組織の秩序は無視できない

組織の秩序には従わなくてはいけない。
僕らしくない言葉だと思われるかもしれないが、組織の中で生きるのであれば、これは忘れてはならない。

今月で僕も48才になるし、それなりに経験も積んできたので、若手(20~30代)から人生相談を受ける事も多くなってきた。
また、過去に僕の歩んできた様な道を、まさに今歩いている人たちもいる。
そんな若者たちを応援したいが、若干、先輩ぶって言えば、会社員でありながら、かつての僕と同じ行動を取れば、会社を辞める事になるのは必然、と思った方が良い。

社内で一定のポジションを得ていれば(特に、家族があれば)、会社を辞める事を望む人間は少ないし、人から「君は将来、会社を辞める事になるよ」と言われても、「僕は社内でも評価されているので大丈夫です」と答えるであろう。
かつての僕もそうだった。

ただ、どんな会社でも、自分の存在を対外的に発信し続ける限り、会社に居続ける事は難しい。
そして、対外発信を行う意志を持つのであれば、会社を去る事が不本意でも、それは自分で選んだ道だ。
会社を辞める時、会社を恨んだり、自分の不運を嘆いてはいけない。

僕の歩んできた道というのは、自分の個性を社外に発信する道だ。
一方、組織の論理は、組織単位で力を発揮する事を前提に組み立てられている。
組織というものは、組織秩序の維持を前提とした自浄作用を持っているので、組織を最優先しない(自分の存在を抑えられない)分子をはじき出す。

はじかれる本人は、「自分の行動は会社(組織)の為になっている」と思うかもしれないし、それはその通りかもしれない。
また、その人間がいなくなる事で、組織全体の力が落ちるかもしれない。
ただ、組織の自浄作用からみると、それは異なる論理になる訳で、その人間を組織に置き続ける必然にはならない。

結局、個人の生き方として、「組織の秩序を尊重するか」、「自分の意思を尊重するか」が大きく分かれるであろうが、会社に残る選ぶのであれば、組織の論理に従うのが必然となる。
悔しい事があっても、組織経由の自己表現を優先させるのが会社員の美学である。


ただ、会社に留まるのと会社を離れて独立するのの、どちらが良いかは一概には言えない。
自分は何がやりたいか、どう生きたいかによって変わってくる問題だ。

僕は、自分の気持に従って起業したし、結果として生き残ったので、自分の判断に満足している。
会社員時代は、定年まで会社勤めをして、それから起業するのが希望だったので、辞める事になった時、自分は不幸だと思った。
ただ、今、振り返ると、ベストのタイミングで辞めた事が分かる。
会社を立ち上げるには、爆発的なパワーが必要だ。
定年まで勤め、安定した老後を手に入れてからでは、会社の立ち上げに必要な爆発力は発揮できない。

勿論、これは僕の価値基準。
会社に留まる事に重きを置く人がいるのは当然だし、その中で実力を発揮する気概があれば、それも素晴らしい選択だ。

ただ、どちらの道を選ぶにしても、覚悟が必要だ。
会社に留まるのも覚悟。独立するのも覚悟。
どちらも甘い道ではない。

何れにせよ、自分の存在を組織外にアピールするのであれば、会社を辞める覚悟でやるべきだ。
その覚悟があるのであれば、どんどんやって自分の価値を高めていけばよい。
覚悟があれば、支えてくれる人は必ず現れる。

若干の先輩としての、後輩に対するアドバイスだ。

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