最後の二回の講演会はつらかった

2回の講演会を無事に終了すると、疲れがどっと出た。そして、週末、ふと辛いものが食べたくなり、デリバリーで四川料理を頼むが、これが良くなかった。料理自体は問題ないのだろうが、疲れ切った体に刺激物が効き、殆ど食べていないのに、深夜、腹を壊して一睡もできず。翌日より、咳込むようになった(日中は良いが、深夜にひどく咳込む)。熱がないのが救いだ。

体調が改善するまで外出しないことに決め、自宅で仕事、そしてオンライン講演。咳込まないかとひやひやしたが、大事には至らず、順調に第3回目の講演を終了。ただ、やはり、夜通し激しく咳込んだ結果、最終日には声がガラガラ。朝、声が出ないことに気づき、真っ青になったが、緑茶でうがいをし、部下・友人から送ってもらった喉の薬を利用し、必死に状態改善を図る。
久々に苦しい講演だったが、何とか2時間話しきる。ご聴講頂きました皆様、お聞き苦しい声で申し訳ありませんでした。

こんな感じで、ひやひやした2日間の講演であったが(特に、最終日)、喉の薬がずいぶん役立った。また、両方とも、手配後、30分で僕の家に届いたので感心。
この経験もあり、旧正月籠り用の食材(店がやっていないので、一週間自宅での食事を余儀なくされる懸念あり)を、何回かに分けて、インターネットで注文したが、本当に便利だ。食事は自分で手配していたが、実は、買い物は初めて。
アプリで注文すると、近場の店なら30分程度で到着するので、自分で行って買うより早い。また、店で買い物をする時は、環境保護の関係で、有料でもビニール袋を売ってくれなくなったが、デリバリーだと、ちゃんとついてくるのがご愛敬だ(笑)。
ともあれ、スーパーのレジ人員がどんどん減っているのを見ても、買い物の主流はネット購入で、実際に店に行く人は変り者、という感じになってきている印象だ(店に行かないと買えないものが有るので、それは言い過ぎか)。
上海に戻って以来、中国のネットの発達と、圧倒的な便利さを、身を以て感じている。

ちなみに、4回の講演会で使用したレジュメは、こんな分量。合計215ページで、全部、字がぎっしり詰まったワード文章。自分で作ったテキストとはいえ、(講演中に見なくて良いように)これを全部、頭に叩き込むので、準備は、そこそこ大変だ。さて、2月の講演は2回(2月16日・24日)。定期的な講演が続くので、体調を整え頑張ります。
本日時点(1月31日)、咳・喉も治まり体調は回復しました。ご心配おかけしました。

ハードな2週間

スピークロウに行った後、更新が止まっていましたが、なかなかハードな2週間でした・・・
増値税講演会が1月19・20日・26日と3回(合計6時間)。無料のビジネス講習会が27日(2時間)。昨年3月4日に、最後の自社主催講演会をやって以来の復帰戦なので、かなり気合を入れて、レジュメを作成し、準備を重ねてきた。その甲斐あって、増値税講演会無事終了。オンライン講演会なので、オフィスの会議室でやるか、自宅でやるかを考えて、自宅を選択。オフィスだと、ひっきりなしに訪問者がいて、チャイムが鳴るので、部屋にいても漏れ聞こえるかと心配した次第。

ともあれ、こんな感じで、部屋でPCを前に話していると、各地の方々とつながれる訳なので、便利な時代になったものだ。また、オンライン講演会は、現場の講演会とは違う、独特の緊張感とプレッシャーがある。

最初の週の2回を無事に終えて、ほっと一息ついて、家で火鍋をする。また、急にワンカップ大関が飲みたくなった。普段は、日本酒は純米じゃないと(吟醸じゃなくてもいいけど)・・・などと、生意気なことを言ったりすることもあるが、年に何度か、ワンカップ大関とか、アルミ缶に入った菊水が飲みたくなることが有る。アピタに行ったが、残念ながら大関は無く、代用品を2個買う。付近にいた、日本酒に興味がありそうな中国人女性の方が、興味深そうに同じものを手に取って考えていたので、「いや、おそらく想像している味とは違うよ」とアドバイスしたくなったが、思いとどまる。

ちなみに、昼食はこんな感じ。講演の前の食事は、軽めにするよう管理している(頭が働かなくなるので)。
という感じで、無事、最初の週を乗り切ったが、次の2回を控えた週末、軽く体調を崩してしまう。まだ、ハードなスケジュール(以前から比べたら、まだ、楽なものだが)に身体が馴染んでいなかったようだ。

