卵の思い出

日本から香港に戻る折、卵を3パック、長ネギを6本買ってきた。
香港では最近、日本産のネギが手に入りにくい。日本製の卵は買えるのだが、海外輸出向けは消毒が強いのか、(それが殻の中に入り)生食するとちょっと違和感を感じる場合がままある(3回に1回くらいの割合?)。という訳で、卵好きな僕としては、日本出張の際に卵を調達する事になり、冷蔵庫の中に豊富にあると、心が安らぐ。
卵

高校生まで、生卵を食べる事はまずなかったのだが(高校の学食で月見そばを見て驚いたくらい、生卵を食べるという意識が無かった)、大学時代、合気道の合宿で出てきたことから、栄養補給の観点より食べるようになった。
その後、福建省の福州に実務研修し、当時(1989年)の環境では日本食を食べる事が全くできず、それに伴い日本食に対する思い入れが強くなった。特に食べたくなったのは、何故か卵かけご飯とざる蕎麦だ。
蕎麦は日本から郵送してもらい、他に冷やす術がないので、バスルームの洗面所の水で冷やして食べていた。
生卵は、スタッフに買ってきてもらい、「日本の卵じゃないから生では食うな。前の研修生はそれで病院に運ばれたんだぞ」と必死に止められるのを振り切って、50個ではきかないくらい食べ続けた。
いま思うと呆れるほど乱暴な事をしていた20代だったが、運良く1度も腹を壊さなかった。
当然の事ながらいまではもうやらない。香港でざる蕎麦や冷や麦を作る場合は、買ってきた蒸留水で冷やしているし、生卵も当然日本産のものだけだ。
当たり前と言えば当たり前だが、自分も落ち着いたものだと感じ、また、若き日の自分は無鉄砲だなと呆れる。