最近、日本事務所(みなとみらい)での面談や、電話会議のご依頼が大変多く有難い事だ。活気があるのが何より。また、日本滞在が長引く状況ながら、現地も問題なく機能しているので、業務にも全く支障がない。これは、自分が会社を作って、12年間でやってきたことの成果という気がする。
部下の教育、というか、ノウハウの引継ぎに付いては、部下たちが、僕の本、原稿、ご質問に対する回答を、本当に良く勉強してくれており、僕が何も言わなくても、僕の考えに沿った回答をしてくれる(若干、外れた場合は、僕が補足する)。中国人の部下たちにとっては、外国語(日本語)でそれをやる訳なので、自分でもそこまではできないだろうなと頭が下がる。これは、感謝するばかり。
あと、上海、広州、日本の拠点などは、部下を出資者(20%)兼社長にして、金銭出納、人事採用、人事考課などの権限は全て渡している。これは、即効性がある対策だったし、丸紅(というか、日本の大企業)ではできない事なので、独立して自分の会社にして良かった部分。やはり、副社長と社長では、各位の意識は全く違う。
人事に関していえば、各拠点で社員を採用する際に、僕は一切口を出さない。決まってから挨拶をしてもらう程度。また、人事考課は、各拠点社長が決定して、一応、僕の確認は申請してくる。よほど問題が無い限りは、それに同意する。
経費管理などの面に付いては、上海や広州などの経費を使うときは、僕が各拠点の社長に頭を下げて頼まないといけない。
なぜこんな体制にしているかというと、人事採用に関しては、自分より部下の方が、能力がある事が分かったので、苦手な事には、敢えて口を出さない。経費管理というか、各拠点の独立採算化に付いては、オーナー(僕)が、ある程度好き勝手にできない体制を作る事が会社の健全化につながると思っているためだ。これは、丸紅時代のシステムが、部長は経費予算枠(交際費などを含め)を持たず、課長に与えている様なもの。部長が使うときは課長に頼まなくてはいけない(さすがに、断る事はないだろうが、そのステップがあるかどうかは重要)。これは、大会社の管理手法を学んで準用した部分。学ぶところは学び、変えるところは変えた訳で、そういう学びの機会が得られたのは、丸紅に感謝しなくてはならない。
こんな感じで、権限移譲を進め、且つ、損益責任を負わせ、計上した利益は、原則全額配当してもらっている(上海も広州も、設立2~3年で投資は回収した)。
チェイスネクストとベトナムは、黒字にはなったが、投資回収には至っておらず、そこらの課題があるのだが、一応、2年度連続(2018年、2019年)全拠点黒字になった訳なので、それなりに順調とは言えようか。
ただ、今の気持ちは、(現地がうまく回っているから行かなくてもよいという気持ちではなく)早く中国に戻りたい。一刻も早い新型肺炎の収束(までいかなくても状況改善)を、願ってやまない気分である。