週末スピークロウに行く

広東出張から戻った週末。スピークロウに行こうと思い立つ。
ここは、アジアでTOP2に入った有名なバーらしく、前から行ってみたいと思っていたが、機会がなかった。思えば、一人の日曜日は、フラりとバーを訪問するにはふさわしい。
せっかくなので、家から歩いていく。約1.5時間の散歩だが、復興路の洒落た街並みを見ながらの散歩なので苦ではない。

そうこうする内に、店が見えた。とはいえ、Ochoというショップがあるだけで、バーの気配は、かけらもない。これは、知らないと、絶対にたどり着けない。ショップに入り、右奥にある本棚を、左にずらすと秘密通路が現れる。そこに見える階段を上がると、そこがバーだ。

料理の品数は少ないが、味はなかなか。バーテンダーが、マシーンの様にカクテルを作り続けているのにびっくり。これは、大変な仕事だ。

鶏のから揚げがでかい。これで、満腹になる。店は満席で、立ち飲みの客も含めてぎっしり。サービスよく、雰囲気よく、味も良いので、確かに素晴らしいバーだが、いかんせん客が多すぎ。
次は、客が少ない、普通のバーに行こう。酒飲みは、わがままなものだ。

ただ、良い経験になった。来て良かったと満足。店を出ると、落ち着いた街並みを眺めながら、地下鉄10号線まで、5~6分の散歩。上海の街と雰囲気を味わった週末であった。

上海帰任

3泊4日の広東省出張であったが、1月15日(金)に上海帰任。旅から旅で、年間70回程度飛行機に乗るのが、コロナ禍前の生活。これを15年以上続けてきたが、この1年間、移動しない生活に慣れてしまうと、たまの出張が、どんより疲れる。暫く飛行機に乗りたくないなと思うから、習慣というのは恐ろしい。
ともあれ、朝8時半にタクシーに乗り、新白雲空港まで。約50分の距離だ。

新白雲は、どうにもだだっ広い感じがして、使い勝手が悪い。虹橋空港や、もっと広い北京空港と比べても、使いにくさを感じるのは、設計がいまいちであるからだろう。ともあれ、東方航空のラウンジで麺を食べる。これは、麺の盛り方も指定でき(小盛り、大盛りも可能)、気が利いている。そして、なかなか美味しい(無料の割には)。

あ~、こんな場所にあったのか、という感じで、ゲート近くに味仙ラーメンやマクドナルドが。表示が少なく、どこに行けば食事ができるのかわかり難い。

乗ったのは、上海航空の、東方航空との共同運航便。東方航空だと片道3,000元程度だが、半額程度であったため、ビジネスクラスは、結構な乗客だ。食事の選択は3種類。宮宝鶏丁を選ぶ。


まずまず満足して、上海に到着した。

広州社内会食(忘年会)

1月14日の夜に、広州の社内宴会を開いた。旧正月カウントで忘年会だ。良い機会なので、元部下にも声をかける。
広州出張して思ったが、感染者は上海とさして変わらない(今日の新規感染者は、上海は海外から到着の4名。広州は1名。出張した日は、双方5名だった)が、広州の方が警戒ムードが強い。道行く人は全員マスク。上海は、ここ数日、マスク率が上がってきて、9割程度がしているが、少し前までは5割程度であった。
とはいえ、問答無用の抑え込みが功を奏して、日本と比べると遥かに状況が良く、宴会が開けるのはありがたい(広州市は、宴席は10名以下とすることが要請されている)。



広州に来たからには、広東料理が食べたい。宿泊しているヒルトンホテル5階の中華料理店(随軒)で、宴席を開く。

広東料理が主だが、湖南料理(唐辛子と豚肉炒め)も織り交ぜる。広東料理の花形は、なんといっても、このガルーパ(清蒸石斑鱼)だ。何度食べても、やはり美味い。

これは、店が推薦している、鴨のフライ(見た目はとんかつのようだが、そうではない)。

宴席は夜9時頃終了。和やかで楽しかった。翌日は、上海帰任。

広州雑感

広州では、何度かコンビニに行ったが、どこにも顔認証決済が置いてある。上海より普及している感が。これを使えば、完全な手ぶらで(財布も携帯電話も持たずに)買い物に行ける訳で、確かに便利である。昔読んだ、星新一のショートショートの世界の様だ。面白いので、使ってみたが、残念ながら外国人は使用不可だった。ウィチャットペイ・アリペイ共に、実名認証(パスポートを持った写真をプラットフォームに送付)しているので、技術的には可能なはずだが、政策的な問題であろう。

会食が終わり、歩いて帰る時に、不思議なカラオケ場を見つけた。若い女性が熱唱しており、数名男性も椅子に座っている。何かと思い、インターネット検索してみると、去年できた、簡易カラオケのようで、勝手にそこに入り、歌いたくなったら、携帯アプリで料金を払って歌いたい歌を指定する。聞いている人も、携帯アプリで歌っている人の評価ができるようだ。

