昨日の事。
香港で打合せを終わらすと、午後5時半の飛行機で上海に移動した。
前日飛行機を降りたのが夜7時だったので、24時間足らずでまた飛行機だ。
移動が多い・・・
空港の免税ショップで酒を買おうとしていると、ティチャーズというウィスキーがあった。
これは懐かしいウィスキーだ。
丸紅が昔日本で取り扱っていたので、会社での宴会で出されるウィスキーは、全てティーチャーズだ。
当時、輸入ウィスキーがまだ希少価値があった時代(サントリーオールドが一本2,800円の時に、ホワイトホースが4,300円だった気がする)。
輸入もののウィスキーが飲めるというだけで、内定時代の僕たちは、「商社に決まって良かったぁ」と大喜びであった(単純な学生たちだ)。
人事部の人たちも、「このウィスキーは英国で一番売れてるんですよ」とか言うので、内定学生たちは更に大喜びであったが、外で飲もうとすると、なかなか売っていない。
新入社員の時の課の課長代理は、「金は使わないが気は遣う」というのを信条にしていた人間で、部下の結婚式は、当然の様に、ビールはサッポロ、ウィスキーはティーチャーズで統一する事を命令していた。
当時結婚式を挙げた社員は、「サッポロビールは問題ないけど、ティーチャーズ披露宴に置いてもらうの大変なんだよ・・・」と嘆いていた。
入社から半年たつと、新入社員達も世の中が分かってきて、「どうも、ティーチャーズってのは、日本でいうところのトリスとか、サントリー赤ラベル(良くて白ラベル)の位置付けらしいぞ」とささやき出す。
まあ、現実は分からずじまいであったが。
それから二十数年が経過して、空港で偶然ティーチャーズを見つけたので思わず写真を撮ってしまった。
一本HK$ 120(1,250円程度)。
あんなに感動して飲んでいた当時の自分たちが、妙にかわいらしく思えたものであった。