兄弟船のラーメンと3軒のはしご

兄弟船の塩ラーメン

1月7日(金)の朝9時から東莞の定期交流会(来料独資転換)に参加する必要があったので、前夜広州に到着。
思えば、広州は、日帰りが多かったので、宿泊するのは久しぶりだ。

寒いので、出るのが面倒だなあと思い、15分程どこで夕食を食べるか(ホテル内で食べるか)悩んだが、意を決して兄弟船に行く。

兄弟船では、タコぶつ・キムチチャーシューを食べ、評判のラーメンを食べる。

その後、挨拶がてらゆるりに(2F⇒1F)。
その後、はなだんごに(1F⇒2Fの裏)。

久々なので、一夜で同じ建物内で3軒回ってしまった。
串カツを始めたというので、ウィンナーと半熟卵を頼む。
これはなかなか良い試みだ。

そんなこんなで食べていたら、近所の猫が来たので可愛がる。

早寝の筈が、かなりの夜更かしになってしまった。

独立してからの感覚の変化

2年前に起業した時、銀行融資は受けられなかったので、自分の手持ち資金と共同経営者の方に出して頂いた資金で2千万円準備して会社を始めた。
退職金が280万円で、会社からの住宅ローン返済資金にも満たなかったので、準備できる資金はこれが限界だった。
それを大雑把に言うと、香港に500万円、上海、広州、チェイスに500万円づつ配分して(子会社の社長に管理を任せて)会社運営を始めた。

各々、500万円の資金が尽きたらゲームオーバー。
誰も助けてくれない。
個人経営会社なら誰もがやっている事だが、シビアな世界だ。

その為、交際費を使うのも、ホテルのランクを上げるのも、会社員だった頃とは感覚が違う。
5千円のホテルではなく2万円のホテルにするというのは、とりも直さず稼ぐノルマが1.5万円上がるという事で、それができる確信があって初めてできる。
交際費を使うのも、良いホテルに泊まるのも、身銭を切るのと感覚は全く同じで、会社の経費だから楽だという気持はまったくない。
心地よい生活は、与えられるものではなく勝ち取るものだ。

そんな感覚があるから、前と同じ水準のホテルに泊まれる様になったのが、一層嬉しく感じるわけだ。
今から思うと、2ヶ月間スターバックスのコーヒーも飲めず、夕食HK$ 28で食べた吉野家の牛丼が高いと感じたあの頃が懐かしい。
二度と経験したくはないが・・・

他人の著作を読もうと思う

僕は、時間が空いている時は、何時も本を読んでいないと気が済まないタイプで、堅苦しくない本を、膨大に読み流す。
日本出張の度に、本屋を廻るのだが、本屋によって傾向があり、僕と相性が合っている場合(読みたい本がたくさんある場合)と、あっていない場合がある。
先日、新富士駅のキオスクで、限られた本の中で、読みたい本が溢れているので驚いた。
思わず、そのキオスクの本の調達責任者と会いたくなったくらいだ。
また、先日、日本橋で30分時間が空いた時、ふと飛び込んだ、コレド室町の本屋で、どこで探しても無かった、倉知淳の推理小説、猫丸先輩(2冊既に読んでいて、あと3冊を探していた)が2冊有って嬉しかった。

肩の凝らない本は、こんな形で絶えず読んでいるが、本業の専門書は、思い返せばここ数年、他の方の書いたものを読んでいない。
自分で分かっているだろうという意識が有ったのであろうが、人の専門はそれぞれ違うし、自分で思い違いをしている事もあるかも知れない。
人の蓄積を吸収するのは重要な事だ(世阿弥の言葉に耳を傾けよう)。

という事で、久々に、近藤義雄会計士の書いた増値税の本を買って読む事にした。
近藤義雄会計士は、僕が最初の本を書くにあたって、目標とした方だ。
昨日、30ページほど読んだが、なかなかおもしろかった。
やはり、同じ事でも、僕とは違う目線でとらえてあるので、考え方の整理に役に立つ。