体育館前の広場では、運動している人だけでなく、スケボーや、自転車の曲乗りの練習をしている若者が。時代の流れを感じる。
若いころの僕が、嬉々として飛び回っていた頃の広州とは違う。

翌日の朝は、珠江新城で面談。ここも、僕の若いころに無かった(栄えてなかった)区画だが、今では、金融、大手企業は、ここに揃っている。
付近で牛肉麺を食べる。本当は、広東風のワンタンメンが食べたかったので、店の選択ミスだが、味は、まあまあだった。

そして、午後に広州市商務局を訪問。特段の要件はなく、単なる挨拶。僕は、10年弱前から、広州市政府(投資促進中心)のシンクタンクメンバーとなっているが、この1年間何もできていないので、忘れられないように、投資促進局の局長以下に挨拶。ビジネストラックの状況(現状、招聘状の取得は、極めて困難)等を意見交換する。関係ないが、前に泊まっていた、ピカチュウステッカーの車に心をつかまれた。

久々の深圳訪問

広東省出張当日、朝7時半に車に乗り、虹橋空港に向かう。今は、アプリで簡単に車のアレンジができるので、大変便利だ(日時指定の配車予約も可能)。10年以上前、まだ配車アプリがなかった頃の朝の出張は、タクシーが捕まるかどうか不安だったが、今は昔になりにけりだ。

虹橋空港は、まずまずの人の出。ちなみに、今の中国では、建物・施設に入る時は、検温(自動検温の場合も多い)と共に、健康コードという携帯電話にインストールしたアプリを提示する必要がある。これは、過去14日間に、危険地域(感染者が発生している地域)に入っていないかを管理するアプリだが、都市によって違う。ここら辺が、広い中国ならではだが、今回の出張では、いつも使っている上海の健康コードに加えて、深圳・広州版を設定しないといけない。ちょっと手間取ったが、部下が対応してくれクリア。これがないと、飛行機に乗れない。

2時間半で深圳空港到着。深圳空港を使用する機会はめったにないので(深圳での仕事はあるが、宿泊地は広州か香港であるため、空港利用機会も少ない)、新しい空港になってから初めての利用だ。ずいぶん変わったなと、今更ながら驚く。
ちなみに、名古屋ラーメン・歌志軒という店があるので、興味をひかれたが、調べてみたら、名古屋発祥の油めんの店だった。

福田区到着。空港から約40分。まずは、銀行に行って、30分程度情報交換をする。福田の街は、過去10数年で、急速に開発が進んだので、最初は、未来都市の様だと思ったが、この景観になって、既に久しいので、今では、目新しさは感じない。

面談が終わると、15時に、19年来の付き合いの、通関関係のパートナーであり、良き友人でもある中国人の方と会い会食。彼女には、過去、税関関係のトラブルに際して協力を仰ぎ、何度も助けられた。この日に広州に入る必要が有ったため、中途半端な時間申し訳なかったが、ずいぶん早めの夕食となった。

会食終了は18時。用意した車に乗って広州に向かう。約2時間の道のりだ。最初は、上海から華南なので、ずいぶん暑いと思っていたが、車に乗っているうちに、身体が周りの気温に慣れて、寒さが骨身にしみてきた。

広東省出張の前日

1月12~15日は、広東省出張だ。この状況で、中国不在期間が長かったので、広東省は1年ぶりで嬉しい。
という訳で、前日(月曜)・前々日(日曜)は、おとなしく過ごす。日曜の夜は、日本米を食べる前に、黒龍江産米を使い切るべく、チャーハンを作る。白米で食べると、日本米と比べた場合の香りの足りなさに、若干不満が残るが、炒飯にすると美味かった。そして、月曜の昼はどん兵衛。中国で買うと、1個500円くらいと、高級品だ。ねぎを刻み、卵を入れて、心して食べる。

そして、夜は紋兵衛。「思えば、2020年の最初の食事(1月1日のブランチ)は、ここだったなあ(その後、こんな世の中になるとは思わなかったなあ)」と思いながら、しみじみと食べる。

寒い夜の一人自宅焼肉

上海は、▲8度まで下がる寒さだ。外食がためらわれるため、アピタで肉(特売のニュージーランド牛)を買い、家で一人焼き肉をした。ワインも、ちょっと良いものを買ったので、満足度が高く、幸せだ。
しかし、中国では酒税が高いので、供給が限られる日本酒だけでなく、ワインの販売価格も高い。日本の1.5~1.7倍くらいの小売り価格だろうか。ちなみに、酒税と書いたが、中国に酒税はないので、正確には消費税。更に言えば、酒、特に、醸造酒に対する関税と消費税が高いという事(増値税は13%で共通)。そこだけが、ちと残念だが、幸せ感はあった。

