなくなりそうなので、午前中の手続は断念。
クライアントの方との会食場所(パシフィックプレース)に移動する。
ビジネスランチセットを頼むと、寿司+ビーフステーキ+ご飯+味噌汁+サラダ+デザートと盛りだくさん。
寿司とご飯を食べたので、どんぶり一杯分の米は食べた事になろうか。
昨日は、ダイエットのため、スープ、豆腐、雑炊程度しか食べておらず(おかげで約1Kg体重が落ちていた)、会食開始時には極度の空腹だったので、食事量をコントロールする余裕なく、デザート以外は完食した。
豪華な昼食で満足した。
今日の夜は、豆腐2丁だ。
会食後は、銀行に戻り、待つこと45分。
やっと順番が回ってきたら、「カードの交換は、受付で申請フォームを書くのですよ」と言われ、「ここで手続できないんですか(もう45分並んでるぞ)!?」と思い詰めた顔をして言ったら、その場で手続をしてくれ、申請書も代わりに書いてくれた。
親切な人だ&言ってみるものだ。
銀行手続が終わるとオフィスに。
サインをいくつかして、家に戻り、インターネットのトラブル対応。
引っ越し手続はしたものの、いざ、引っ越し先で使おうとすると使えない。
既に、2回電話をかけ、英語(1回)、北京語(1回)で、やいのやいのと言ったものの、らちが明かない。
外国語でのコミュニケーションに限界を感じ、丸紅香港時代の同僚(香港人)に助けを求め、家まで来てもらった。
元同僚は、「こういった事は、香港人でも一苦労なんだよね」といいつつ、1時間、電話で交渉したり、住居の管理人に掛け合ったりしてくれた。
結果的には、原因が分からないので、明日技術者を派遣する、という事で方が付いたが、この様な簡単な結末にたどり着くまで1時間の議論、交渉が必要だった。
彼がいなかったら(英語、北京語での会話であったら)、もっと大変だったろう。
現在、香港オフィスには香港人がいないのだが(全員、永久居民証を持った日本人)、特に、総務事項に関しては、香港人の必要性を感じた一件であった。
そんな事をしていると、既に16時。
これから、やっとクライアントの方の質問に対応できる。
総務作業に追われた1日であった。
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JALの機内食(今回は和食)
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昨夜23時に香港到着。
いつもは、香港に到着すればほっとし、上海に到着すれば気合が入り、日本に到着すれば嬉しいと、どこに着いても前向きな気分がするのだが、日本での一週間強の滞在が、あまりに平和だったため、帰任があまりうれしくない。
とは言え、気持ちを切り替えて、明日から仕事だ。
今日は、引っ越ししたてで(3泊しただけで2週間部屋を空けていた)、部屋に不足しているものが多いため、取りあえず、イオンで買い出しだ。
尚、昨日は、機内で日本酒を飲み、機内食は日本食。
日本滞在中に、体重が増えてしまったので、1.5Kgほど落とさなくてはならない。
JALの機内食は、洋食の方が明らかに豪華感があるが、カロリーを気にして日本食に。
いい感じにカロリー控えめな食事であった。
因みに、今日は、朝抜き、昼おかゆ、夜は豆腐主体。
自炊は、カロリーコントロールが容易で有りがたい。
更に、自分で作る食事は、さほど美味しくないので、食べ過ぎない。
これは、自慢してよいのかどうかわからないが。
ともあれ「年次検査廃止」という点が話題になり、報道されているが、今年3月1日からの制度変更は年次報告への変更であり、適切な情報開示を行わなかった場合は、この様な罰則が付いて回る。
企業集団のトップが法定代表になるケースも多いが、この様なリスクも伴う事は、認識が必要である
蛇足ながら、外資企業の清算などを請け負うと、董事の変更が忘れられており、既に退職して久しい方の名義が、董事としての登記に残っている様な事例が少なくない。
悪意が無くても、この様なミスが頻繁に起こるのが実務であり、この点、企業としての管理の撤退が必要になるであろう。
何しろ法律上は、年次報告をしない。住所に連絡が取れないとブラックリストに載ってしまい、3年継続すると、永久に出資者・法定代表人が、ブラックリストに掲載される事になっている。