あと、ちょっと前の話だが、友人の劉新宇弁護士(金杜弁護士事務所:King&Wood)から献本を頂いた(中国赴任者の為の法務相談事例集:商事法務)。
また、韓晏元弁護士(潤明法律事務所)・奥北氏(伊藤忠丸紅鉄鋼)からご挨拶と献本を頂いた(中国ビジネス実務債権管理・保全・回収:第一法規)。

増値税の本が終わったら、こちらも読んでみよう。


ブランクは恐ろしい

現在、1月7日のJETRO主催講演会(東莞)のレジュメ作成中。
JETROと東莞市の来料加工廠外資企業転換に関する定期交流会に引き続き、講演を行うもの。
定期交流会で出た話題(東莞市政府との質疑応答)の紹介と解説も、即興(?)で行う予定。

ただ、たかが2日日間仕事を休んだだけなのに、レジュメ作成が進まない。
いつもはすらすら出てくる文章が書けない、仕事をするのが辛い(苦しいという感じ)。

2日間の休息で、若干、精神的には楽になったが、その一方、てき面にこんな反動があるものだ。
怖い怖い。

ともあれ、明日(4日)レジュメ提出なので、しばしもがき苦しむ予定。

活動開始

1月1日・2日は、努力して(?)怠ける事にした。
一人で部屋にいる時、ついつい仕事をしたり、執筆してしまう。
長い間、完全に仕事から意識を外す事がなかったので、緊張が徐々に溜まっている様な気がする。

そんな訳で、2日間は、PCも開けない、走りもしない、部屋から一歩も出ない、仕事関係の本も読まない、という事で、ストレスを感じる事を一切しない事にした。
半日寝て、推理小説を読んで、DVDを見る。
そんな感じで過ごした。

これだけでも随分違う。
2日間は、仕事のE-mailが一本も来なかったのもよかった。

今日からぼちぼち活動開始だ。

石の上にも三年だ

「今の仕事にやりがいが無い」とか、「こんな事をする為に会社に入ったんじゃない」というセリフを吐く若者は多いだろうが、それを嘆く年輩の人自身が、若い頃、そんなセリフを吐いた筈だ。
僕も言った。

気分は炎熱商人か不毛地帯、という感じで入社すると(当時、不毛地帯は読んでいなかったが)、待っていたのは、船積書類の間違い探しで、来る日も来る日も、膨大な書類のスペルミスのチェックやホチキス止めだ。
おまけに、当時の上司は癖が有り(もう転職したが)、失敗すると、坊主頭にさせられた。

経理に配属されると、役員会資料や部長説明資料作りで、売上や利益の一覧表を作って、増減説明やレイアウト、四捨五入にやっきになった。
隣の課の表は太線なのに、こっちが二重線だと、「なぜ合わせない!」と怒鳴られ、○○現地法人の利益が伸びたのは何故と聞かれ、食料部のジュースだと答えると、「何ジュースだ?」と質問され、答えられなくて青くなったりした。

その時、同僚とこぼした愚痴が、「会社の中で、誰かがやらなければいけない仕事なのは分かるが、何で自分が!?」というもので、こんな事やっていても、何も将来の知識が学べないという焦りだった。

ただ、振り返ってみると、そうした一見意味のない仕事の中で、仕事の進め方、意思疎通の仕方、組織の考えが体得できた。
また、仕事の中で興味を持って、本業の会計・税務は勿論の事、経済学、財務分析等の本を読んで、会社の中に溢れているサンプルで試して学ぶ事もできた。

こんな感じで、石の上にも三年というか、最低十年くらい我慢して続けることで、知らないうちに会得する事がある筈だ。
これは、スポーツ選手が、腕立て伏せや腹筋を続ける様なもの。

