先日、香港の若者から、「前から不思議なのだけど、ヤクルト(香港では益力多)は、なんで上海に行くと養楽多なのでしょうか」と聞かれた。
彼は、毎日ヤクルトを飲む習慣で、上海出張時はコンビニで購入して飲むそうだが、最初は、名称が違うので、同一品かどうか確信が持てなかったそうだ。
そこで、「益力多は、元の日本語はヤクルトだ。益力多を広東語で読むとヤッレイト(音が似ている)が、北京語で読むと、イーリートーなので、全然音が似てないでしょ。だから、音が似ている養楽多(ヤンルートー)に、表記を変えているのだと思うよ」と解説した。
しかし、(名称の話はさておいて)彼の様にヤクルトという元の日本語名を知らない香港人が、益力多という現地名称は、当たり前の様に知っていて、出張先でも飲んでいる。
中国市場でのヤクルトの定着ぶりが分かる逸話である。
彼は、毎日ヤクルトを飲む習慣で、上海出張時はコンビニで購入して飲むそうだが、最初は、名称が違うので、同一品かどうか確信が持てなかったそうだ。
そこで、「益力多は、元の日本語はヤクルトだ。益力多を広東語で読むとヤッレイト(音が似ている)が、北京語で読むと、イーリートーなので、全然音が似てないでしょ。だから、音が似ている養楽多(ヤンルートー)に、表記を変えているのだと思うよ」と解説した。
しかし、(名称の話はさておいて)彼の様にヤクルトという元の日本語名を知らない香港人が、益力多という現地名称は、当たり前の様に知っていて、出張先でも飲んでいる。
中国市場でのヤクルトの定着ぶりが分かる逸話である。
名称の話に戻るが、類似の話はたくさんある。
類似というか、広東語発音で決めた漢字が、そのまま中国本土や台湾で固定してしまった例だが。
僕が、1988年に台湾で語学研修している頃、ピザハットが必勝客だったり、マクドナルドが麦当労であったりする事が、不思議で仕方がなかった。
その後、香港出張した時に、必勝客を広東語で読むと、ピッシャハッとなり(北京語だとピーションカー)、麦当労を広東語で読むと、マックダンロー(北京語だと、マイダンラオ)であることを知り合点がいった。
広東語で発音してみると、原音(英語)によく似ている(少なくとも、日本語の翻訳よりは、原音に近い)。
やはり、当時の香港は英国領だった事もあり、欧米企業としては、香港を軸とした中華圏展開がやりやすかったのだろう。
1980年代、中国本土にマクドナルドは無かったので、福建省で研修している頃(1989年)、香港に行ってマクドナルドのハンバーガーを食べるのが楽しみだった。
バブルで同期入社の社員が派手な生活を送っている頃、僕は中国研修で、食べたいものも食べられず、香港出張時のマクドナルドや茶餐庁のワンタンメンで欣喜雀躍していた。
福州のホテル住まいだった僕は、日本から郵送してもらった蕎麦を、携帯用ラーメンポットで茹でて、洗面所の水道水で冷やして食べるのが楽しみの一つ、という生活を送っていたので、それももっともではあるが。
因みに、マクドナルド第一号店は、1990年の深センだった筈。
開店当初は、香港からの日帰りツアーのコースに、深センマクドナルドを入れる会社も有ったようだ。
中国が10億人のマーケットと言われながらも、全く実感が持てなかった頃。
今は昔という時代の話である。