中国における外国人再入国規制緩和(招聘状・ビザ免除)の補足

先ほどアップした掲題の件ですが、公告では分からないのは、「居留許可が有効期限内に有る場合は良いのだが、期限が切れている場合はどうなるか」という点。
それに関して、本日午前(9月24日午前)に、当社上海・広州より、上海市出入辺防検査総站・広州市外事弁公室にヒアリングし、それに基づく会報を配信したので、同じ内容を、ご参考まで、ここでもアップします。
結果、「詳細は国によって異なるので、該当地の大使館・領事館(つまり、在日本中国大使館)で確認してください」、という回答で、それ以上の回答が得られなかったのですが・・・
ともあれ、規制緩和のトレンドには入っているので、国慶節明け後に動き出すのではないかと、個人的には考えています。

中国における外国人入国規制緩和(招聘状・新規入国ビザ免除)

2020年9月23日に、中国外交部・国家移民管理局から、以下の公告が公布され、2020年9月28日より、外国人の入国規制が緩和されます。
<公告の内容>
● 2020年9月28日0時より、有効な居留許可証(就労類、私的事務類、家族居住類)を持つ外国人の入国を許可する。新たに、入国用のビザを申請する必要はない。
● 居留許可証の期限が切れているが、中国訪問の目的が変わらない場合、期限切れの居留許可と関連書類を持って、中国大使館・領事館で相応のビザを取得すれば入国が認められる。
● 2020年3月26日の公告で定めた、その他の措置は継続する。

当該公告に基づく実務対応を、本日(2020年9月24日・午前)広州市外事弁公室、9月25日に上海市出入辺防検査総站にヒアリングしましたが、回答は、双方以下の通りでした。
1)有効な居留許可証(就労類、私的事務類、家族居住類)を保持している外国人は、9月28日0時から、居留許可証に基づき、中国に入国することができる。入国のための新規ビザの申請は不要となる。
2)居留許可証の期限が切れている場合(但し、再渡航の目的が従来と変わらない場合)は、各国の中国在外公館で、以前の居留許可と関連資料を提出してビザを申請できる。但し、ビザ申請の手続きや必要書類は、国によって異なるため、招聘状の要否を含めた詳細は、各国の中国在外公館にヒアリングしてほしい。

以上の通り、居留証が有効な場合は、特段の手続無しに入国が可能になりますので、大きな制限緩和となります。因みに、有効な居留許可を有する外国人の入国要求は、2020年3月28日以降、以下の通りとなっています。
(3月28日より)招聘状・入国のためのビザ申請が必要⇒(8月22日より)招聘状免除・入国のためのビザ申請が必要⇒(9月28日より)招聘状・ビザ共に不要。居留許可に基づき入国可能。

一方、問題となるのは、居留許可が、2020年3月28日以降に期限切れとなった場合の手続ですが、公告には、この場合の招聘状取得要否は明記されていませんし、広州市外事弁公室でのヒアリングも、明確な回答は得られませんでした。
何れにしても、居留証期限が切れている場合、再入国のためにはビザの申請が必要となりますが、それに際しての招聘状取得要求は、以下の経緯となっていました。

<ビザ取得時の招聘状要否の経緯>
Mビザ・Zビザの新規取得に関する招聘状の要否は、2020年3月27日までと、3月28日以降で、以下の様に変更されています。
その上で、今後(9月28日以降)の対応は、現在、明確になっておらず、詳細は、在日本中国大使館・領事館で確認する必要があります。

● Ⅿビザの申請
2020年3月27日までは、Mビザを取得するために必要となる招聘状は、中国国内の貿易相手が発行する、商務活動書類、経貿交易会の招聘状でした。つまり、政府機関ではなく、中国内の企業が発行した招待状で、申請が可能でした(但し、数次ビザの場合は、地方の外事弁公室・商務主管部門が発行した招聘状が必要)。
それが、3月28日以降、省級人民政府外事弁公室、若しくは、商務庁等の機関が発行した招聘状が要求される様になりました。

● Zビザの申請
2020年3月27日までは、Zビザの取得に、招聘状は不要でした。
それが、3月28日以降、外国人工作許可通知、赴任所在地の省級人民政府外事弁公室、若しくは、商務庁等の機関から招聘状の取得が招請されています。
この招聘状の取得が難しく(Mビザも同様)、ビザ取得の障害となっていました。

今回の規制緩和措置の趣旨からすれば、居留許可期限が切れている場合でも、元の居留許可と関連書類に基づき、在外大使館・領事館で、ビザ申請が可能となる期待がありますが(外国人工作許可通知、招聘状などは免除)、この点については、現時点では明確な回答が得られておらず、在日本中国大使館の方針に従う必要があります。

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