そんな訳で、今の仕事が面白くないと言って、転職を続けると、結局、何も身に付けられない可能性がある。
中国で人材採用をしていると、1年毎に転職を繰り返し、その豊富な職種を売りにしている若者を見かけるが、やはり、我慢から学ぶ事も必要だと思う。
古めかしい発言かもしれないが、人間我慢も必要だ。

博多道場でもつ鍋を食べる

辛子レンコンと揚げだし豆腐

歓送迎会があったので、博多道場を予約する。
最近、博多道場と吉によく行く。

まずは、辛子レンコンと揚げだし豆腐を頼む。
辛子レンコンと言うと、食中毒で死者が出たイメージが強いのだけど、7歳年下の人は知らなかった。
インターネット検索してみると、1980年代にそういう事があった、というだけの様で、現在特に問題はないようだ。
認識を新たにすると共に、ジェネレーションギャップを感じる。

胡椒手羽先と揚げだし豆腐

胡椒味の手羽先と餃子。
胡椒味の手羽先は、「いくら胡椒味といってもかけすぎだろう!」と見た時は思ったが、食べですと病みつきになる味。
餃子は手堅い美味しさ。

もつ鍋

博多道場と吉が同じビルにあるので、どちらのもつ鍋が美味しい、という話が香港居住の日本人の間でよく語られるのであるが、先日の福岡出身の方は、「吉の味が本物です」と言っていた。
香港人の人は、「博多道場が美味しい」と言っていた。
因みに僕は、どちらも美味しく食べた。
最後に、五島うどんを食べてしめ。

久保田千寿を飲み、他の料理もいくつか食べたが、3人で HK$ 1500とお得であった。

敬語やら一般常識やら

敬語もそうだが、一般常識というのはやっかいだ。
知らなければ気にならない事が(当たり前だが)、知った途端気になってしかたがなかったりする。

かなり昔の事だが、入社数日目に社内電話を取り、課の担当者(僕の先輩。仮称山田さん)が在席か問われた時、「山田さんは、もうすぐ戻ってこられると思います」と言ったら、「馬鹿野郎。身内に敬語を使うな!山田はすぐ戻って参りますだろう!」と怒鳴られた。
そう言えば教科書で習ったな、と思ったが、慣れない敬語で意識が回らなかった。

若いうちにそんな事があると、もう同じ間違いはしなくなるが、30才を越えると、誰も注意してくれなくなる。
実際、30~40才を越えても身内に敬語を使っている人は、正しい用法だと確信している訳だろうが、聞いている方が、「この人は用法を知らないだけだな」、と聞き流してくれればよいが、往々にして、相手はいらいらしている。
「こっちを馬鹿にしているのか」と思っていたりすると、今後の関係に影響がある。
こんな感じで、敬語や一般常識というのは怖い。

ただ、世にあふれる一般常識を、全て習得しているというのはあり得ないので、誰しも(僕自身も)、色々と勘違いをしている事がある筈だ。
そう考えると怖い。
一般常識の本を買おうかと考えたりもするのだが、それを読んで、自分の間違いを、今さらながらに思い知るのは怖い。

若いうちに、叱ってくれる人に感謝せねばならない。
因みに、僕を一喝してくれた人は、嫌味がなく若手を叱り飛ばせる良い先輩だった。

改めて考えると大感謝

1年半ほど前、東京で講演会を開いたら、その時配布した、主催者のアンケート用紙に、一ヶ所タイプミスがあったようだ。
講演会後に回収したら、百数十人の参加者の中で、3名だけ、(ミスタイプした)質問を手書き修正した上で、回答を書いている方がいた。
その3名が、全員丸紅の社員だったので、主催者の方が面白がっていた。
何しろ、何十社という企業の中で、丸紅社員だけだ。

丸紅というと、伊藤忠に続いて大酒のみという、世間的なイメージがあろうが(これはこれで正しいが)、こういう実務面の細かさもある。
これは、良し悪しの問題ではなく、傾向の問題だが。
面白いものだ。

