新型肺炎に基づく旧正月期間延長措置

旧正月延長に関する会報です。クライアント様向け情報ですが、ここでも公開します。
2月2日までの延長に加え、上海市・広東省では、2月9日までの延長が行われています。1月29日の、浦東新区陸家嘴街道疫情防控弁公室のでヒアリング結果を踏まえ、下記します。

<会報引用>
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大防止措置として、国務院は1月26日に「2020年春節休暇延長に関する通知(国弁発明電[2020]1号)」を公布し、春節の休暇期間を2月2日(日)まで延長することを決定いたしました。
この措置を受けて、上海市や広東省は独自の春節休暇延長措置を公布しています。
この国務院、上海市、広東省の各春節休暇延長措置の内容を、速報としてお届けします。

1.国務院の通知(国弁発明電[2020]1号)の内容
(1)春節休暇期間を2月2日(日)まで延長し、2月3日(月)から正常出勤とする。
(2)各地の教育機関(中文:大専院校、中小学、幼儿園)の授業再開を遅らせ、具体的な時期は教育部門から別途通知する。
(3)感染拡大防止のために休暇が取れない職員については、労働法の規定に従い代休を手配しなければならず、休暇返上期間の報酬は関連政策にもとづき保障されなければならない。
●国弁発明電[2020]1号(原文)

2.上海市の措置
上海市政府が1月27日に公布した、「上海市における企業操業再開と学校始業の延期に関する通知」に記載された内容は、以下の通りです。

(1)上海市内の各種企業は、2月9日(日)の24時前に操業を再開しないものとするが、水道・ガス・電気・通信など都市運営に必要な業種、医療器械・薬品・防護品生産販売など感染拡大防止に必要な業種、スーパーマーケット・食品生産供給など人民生活に必要な業種、および国の経済と人民の生活にとって重要な企業は除外する。

(2)上海の各級・各類学校(中文:高校、中小学、中職学校、幼儿園、托儿所等)は、2月17日(月)の前に授業を再開しないものとする。これより前に学校は生徒の帰校やいかなるオフラインの授業活動と集団活動も行わない。授業再開の具体的な時期は、状況をみて決定し、公布するものとする。

(3)業務上の都合で近日中に上海に戻る人員に対しては、各関連部門と所属組織は検疫検査と健康保護を強化したうえ、所属組織はオンタイムに関連情報を報告し、疫病流行の重大地区から来た者、行ったことのある者に対しては一律厳格な医学的観察や隔離といった措置を行う。
●上海市における企業操業再開と学校始業の延期に関する通知(原文)

3.上海市の通知の解釈文章
28日に公布された、上記上海市の通知の解釈文章によると、特に感染拡大防止物資の輸送に係る物流業や、人民の生活・供給に係る家政サービス業、スーパーマーケットなどは予定通りに操業を再開することが勧められており、医療器械・薬品・防護品生産など感染拡大防止に必要なサプライチェーンに属す企業は、前倒しの再開と生産能力拡大が要求されています。

また、特殊要因により、2月10日(月)より前に操業を再開したい企業は、説明資料(外来従業員の流動状況を含む)、疫病対応マニュアル、及び疫病や感染が出現しないことを保証する承諾書などを、所管疫病防止・コントロール指揮部あるいは所管園区に提示・報告し、審査を受けた後に操業を再開できます。ただし、規範に合致しない状況や感染者が発生した場合、生産経営停止の上、企業の責任が追及されます。
(※1月29日時点で所管疫病防止・コントロール指揮部のひとつである、浦東新区陸家嘴街道疫情防控弁公室に確認したところ、具体的な申請手続きは上級管理部門に確認中とのことでした)

なお、今回上海市政府が実施する春節延長期間は休日扱いとなるため、疫病防止・コントロールのため出勤する必要がある従業員に対しては、残業代(給与の2倍)を支払うか、代休を与える必要があります。また企業の要求に従い在宅勤務した場合も、休日残業として扱う必要があるので、残業代を支払うか、代休を与える必要があります。
●同通知解釈文章(原文)

4.広東省の措置
広東省政府は1月28日に、「企業操業再開と学校始業の延期に関する通知」を公布しており、基本的な内容は上海市と同様(上述(1)、(2)、(3)参照)となっています。
ただし(2)について、広東省では、幼稚園・小中学校は2月17日(月)の前に授業を再開しないものとされ、その他(中文:大専院校、中職学校、技工院校)については、2月24日(月)の前に授業を再開しないものとされています。

●広東省政府・企業操業再開と学校始業の延期に関する通知(原文)
●広東省政府・企業操業再開と学校始業の延期に関する通知(原文)