西田元中国総代表の思い出

元丸紅中国総代表、専務取締役の西田健一氏が逝去されたとの連絡があった。

西田元専務とは、直接の上下関係になった事はなかったが、同時期に中国・香港で仕事をさせて頂いたし、コンサルティングを始めてからも、随分温かく見守って頂き、サポートして頂いた。
その時の印象は、男気があり潔い方。
そして、責任から逃げない方であった。

まだまだご活躍頂きたい方だっただけに残念だ。

小さな事ながら覚えているのは、2001年のアモイ投資商談会の事。
当時アモイ所長を兼務していた僕は、社有車で西田元総代表と二人で移動していた。

その際突然、「丸紅香港で保有している社宅5件の購入は俺の判断ミスだ。申し訳ない。香港の中国返還前の不動産の値上がりがあまりに激しくてリスクヘッジのために購入したが、その後、値段が下がってしまった」と謝られた。

その物件は、当時含み損が有ったので、経理部長として丸紅香港の決算を管理していた立場の僕に対しての言葉だったのか、その内の1件に当時僕は住んでいて、(5件とも水準が落ちる物件なので)「出たいのに出れずに割食ってる」と盛んに僕が文句を言っていたのが耳に入ったのか。

ただ、専務取締役が、30代の僕に唐突に謝ったのは驚いた、


その後、2003年終盤より香港の景気が急速に回復し、不動産価格も上昇。
その物件売却時には随分利益が出た。
もう1~2年待ったら、随分な利益になったろう。

そんな報告を、当時大阪に戻られていた西田元専務にしたら、「そうか!」と嬉しそうに笑われていた。

潔く、私がなく、周りの人に対するレスペクトがある。
酒をよく飲み、人々から愛される。

傑出した人物だった。

繰り返し残念。

ご冥福をお祈り致します。