ともあれ、僕は、コンサルティングという、ノウハウを売り物にするビジネスをしている訳だが、その基礎、つまり、考え方、仕事の進め方、意思疎通の仕方などは、(自分で学んだ部分もあるのだが)基本的には丸紅という会社で身に付けた。
大企業で仕事をする事と、中小企業で仕事をする事、はたまた自分で会社を興して仕事をする事の良し悪しは、色々あって一概には言えない。
ただ、少なくとも大企業の場合、組織に歴史的に蓄積されたノウハウがあるので、それが学べる事、電話の取り方、報告書の書き方、挨拶の仕方から始まるビジネスマナーを学べる事(叩き込まれる、と言った方がよい)等が良い事だ。

あと、コンサルティングの場合に圧倒的に良かったのは、場数を踏める事。
医者でも弁護士でも、経験がある人間(それで、且つ評価を得ている人間)が信頼される。
ただ、信頼される様になるまでは、数々の失敗が有った事であろう。
よって、誰しも新米に担当されたくないものである。
この様な場数が、組織の中で踏め、且つ、失敗しそうになると、組織(上司・同僚)が牽制してくれる。
そんな訳で、大きな失敗に到る事なく、たくさんの場数が踏めたこと(影響の無い失敗をさせてくれた事、と言った方がよいか)が、いまの肥やしになっている。

考えてみれば、22年間、丸紅という会社が、ノウハウを身に付けさせてくれ、いろんな経験もさせてくれ、語学も学ばせてくれ、比較的自由に行動させてくれ、少なからぬお金(給料)までくれたわけだ。
更に、今では、顧客になってくれるだけでなく、新規の顧客・提携先を紹介してくれたり、はたまた行く先々で、ホテルを取ってくれたり、飲み相手にもなってくれる。

深く考えた事は無かったが、改めて考えると、僕自身は、損得勘定において、かなりの得をしている事になる。
そう考えると大感謝だなあ、と今更ながらに思った次第。

琴乃富士でちゃんこ鍋

そっぷちゃんこ鍋

ちょっと前の話であるが、飯田橋でちゃんこ鍋を食べた。
一緒に食事をした元同僚の桑田君は、ラグビー選手で入社時に100Kあった巨漢で、小学校時代に春日野部屋にスカウトされた事もあったようだ。
新入社員の秋に、千葉の鹿野山で新入社員集合研修を開いた時、グループ対抗宴会芸をやった事があり、桑田君のグループは、逆人間ピラミッドというのをやっていた。
これは、体が小さく軽量の人間が一番下に並び、一段上に行く毎に大きい人間になり、最後に(5段くらいあった)、桑田君が、上に飛び乗って、全員を押しつぶすという力技の芸で、如何にも商社的、体育会系であるが、すさまじく印象に残っている。

琴乃富士は、よく宿泊した飯田橋アグネスホテルの裏。
インターネットで見つけた店。
こじんまりした店だが満席だったので、僕でも窮屈だったが、桑田君は座るのがかなり苦しそうであった。
いつもの様にブラックベリーで写真を撮っていたのだが、途中で調子が悪くなり、写真が格納できなくなってしまった。
よって、付き出し、あわびの刺身、自家製カラスミ、鳥もつ煮の写真がアップできず。
使い勝手には大変満足しているブラックベリーだが、壊れやすいのが難点だ。

全般的に、当たり前の物が美味しい店だ。
付きだしの豆腐とか、鳥もつとか、そういった普通の素材が、たいそうあっさりした味付けにも拘らず、重みがある。
親方は、前頭5枚目まで上がった人の様であるが、確かに、相撲部屋の技が感じられる味。

そんな訳で、同席者に取ってもらった「そっぷちゃんこ(塩味)」の写真。
最後のラーメンが、あっさりした塩ラーメンの様で美味しく食べすぎた。


これがオーナー琴乃富士親方、

中国ビジネスコンサルタント水野真澄のブログ