そして、今週、炊飯器を買ったが大正解だ。思えば、少し前まで、10年間使用している、安炊飯器を使っていたが、先々月の引っ越し時に捨ててしまった。それ以降、レンジご飯を食べ続けたが、3か月食べたら、食感に我慢ができなくなってきた。
炊飯器を買い、勇んでアピタに行ったが、輸入規制がかかっている関係で、日本米は高く、2Kgで200元(3,000円)程度。一度は、遼寧省産米(五分の一の価格)を買い、これはこれで悪くはないのだが、やはり、日本の米にあるような、香り立つものがない。翌日、再度アピタに出向き、新潟産コシヒカリ(238元)を買う。高いとはいえ、レンジご飯も似たような価格な訳で、ここでけちる必要はなかろうという判断だが、これまた大正解だ。

尚、上海のスーパーでは、1月1日より、環境保護のために、レジ袋を一切置かなくなった。以前は、0.2元程度で売ってくれていたが、これがないので、エコバッグを買わないといけない(これが、300円程度)。一週間で、既に3個もエコバッグを買う結果になってしまったので、思い立っての買い物がしにくい。計画性がある行動が必要だ。一応、コンビニは、非プラスティックの環境適用袋を売ってくれるので、衝動的な買い物も大丈夫。
ちなみに、不便ではないかと部下に聞くと、「インターネットでしか買い物をしないので、全く影響ありません」との事だ。

ビジネス講習会のレジュメづくり(世界情勢について思う事)

2021年1月27日(水)のオンライン・ビジネス講習会のレジュメもほぼ完成した。レジュメ作成に際して、各国の経済指数を整理していたが、それにあたり、考えたことを書いてみたい。

今回、日本に珍しく長く滞在したのだが、思ったのは、日本のメディアが、真実を報じるよりも、こうあって欲しいという願望を報じているような印象が強いということだ。具体的には、中国は、世界から孤立していていると思いたいという願望だが、数字から見えてくる現実は少々違う。日本企業が、自社の利益を守るためには、冷静な分析と判断が必要だ。それが、僕自身の目にどう映っているかというと、以下の通り。

① 新型肺炎の結果、いち早く底を打って、回復基調に乗った中国市場のプレゼンスが、却って高まった。2020年12月1日、経済協力開発機構(OECD)は、「世界の経済回復を牽引するのは中国であり、2021年の世界経済成長の3分の1以上に寄与する」と予測を発表している。如何に、中国に売っていくかは、日本企業にとって、依然として重要な課題である。

② 一方、米中関係の軋轢は長期化すると思われる。日本企業にとっても、サプライチェーンの再構築は、引き続き必要だ。状況次第では、海外から日本への回帰を考慮する産業も出てこよう。日本にとって、米国と中国は、貿易取引1位・2位の相手国。どちらかの取引がなくなれば、深刻な経済ダメージを被る。双方に売って、利益を確保すべきだ。

勿論、米中間の事態が極めて深刻化すれば、同盟国の米国を選ばざるをえないが、米国企業自体が、中国に深く入り込んでいる状況を鑑みれば、米国の政治判断も慎重になるはず。かつてのように、日本が米国の顔を伺い、中国と距離を置く間に、米国と中国が手を結ぶ懸念もゼロではない。漁夫の利を得る上手い立ち回りが必要だ。政治の話はさておいて、日本企業は、サプライチェーンをしっかり構築し、双方に売る体制を確保すべきであるし、それにRCEPが有用であれば、しっかり活用すべきだ(勿論、RCEPの関税撤廃は、中長期的なスケジュールで動くので、即効性はないが)。

③ 2021年1月5日の日経新聞電子版では、「2020年の中国本土と香港の新規株式公開(IPO)調達額が、世界全体の約45%を占めた」と報じている。米中対立を踏まえて自国で資金調達する中国企業が増えたことが要因だ。米国の政策(というより、トランプの煽り)が、却って、中国・香港の金融市場のプレゼンスを高めた結果になっているのは皮肉なことだ。

個人的には、政治に興味はないし、イデオロギー議論をするつもりはない。ただ、ここにきて思うのは、トランプ政権期に米国の分断が進み、結束が脆弱化したこと。欧米・日本の新型肺炎抑制のもたつきが見られることを背景として、中国内の民意が、自国満足にシフトしていることだ。いま重要なのは、民主主義国側の体制固めであろう。愛国というのは、他国や、イデオロギーの違いを盲目的に非難することではなく、自国の経済・利益を守る気持ちと冷静さを持つことだ。

という様な印象を持っていますが、詳細は、ビジネス講習会で。今回は、全ての聴講者の方が無料。システム上、500名様まで登録できるので、まだ大丈夫です。また、1社当たりの人数制限はありません。

ビジネス講習会の詳細・お申し込みは、こちらをご参照ください。